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100冊の読書よりも

大学時代も本を読んでいた。
村上春樹を中心に小説を色々。

読書が好きだったし、
「教養のある人」になりたかった。
たくさん読めばそうなれると思っていた。

「華麗なるギャツビー」を読んだとき、
「教養のある人間になった」と己惚れた。

ある深夜、研究室で読書の話題に。
今までで何が一番面白かったか、的な。
同級生のイケメンが口を開いた。

俺は読書ってあんまりしないんだけど、
高校生のとき読んだ
”ライ麦畑で捕まえて”に衝撃を受けた。
どうしても原文で読んでみたくて。
辞書引きながら英語で読んだよ。

彼の言葉に、脳天を打ち砕かれるような衝撃を受けた。
私が読んだ100冊の本より、
彼の1冊の本のほうが1億倍の価値がある。
多読を誇っていた自分が恥ずかしかった。

本当の教養とは何かを彼に見た気がした。
しかもイケメンだし。
人生の全てで負けたと思った。

その後も読書生活は続いているが、
彼の1冊ほどに情熱をかけれる本とは出合っていない。

そんなイケメンは就職後、
出向でアメリカに行った。イケメン人生。
今年の夏に帰ってくる。
教養のある実体験を聞くのが楽しみだ。

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