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中国異業種EV参入

EVは何度目かの起業ブームです。

前回のブームで産まれたのがテスラや比亜迪自動車販売(BYD)です。

他にも中国だと町工場に毛の生えたような、ぢゃくしょう(弱小)のベンチャーが竹の子のように産まれました。

ペラペラのプラスチック成形された外形の中に、どんとモーターを載せた遊技場のカートみたいなのが売られていました。しかし、そこからきら星のような大企業は今のところ産まれていません。

その前の前のブームは1990年代のGMのEV1、日本企業も沖縄の離島で実験的な運用も行われていました。

そもそもダイムラーが産まれた頃にそもそもガソリンエンジンと電気自動車は戦って居るので、このブーム何度目かいな?

何処の時代も求められるのは変わらずバッテリー容量、どれだけ走れるのか?その昔、豊田佐吉が求む乾電池と言ったとか、言わないとか。

今回のブームはテスラが跳ねたからですが、ベンチャー以外にも大手の異業種が参入してきます。中国では例えば

✅電気自動車だから電機、鴻海

✅自動運転車と絡めてAIのバイデゥ

✅資本が戦いの不動産、スマートシティという切り口でサッカーチーム所有の大企業

✅畑違いというと空飛ぶ自動車、もうはっきりと人を載せるドローンDJI

などなど、色々あって何かを軸に整理したいと連ねます。

前提として数年前から中国ではAIのリーディングカンパニーを領域別に定めました。中国最先端5大企業ですが、今回はバイデゥが入っていますね。。

(1) 百度(Baidu):自動運転(スマートカー)

(2) アリババ(Alibaba):都市ブレーン(スマートシティ)

(3) テンセント(Tencent):医療画像認識(ヘルスケア)

(4) アイフライテック(Iflytek)(科大訊飛):音声認識

(5) センスタイム(Sense Time)(商湯科技):顔認識」

出典;https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/02/ai5.php

あまりにも雑多なので上海モーターショーに異業種からの新規参入が多数あったと聞いて自動車の潮流CASEをフォーマットに検討を行います。

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C通信

C通信、グローバルは、グーグルのアンドロイドオートとアップルのカープレイの二択です。

中国に行くとアリババ系列の高徳のナビとかもあって協業や競争の景色も変わります。

トヨタの都市開発にみるようにCをスマートシティと定義しなおすと不動産大手「恒大不動産」が設立した自動車ブランドもここに参入していることになると思います。

脱線ですが豊田のウー何とかって工場跡地の名前はあんまり良くないですね。書きながらヴだっけ?ブァだっけ?と調べたら分かったけれど、日本人にはなじみなく日本国内では拡げる気がないとも思えます。

私が住んだマンションの名前もカタカナだらけで住所を書くだけで一苦労でしたが、似たような状況です。カッコ良さを取って誰か何か言わなかったのかいな?

記事によるとこの中国恒大集団の傘下企業は2025年までにEV年間100万台の販売を目指しています。

さて元々色々やって居るので欄外ですがファーウェイです。

HUAWEIはスマートシティ向けの通信や、スマホやタブレットなどの電子機器を提供しておりOSも作るなど、この分野なら活きそうですよね。

A自動運転

A自動運転はアポロ計画で自動車メーカー各社と協業した実績もある中国ネット検索最大手のバイデゥが参入します。

これまでの自動運転だけから、自動運転車まで手を拡げるのでこれまで賛同していたメーカーの出方はどうなるやら?想定はしていたとしてもいきなり競合です。

グローバルだとインテルが買収したモービルアイなどの機能部品の大手とか、従来型の部品メーカーがいます。

それを組み込んで車として仕立てたテスラやグーグルのWeymoとかがレベル3,4まで進んでいます。

勘違いされる方も多いのですが技術的にはレベル5の完全自動運転の方が制御は簡単です。人の操作に当たる外乱が無いですから当然と言えば当然ですが。ただし事故が起こりそうな時もそのままなので、無人列車など外部からの脅威の無い環境造りが必要となります。

華為技術(ファーウェイ)の高度自動運転システムADS搭載車が出展されていたそうです。これもV2V の車車間通信やV2E の周囲環境との通信などを絡めるとスターダムにのしあがる可能性大です。中国国内なら共産党支持があればデータの横流しも流用も制限が穏やかなイメージが有るので開発計画は進むと思えます。

通信速度を上げて、どれだけ短時間でやり取り出来るかが高精度かの鍵になります。

Sシェア

Sシェア はMaaSも含めコロナ禍で他人との接触を気にするで低調です。誰かが座ったシートに座り、他人の車のハンドルを握る。横には知らない人と同席して同じ息を吸うのはしばらく先になりそうです。濃厚接触の言葉の通りシェアはしばらくお預けしています。

それよりは同じ頭文字でもSky空飛ぶ自動車は定義換えにはなりますがどうですか?アメリカではベンチャーがSPACなどでもぶち上げています。

どちらかというと「有人ドローン」ですのでDJIの参入が光ります。記事によると

民用ドローン世界最大手「DJI(大疆創新)」傘下のスマートドライビング部門「大疆車載」を設けたそうです。

グローバルでもドローンと定義するとDJIなのですが既に中東で空飛ぶタクシーの運行が始まったとか聞いた記憶があります。

また、大穴としてそもそも移動しないバーチャルのクラウド情報というのも自動車業界からしたら悪夢ですがあり得るかもしれない未来です。

E電動化

上汽集団、張江高科、アリババグループが共同設立する智己汽車が産まれたという記事をみました。アリババが入ると電動は進むと思えます。

また、スマホやタブレットなどの電子機器でお馴染みの方式だと

1月13日、自動車大手「浙江吉利控股集団(Zhejiang Geely Group Holdings)」と電子機器受託製造大手「フォックスコン(Foxconn Technology Group、富士康科技集団)」が戦略的パートナーシップ協定を締結した。両社は折半出資で合弁会社を設立し、世界の自動車関連企業やモビリティ企業向けに受託製造およびコンサルティングサービスを提供する。

このように、Geelyがフォックスコンと提携していました。

中国の知財 タイトル·要約で「電気自動車」

2019年以後の出願で調べました。中国特許についてタイトル·要約で下記を検索すると15524件ヒットしました

电动车辆+电动车托+电动汽车

電気自動車

イメージはガツンと男らしく、electric vehicleが書かれたものです。トップ100に上のcaseに入れた企業はなく大学が多かったのが印象的な結果です。欄外としたファーウェイは62件中国名: 华为技术有限公司 英語表記:HUAWEI TECH CO LTD 62件数は全体 76508の千分の1以外です。

同じ記載で上位に入ったトヨタまでをあげると

集計数 出願人名(英語)  DB全範囲

279 国家电网有限公司 (英語名称無)  33670

257 北京新能源汽车股份有限公司 BAIC BJEV CO LTD 4348

139 浙江吉利控股集团有限公司 ZHEJIANG GEELY INT CORP 18524

119 中国第一汽车股份有限公司 CHINA FIRST AUTOMOBILE WORKS 6080

107 奥动新能源汽车科技有限公司 (英語名称無し)  460

106 福特全球技术公司 FORD GLOBAL TECH LLC 10710

97 吉林大学 UNIV JILIN 25257

93 比亚迪股份有限公司 BYD CO LTD 18894

92 珠海格力电器股份有限公司 ZHUHAI GREE ELEC APPLIANCES 62357

87 丰田自动车株式会社 TOYOTA MOTOR CO LTD 23795

バッテリーや部品単体もあるのであくまでも参考です。部品までいれると自動車限定が難しいというのは検索あるあるです。

自動車業界変革と異業種参入

これからの自動車業界について、下のように現在の枠から外れる拡がる図示が有りましたので今回の例を追加します。

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あくまで既存のOEMの完成車メーカーや部品メーカーは生き残りを図っています。

最上位にMaas、スマートシティが完成車メーカーの領域より大きく高く生まれます。

Uber・DiDiのように自動車を共有したり、更に大きく鉄道やその他公共交通機関と組み合わせたモビリティ・サービスが含まれます。

街全体の移動を司るサービスをスマートシティと定義して雄安地区などで実証実験、というか実際にやり始めています。

この閉鎖空間の中で自動運転車・システムを動かすのでイーロン・マスクさんの地中化移動システムを含めてここにテスラモーターズも置きました。


中間には統合システムが完成車メーカー(OEM)の領域まで含める技術領域を行います。

これまでの部品に限られたティア1を超えてOEM領域に進出するものです。

コンチネンタルなど複数のM&Aを経てモジュールでの提供を始めています。

これまでもエアコンのコンデンサー単体からモジュール、制御システムまで拡がります。

自動運転に関するシステムは開発費用が膨大で1社だけではとてもペイできず統合システムをメーカーに依頼しているところがほとんどです。

最近時では駆動に関わるモータ制御まで含めても行っています。

マグナのように車の製造を請け負うのも昔から有ったので、特に最近からという訳では無いですが完成車メーカーからみると領域侵犯はこれからも続きます。

もともとBYDはバッテリ屋さんからガソリンエンジン車まで広げています。キーデバイスからの元祖、移行組ですBaiduも協業でノウハウを蓄えOEMに参入しています。

モネはソフトバンクグループが呉越同舟の日系OEM企業に声をかけています。

Googleはアンドロイドオートのようなナビゲーションと外部に切り離した自動運転システムなど関与は多いです。何度も自動車に参入するといわれていますが未だ、しかしアップル同様参入するなら脅威です。


下にドンと構えるのがキーデバイスです。

これまで下請けとかネガティブなイメージもありましたが、

半導体不足で車が出荷できないとか電気自動車のためバッテリーの供給先を取り合うなど無くてはならない存在であることを示しました企業を載せました。

僅か数年で車載バッテリNo1になったCATL

認識システムのソニーなどがあげられます。

あくまで2極化してこれまで通りの事業を続ける企業もあれば領域侵犯を繰り返して新たな事業を行う企業も生まれると思います。

ただし、20年近く言われているガソリン自動車向けのエンジン関係はお先が暗い。

人間は短期は悲観すぎ長期は楽観すぎるらしいので流石にガソリンエンジンは悲観的です。しかし、LPやLPの針が売れ続けるように台数を追わなければ生き残る道はあります。

世界1のエンジンメーカーでありパワーオブドリームズと言ってたホンダがここを攻めると思っていたのですがEVにシフトしたそうです。

三菱自動車は中国向けのエンジンで有名でした。ここもEVにシフトしているので燃費競争で一時優勢だったマツダなどもこの位置に行けそうです。


もう一度載せて、再掲とします。右側の新型自動車産業の分類は既存の区分けから離れた存在です。ここまで含めて事業が大きくなったと楽観視することが新規参入の原因です。

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逆に既存の企業からするとパイを右側に取られ狭く、小さくなるので悲観論です。右側に打って出るしかないと思います。

まとめ

今回はSをShareシェア⇒Sky空と書き換えた時点で勝ったと自己満足です。バーチャルなクラウドまで進めて空の雲と見立てると異業種はサーバ持ちの企業が該当することになります。いずれも儲かる業界には参入したく、何処を足掛かりにするかは自社の強み弱みの分析からかもしれません。

さて昨年の売上上位の車をみると、

テスラ/モデル3

ルノー/ゾエ

上汽通用五菱汽車(SGMW)/宏光Mini EV

テスラ/モデルY

現代/コナEV

がベスト5でした。以後、日産/リーフ、アウディ/e-tron、広州汽車集団(GAC)/埃安S、フォルクスワーゲン/e-Golf、比亜迪自動車販売(BYD)/秦 Pro EV、フォルクスワーゲン/パサートPHEVと続きます。

起亜/ニロEV、ボルボ/XC60 PHEVなんてのも有りました。

テスラはご存知の通り特許フリーを勝手にぶちあげたので特許出願も低調です。何処かベンチャーの特許出願無いかとランキングをみると

38 上海蔚来汽车有限公司 (英語名称無し) 713
ってこれShanghai NIO Automobile Co., Ltd ですよね。

これから異業種から電気自動車の出願も出るとは思いますが2019年にはほとんど出願していない企業が一躍表舞台に上がる。

日本にもこのダイナミックさが欲しいです。でも経産省とテスラ役員の天下り役人?は頂けないので健全な競争関係を希望します。

自動車工業会のCMで私達はコロナ禍に負けず雇用を維持し頑張っています。というキャンペーンを唐突にやりましたが電気自動車マンセーの政府の方針に異を唱えたかったのかもしれません。

それでなくてもこのCASE領域はやるべきことが一杯有りすぎて、何処に注力するべきなのか各社も手探りです。参入するのなら今ですね。

https://note.com/zshiki/n/n6ecf7d6d9061

色々抜けてたので追記ではなく別立てにしました。スマートカー参入


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