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「験比べ・壱」

『鳥獣戯画』・「丙巻」 第九幕の壱

かいのどうぶつえん 園長です。
今回は、鳥獣戯画「丙巻へいかん」“動物戯画”第九幕目のいち、名付けて「験比べげんくらべ」です。
25年ほど前のことですが、奈良の信貴山(真言宗)を訪問。
法主(第百三十二世)にインタビューした後、茶をいただきながら、百日行や千日行など過酷な修行の体験をお聞きしました。
そうした厳しい修行を積んだ修験者たちが、二手に分かれて、互いの法力(仏法の威力)の優劣を競い合う”験比べ”のシーンです。
絵巻では、僧に扮したサルが数珠を片手に、真剣な表情で敵と対峙たいじしています。
ちなみに、1400余年前、聖徳太子によって創建された信貴山には、『鳥獣人物戯画』と同じく、国宝に指定された絵巻物『信貴山縁起しぎさんえんぎ』が受け継がれています。

数珠を振って法力を高める僧
逆立ちして敵を威嚇
絵巻のダイナミックな動きに感激

2003年の開園時より、貝たちとは「割らない」「塗らない」「削らない」と固く約束して制作しています。園長

           <貝の配役>

サル(僧侶):アマオブネガイ/スズメガイ/スガイ(ふた、殻)
                           ハナマルユキ/タモトガイ/ヒメキリガイダマシ
                          ヒメカノコ/フジノハナガイ
数珠:ヒメカノコ   樹木:エダサンゴ
大地:ホタテガイ   


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