電車の憂鬱
今電車に揺られながら、私はこの文章を書いてる。しかも地下鉄だ。
私は地下鉄というのが、少しばかり苦手で、普通電車に比べ酔ってしまうのだ。
景色が見えない閉鎖感というか、ただでさえ電車が苦手で「次の駅までは何があってもここから逃げられない」という、まるで監禁されているような気分になってしまうのだ。
そんな気分を紛らわそうと文章を書くことに決めたのだが、それでも胸がきゅっとなり始めてきた。
よし、得意の妄想でもしよう。窓の外が暗いのはトンネルの中だからではなく夜空が暗いだけ。今満点の星空の中を、この電車は駆け抜けている。いつでも降りることはできるのに、自分の意志で降りていないだけ。頬をつねれば、いつでも降りることができる。さあ、つねってみよう。
目を覚ました。
いつの間にか眠っていた。
私は暗闇を走っていた。
私は電車。
当然星などない、ただただ暗いトンネルを走り続ける。
客が一人だけ乗っている。
客は眠っているが、もう起きることはないことを私は知っていた。
電車は自分で自分の頬をつねることなんてできないのだから。
あー。
いつまでトンネル続くんだろ……
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