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村上春樹(塩煎餅のほう)

村上春樹は翻訳家としても有名で多作。

翻訳は塩せんべい、小説はチョコレート
と、執筆について本人が語っていた。
しょっぱいものの次は甘いもの、、
とバランスよくやっているらしい。

ハルキストの高みを目指していた20代の頃、
翻訳も色々読んでみた。
小説以上に好みが分かれる、というか
最後まで読みきれない作品も多かった。

小説というよりは詩に近いような、
ちょっとブンガク的すぎる作品とか。
この辺についていけなくて、
ハルキストとしては3流なまま30代を迎えた。

そんな中でも、
これは!と思える翻訳作品もあった。

心臓を貫かれて

アメリカの死刑囚マイケルギルモアの生涯を、
その実弟が記したノンフィクション。
1950年代の移民文化を残すアメリカとか、
殺人を起こすに至る劣悪な家事環境とか。

一人の男の人生を通して
「アメリカという国」が実感できる一冊。
ハードな内容だが、翻訳の妙なのか
サクサク読み進めることができる。

極北

イギリスの作家兼テレビキャスター、
マーセル・セローの小説。
世界大戦後?の崩壊した世界で
一人生き抜く主人公「メイクピース」。

いわゆるディストピアものというのか、
絶望に次ぐ絶望の奇妙な人生。
その中にも意外な幸せもあり。
読み応えのあるタフな小説です。

読書の秋にいかがでしょうか。
ちなみに村上春樹さん本人は
ハルキストという呼び方が好みでないらしく、
「村上主義者」とか地下組織っぽいのは
どうだろうか、と提唱していた。

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