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絵本でほんのりカフェ気分【20】『人生を導いてくれた恩師への報告 』

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第20話(人生を導いてくた恩師への報告)


私の人生を導いてくれた恩師の7回忌がありました。
私は、初めて出版した絵本の報告もしたくて、お供えのお線香と絵本を持って、お参りをさせていただきました。

★私にはこれまで3人の尊敬する方がいます。

一人目は今回ご紹介する中学の時の先生で、二人目は大学指導教授、更に三人目は就職した企業の先輩であり上司です。
これまで出会った多くの方々から、様々な影響を受けてきましたが、この三人の方には特に大きなご指導をいただきました。

★小学生の時は、何も考えていない自分がいました。

私の小学生の時は、理科と体育が好きな子どもでしたが、メイン教科の国語や算数は、余り得意ではありませんでした。
塾にも行ってませんし、家では宿題がやっというか、それ以外の勉強はほとんどしていませんでした。
もちろん将来のことなど、何も考えていない子どもでした。

★中学に進学して先生と出会いました。

中学の1年生になって、まだ不安がいっぱいの教室で初めて会ったのが、その先生でした。
担任で数学を教えてくれる先生は、まだ若くてホームルームでも活気がり、とても好感の持てる方でした。

★大きな転機となったのは数学の問題でした。

そして半年が経った頃でしょうか、あるお休みの前の日に先生が、「この問題を解けるか?」と言って出してくれた問題がありました。
私は、先生に「よくやった」と言って欲しくて、それからずっとその問題を考えたのです。
2~3日昼夜考えて、やっと答えを出した私は、ホームルーム後のまだ生徒が残っている教室で、得意げに先生に答えを伝えたのです。
ただ、私が期待した先生の言葉はなく、「そうか」だけで終わってしまったのでした。
ちょっと期待外れだった私でしたが、必死に考えて答えがでた時の喜びを感じることができました。
ここが数学が好きになる転機だったような気がします。

★運命のいたずらなのか?

そしてあっという間に2年生になって、始業式で新しいクラスの担任として現れたのが、またこの先生だったのです。
そして3年生になって、始業式で新しいクラスの担任として現れたのも、またまたこの先生だったのです。
嬉しいような、何か複雑な気分で運命を感じました。
そして数学が好きになり、もともと好きだった物理・科学にも自信を持てた私は、理系で生きていく基礎ができたのです。

★先生は暴力教師だったのか?

でも3年間には色々なことがありました、
幾度となく、節だらけの竹の指し棒で叩かれました。
黒板用の大きなコンパスでも叩かれました。
ほっぺを平手打ちされたこともあります。
今では考えられないでしょうが、私の時代は当たり前で、先生は今で言う暴力教師だったのです。
ただ私が悪かったと納得させてくれたことが、先生に感謝し、とても尊敬している理由だと思うのです。

★先生の仏前で誓ったこと

訳けあって32年間の技術者の仕事に区切りをつけた私は、故郷の帰って幾つか仕事をした後に、絵本の仕事を始めました。
持ち前の、考えて考えて良質な絵本を世に出すことをライフワークにして、残った人生を社会のために尽くすことを、先生の仏前に誓ったのです。
技術者の仕事を貫かなかったことを、先生はどう思ったのでしょうか。
そしてお参りを終えて帰ろうとした時、先生の奥様から思いもよらないものをいただきました。
それは初出版の祝いをだったのです。
涙が出そうなのをこらえて、私は何度も何度もお礼を言って、恩師宅を後にしました。
先生と生徒の繋がりと言うか、これまでに感じたことのない感動に包まれていました。
結果はどうあれ、先生の仏前で誓ったことを忘れずに、頑張っていくつもりです。


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