総合電機のリーダーと経営
リーダーシップを発揮させている企業を例に経営理論を知財の視点から検討します。
具体的にはミクロ心理学の経営理論を今回も日立製作所、シーメンス、フィリップス、GEに当てはめして行きます。
総合電機メーカーはコングロマリットから選択と集中により事業をした方が良いという認知バイアスにかかっており、それに合わせて事業を入れ替えした企業の業績が良い。
みんなが右向け右するなら、一緒に行動した方が株式市場からの評判は高いという面があるかと思います。
さてリーダーは巨大な船のような大企業をどのように舵取りしたのかみて行きます。
リーダーシップ
この企業の中でリーダーシップと言えば、先日お亡くなりになったGEのジャック·ウェルチが思い浮かぶと思います。トーマス·エジソンが1878年に起こしたGEからほぼ百年後の1981年に八代目のCEOになります。
在任の二十年に売上を五倍の260億ドルから 1300億ドルへと拡大し、 時価総額も1400億ドルから 4000億ドルへと30倍に拡大させています。選択と集中の権化で、ナンバーワン、ナンバーツー戦略を推進しました。
それよりも後継者のジェフリー·イメルトが激動の時代を生き抜いたので、目利きだったのがすごいです。
シーメンスは、ジョー·ケーザーCEOが組織変革し人員入れ替えを断行したのが大きいと思います。
工場、製品のバーチャルでのシュミレーションを行うデジタルツインなどデジタルサービスの拡充し、有意義な情報をユーザーに提供できるようにした。インダストリー4.0の旗振り役です。
いつの間にかGEよりシーメンスの方が持て囃されています。
フィリップスは2011年からのフランス・フォン・ホーテンCEOの時代に事業ポートフォリオをヘルスケアに限定していました。
それ以後も、というかほとんどのCEOが優秀です。
最後に日系企業の日立製作所です。
あちこちの記事に出ているのが中西元社長です。時系列は下記です。
一度子会社に異動され、中西氏はHDD(ハードディスク駆動装置)を手掛ける日立グローノウレストレージテクノロジーズ(HGST)のCEO(最高経営責任者)として辣腕を奮う。その後、川村元社長に引かれて本体の社長にという流れです。
日経の記事から抜き出すと、
史上最大(当時)の7873億円もの最終赤字を計上。中西氏は、その後の日立を日本型雇用モデルから脱却させる改革の旗振り役を務めてきた。
というリーダーシップを発揮させていると分かる。組織変革もしたようで
ジョブ型への移行対象は管理職以上の社員。13年度に本社を含むグループで約5万のポストをランク付けし、14年度にまず日立本体から管理職の処遇をランクに関連付ける形に変更していった。全世界の社員を共通の尺度で評価する制度も導入した。
トヨタと同じく抜擢しやすくしたいのでしようね。
知財とリーダー論
リーダー論ですが知財、弁理士がリーダーというと所長さんぐらいなので、あまり関係なく、さらっと知財との関係を見ていきます。
どちらかというと部外者の立場や、フォロアーとして関わるので、右など横から、部下の下からの視点です。
そもそもリーダーとなる人は誰なんでしようね。
【偉くなった人がリーダーになるのか】
2代目襲名や子に継がせたり、
忠犬ハチ公が、功績を認められる論功行賞的なものなのか?
個人的な感想でしか述べられないので少し思い返します。
明治から100年続く同族会社(とりあえず一部上場ではありました)に勤めたこともあるのですが、自分の居る時に社長が創業者の親戚から部外者に変わりました。
全くの新人だったので、先輩が組織変更に一喜一憂するのを見ながら、そんなもんなんだなぁと見ていた記憶しかありません。本当に他人事です。
今日、10年ぶりにHPを拝見したら、その時の副社長が会長に、入った当時の直属の部長が社長になっていました。
知財も管理していた人が常勤の監査役になっていて20年以上経つとこうなると実感。
となると、一旦外れた同族会社の垣根は元には戻っていないようです。
経営学の論文で同族会社は景気が良いとよく聞きますが、競合他社には同族経営の会社もあって、良く雑誌に載っているので、元居た会社より景気は良いのかもしれません。
【役席を果たせる人がリーダーになるのか】
ブルドーザーのように独断専行で事を進める乱世型の人により事を動かすのか、
すっげーガツガツしているなぁとお手並み拝見としてたら急な業務変更で反乱が起きる例を経験しました。
ちなみにその後昨年度の営業利益ランキングのトップ10の企業に転職して、現在の会社になります。
画期的な商品を出して、会社に貢献したこの方。
その当時も偉かったのですが、間接的な上司でした。
会議で暴れる姿を見て、怖いなぁ、あの絞られる立場に当てられたくないなあと思っていたら、知財のポジションだとそれほど接点も無く、その方の栄転で関係性は途切れました。
その後、役職を重ねられ社長候補と呼ばれて、雑誌でも取り上げられていましたが
結局子会社の社長で終了になっていました。
ブルドーザーのように周りをなぎ倒しながら業績を上げた方でも、リーダーの地位は水ものなんですね。
まとめ
長々と自分の居酒屋トークレベルの経験を述べたのは、リーダーは大変だと良く論文で書かれていますが、フォロワーである大多数の下々はその影響を受けます。
より良い理論を構築して頂き、気持ちいい組織でのびのび、バリバリ働きたいものですね。
今回は入山教授の世界標準の経営理論から以下を当てはめしました。
【第3部 ミクロ心理学ディシプリンの経営理論】
第18章 リーダーシップの理論│半世紀を超える研究が行き着いた「リーダーシップの境地」
第19章 モチベーションの理論│半世紀を超えてたどり着いた新時代のモチベーションとは
第20章 認知バイアスの理論│認知の歪みは、組織で乗り越える
おっと、色々な意味でモチベーションがない。
マラソンとかして身体を動かしてみると、モチベーション向上に効果があるそうです。
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