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SaaS企業が売上10億以降、年に何%成長するとすごい??

みなさんこんにちは、林です!(@zoweb

今回はSaaSリサーチ系の記事です。

経営に携わっていると色んな困難がありますが、その中でも「目標の設定」はいつも頭を悩ませます。

高くしすぎてはやる気がわかないし、逆に保守的すぎても会社の成長を阻害することになってしまう。

どこまでいっても「この水準で設定すればいいよ」なんていうものはなく、常に今の会社の事業、メンバー、市場環境を考慮しながらベストだと思えるものを常に設定するしかないのだろうと思いますが、

「どの位の水準だとすごいのか」

を知っておくことは便利です。

逆にそれを知らないと、頭が引きちぎれる位考えたのに第三者からみると的を射ていないものに感じてしまう、なんてことになりかねません。

会社がまだ創業したての頃は、年に売上が2倍とか3倍になるなんてことはよくある話だと思いますが、それが永遠に続く会社はありません。

どこかで成長率が鈍化してくるわけです。

じゃあ売上がどのくらいに達したときに、どれくらいの売上成長率を達成しているのか??

今回は日本で上場しているBtoBのSaaS企業各社の、『売上が10億を超えて以降の年次の売上成長率』をリサーチしました。

目標設計、あるいは企業分析をされているみなさんのお役にたてばいいなと。

▼分析対象企業はこちらの14社

マネーフォワード(Money Forward Businessのみ)
Freee
オロ(ERP事業のみ)
HENNGE
プレイド
スマレジ
wantedly
カオナビ
TeamSprit
Chatwork
Yappli
Spiderplus
カナミック
ロジザード

基本的には各社の数値は決算報告説明資料や有価証券報告書から抜き出しています。それではいってみましょう!

早速ですが、上場SaaS各社の売上10億円突破以降の成長率はこちら。

※サイボウズ等、ARR/時価総額で日本上場SaaSではトップレベルの企業が一部抜けていますが、結構歴史の長い企業から年単位の売上を全部抜いてくるのはしんどかったのでご容赦ください。。

発見1:TOP水準は成長率60%超えを数年連続
マネフォ、Freeeの2大巨頭が頭ひとつ抜けています。

マネフォ:78%→55%→66%
Freee:101%→90%→51%

ターゲットとなるTAMが広大である点もさることながら、この成長率がそれを信憑性あるものにしているという点から時価総額数千億を達成しているのだなと感じました。

発見2:平均は1年目51%、2年目38%

調査対象14社のすべての平均が上記の数値。
カオナビ、Teamsprit社がちょうどその数値くらいです。

売上でいうと

カオナビ:17億→26億(55%↑)→34億(30%↑)
Teamspirit:12億→18億(48%↑)→24億(34%↑)

という感じ。

マネフォ、Freeeの2社を除いた平均だと
1年目:44%、2年目:32%


まとめ

調査対象社数もそこまで多くありませんので少し「調査」というには心もとないかもしれませんが、日本の上場BtoBSaaSの過半数はカバーしていると思います。

結論としては、
『売上が10億を超えて以降も年次で30%以上の成長を2回は続けたい』

というのが既存上場企業が今まで出してきた実績との比較からみるボトムラインというところでしょうか。

一方で、その成長率を下回ると市場から評価がされないかというともちろんそんなことはないです。

例えば介護施設向けの業務管理クライドを提供しているカナミック社は、

10.4億→11.2億(8%↑)→12.9億(14%↑)→15億(16%↑)→16.8億(12%↑)→18.8億(12%↑)

と、売上10億達成以降年次で成長率20%を超えたことはありませんが下記のように少しずつ評価はあがっています。直近は少し株価さがっているようですが。
※もちろん利益創出の観点や市場ポテンシャルなども加味して評価されるのであくまで参考でしかありませんね。


いかがでしたか?

経営は自分の考え・信念を1番大事にしなければいけないのはもちろんだと思いますが、こんな風にデータとして先輩企業達がつくりあげてきた水準を知っておくと便利ですね。

先輩達がこの位だったからといってそこに甘んじていいというわけでもありませんが。。

僕もこうした先輩達に負けないようにがんばらなきゃと感じた次第です。

それでは今回はこのへんで失礼します。

また次回お会いしましょう!

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