見出し画像

「プロメテウス」

オリンポスの神々と人間のドラマ 第一話

今回は、ギリシャ神話のプロメテウス(Prometheus)と、園長の闘病記です。

天上の火を盗み、人間に与えたプロメテウス。
激怒したゼウスは罰として、コーカサスの岩山にはりつけにしました。

鎖で縛られたプロメテウス

夕方になると大鷲が飛来し、肝臓を食いちぎりますが、翌朝には再生。
すると、ふたたび大鷲が襲いかかります。
容赦ない拷問の刑期は、3万年でした。

肝臓をかじる大鷲
プロメテウスは、自分がつくった人間たちが
暖かくて明るい”火”を囲んで
元気に過ごしている姿を
眼下にみて、しばし苦痛を忘れたことでしょう

話はかわりますが、長年にわたる暴飲暴食のたたりで、園長は2005年12月6日に「築地がんセンター(国立がん研究センター中央病院)」に2週間入院。胃の3分の2を切除されました。

手術の翌々日から、看護師さんの介助で廊下をせっせと歩行。
その痛さの鋭かったこと。身体中、冷や汗まみれでした。

激痛と高熱の連続攻撃で、病室で横になっても眠れません。

さらにつらかったのは、5日間の飲食禁止。喉の渇きと空腹感は耐え難いものでした。(同室の患者さんたちの食事の、うらやましかったこと)

眠れないままに、毎日夜明け前、点滴スタンドをコロコロ引きずって、17階の待合室から、眼下の築地市場を眺めました。(現在、魚市場は更地)

当時、“がん”は、まだまだ恐怖の難病で、家族も本人も覚悟していたのですが、名医のおかげで幸いにも12月20日に退院。自宅で正月を迎えることができました。

正月明けには仕事に復帰し、2月になって築地がんセンター体験記・
『プロメテウスの晩餐会』を書きました。

2006年2月 50部発行、A4版20頁
胃がん手術と30cm超の傷跡を初公開

自らを不死の巨神プロメテウスになぞらえるなど不遜ですが、腹部の30cmの傷跡は今も健在です。

縫合はステープル(ホッチキス)
プロメテウス気分で高みから見物

閑話休題。プロメテウスが自分に似せて、土と水から創った人間は、当然、男ばかり。

執念深いゼウスは、もう一つの”美しい罰”を地上に送りこみます。
その名前は?もちろんご存知ですね。

貝との約束は「割らない」「塗らない」「削らない」

         <貝の配役>
「プロメテウス」
/シマメノウフネガイ 目・臍/スガイ 眉・口/ガンガゼ /ヒメキリガイダマシ /イガイ 身体/ジュドウマクラ 手足/カニモリガイ+タモトガイ 肝臓/ベニガイほか
「大鷲」:ワシノハガイ/カニモリガイ/スガイ/ウノアシ/クロダカラほか ★鎖:レモンカノコほか ★コーカサス山:マガキ+ヒオウギガイ




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?