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2020年版 #今年の私的ベスト日本酒上半期10選。

Twitter上では最近恒例になってきたこちらの企画。

タグを追って眺めていると、色んな方のお気に入りの日本酒が知れて面白いなぁと思います。
別の方がまとめたnoteには、これを集計して人気ランキングを作成したものもありました。

ただ、自分としては列挙するだけでは面白くないので、
「何故これを選んだのか」
キャッチ―なフルーティータイプが少ないこともあり、他の方が選ばなかったお酒も多いと思っていますが、良ければ見ていってくださいな。

気になった方は、是非飲んでみてくださいね。


笑亀 純米酒 生酛 味噌麹造り

大塚 地酒屋こだま さんにて
スペックやラベルに魅かれて購入した1本。

年始にかけて、コシヒカリで造られた日本酒を色々と飲んでみたい欲が出てきていました。最初は石川県 春心のコシヒカリ生酛を買おうかと思ったのですが生憎の品切れ。その時にオススメ頂いたものになります。

太い印象の酸味やコシの強さなど独特な味わいではありましたが、最近の地酒シーンではこういった振り切った濃醇タイプは意外と無いんですよね。そういった意味でも非常に印象に残った1本でした。

常温保管で燗酒がオススメ。


丹澤山 生酛元年 純米 足柄若水70 無濾過生原酒

職場にて。

燗酒向きの熟成酒も人気な蔵元さんですが、速醸のお酒が多く、一部だけ山廃仕込みでリリースされていると思っていました。
そんな中で今年の年始頃に発売された新商品。生酛造りに初挑戦された年ということで生酛元年の名前が付けられていました。

しっかりした酸味や芯もありながら綺麗な印象。
細マッチョタイプですね。
年始から驚かされたお酒でした。

雄町使用のタイプは火入れ熟成されて今後発売だとか。そちらも注目です。


総乃寒菊 コシヒカリ90 Limited Edition

年末ギリギリに飲んではいましたが、2月に職場で飲んだのでこちらで採用

まだ知名度は高くはありませんが、数年前から都内の地酒シーンに現れた千葉県の蔵元さん。
フレッシュさとジューシーさを兼ね備えたものが多く、日本酒バルのようなワイングラスで提供されるお店で映える味わいです。

職場で使用した際には燗酒用に購入。
こういう豊潤なタイプでも上手くつけたら抜群にキャッチ―な燗酒になります。特にこちらは開けたてはシュワッとしたガス感もあり、コシヒカリからくる甘味も多いのでとても扱いやすかった1本。
本来のオススメとは少しズレるかもしれませんが、次回近いスペックが出てきたら試してみては。


越乃寒梅 金印二級 昭和57年

LITTLE SAKE SQUERE ありえない古酒の会 にて。

よくこんな訳の分からないものが発掘されたものと驚いたお酒。
37年ものです。

純米などの特定名称が生まれる前に作られていたものですが、おそらくもともとの味わいは現在とそう遠くは離れていないでしょう。
これが37年もの年月を経ると、こんな味になるんですね。

引っ掛かりも無くまん丸な味、淡麗タイプの果てを垣間見たような貴重な経験をさせて頂きました。


光栄菊 月影 神力

今年ずっと話題に上っている銘柄、光栄菊。

自分もすべては飲めていないですが、半分以上は恐らく飲めている、はず。
その中では自分にしっくり来たのがこちら。

出初めの甘酸っぱさが強いものも良かったですが、やや落ち着いて綺麗ながらも骨太路線なこちらが好みでした。佐賀テイストの王碌、というとあまり良くないかもしれませんが。

後から調べてみると、この月影は天然乳酸菌仕込みとのことで。生酛系ですが厳密には生酛とは違う独自の製法らしいですね。

今後も要注目です。


新生獺祭 純米大吟醸45

こちらのお酒、覚えているでしょうか?

発酵技術の進化は「百薬の長」から酒をどんどん離れたものに変化させます。そして、技術の進化により量産できることは、相対的に酒の低価格化を招き、 その結果、誰でもお酒の飲める社会が来ましたが、アルコールの過 剰摂取による健康への被害も生まれてきました。
これは日本酒に限らず、ワインでもビールでもウイスキーでも、人 間が発明したアルコール飲料はすべて同じ道をたどっています。醸 造技術の進歩は少なくとも現代の人間の栄養状態の改善には役立た ない側面の方が大きいのです。これは、「少しでも美味しい酒」を 追い求めることによりお客様に「幸せな時間」をお届けしたいと考える、私ども旭酒造にとっては深刻な論理矛盾なのです。
この「新生獺祭」はそんなところに着目して古来の酒に習おうとし たものです。しかし、そこは獺祭ですから、「ただ古来の造りに戻 ればいい」とか「自然のままなら美味しくなくてもいい」とは思い ません。品質的には現代の優れた純米大吟醸が基準。しかし、古来 の発酵の力は存分に盛り込みたい。

旭酒造のメールマガジン、蔵元日記で配信されたものにはこのように記載がされていました。

これ以上の情報は未公開。
「新生」の名を冠して発売するということで、発売後すぐに購入して飲まないといけないでしょう。

味の方向性は近いですが、現行の獺祭とは明確に違う旨味の量。
折角なので現行と新生での飲み比べをオススメします。

今後も更なる進化をしていきそうですね。

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月桂冠 おしゃべりクジラ

LITTLE SAKE SQUEREにて

スーパーなどで並んでいる瓶の日本酒を一斉に飲んでみよう、という企画を行ったときに飲んだものになります。

めっちゃ美味しくてお店でも使いたい!ってくらいにべた褒めは正直できないのですが、家で飲むとしたら非常に魅力的でオススメな商品でした。

味わいの程よいキャッチ―さもありながら、最大の魅力はその価格です。
720mlで税抜698円ですよ。お店によってはもう少し安いかもしれません。

この価格でこの味。
THE SHOTシリーズもお手軽で非常に良いですが、是非こちらも試してみてください。大手酒造メーカーの良いとこを詰め込んだような商品でした。


北秋田 純米大吟醸

月桂冠のおしゃべりクジラと同じ規格で飲んだスーパーで買えるお酒。

よく見かけることの出来る日本酒ではありますが、その売り場ゆえにあまり地酒ファンには手に取られにくい商品なのでは、とも思っています。

常温保管で扱われることが大半なので、人気銘柄のような圧倒的なフルーティーさはないのですが、口に含んだときに程よく香り、荒い要素が全くと言っていいほど見当たらなかったような記憶です。

おしゃべりクジラと比べると価格は倍ではありますが、それでも税込1400円です。
見落としがちではありますが、時には目を向けてみるといいと思いますよ。


五人娘 無濾過生酛純米酒

自粛期間中に購入した1本。

よくこの蔵元さんのお酒を変態酒だ、っていう人がいますけれど、ホントにそうなのか。それを確かめようと思って購入。

時間もあったので、寺田本家さんの当主さんが書いた書籍「発酵道」も併せて、理解を深めようということで。

寺田本家さんの自然派な仕込み方や味わい、会社としての方向性など、ただその味を造りたいのではなく、きちんとした理由があってここに辿り着いた。そういったことが感じられる組み合わせでした。

こういうところ、新生獺祭や土田さんなど、新しいチャレンジをしていく蔵元さんに通じるところがあると思うんです。

百聞は一見に如かず。

日本酒にも当てはまりますよね。


五橋 five ブルー 生酛純米吟醸 生酒

最後は夏酒から。

LITTLE SAKE SQUEREさんにて。

30本近く夏酒を飲んではいますが、なかなか腑に落ちるものが見つからず。

夏酒、飲んだ時にその多くの余命が短く感じてしまって素直に楽しめなかったんですよね。好みではあると思いますが、味わいがまとまっていて短命さを感じさせない雰囲気がこのお酒にはありました。

他の夏酒とは一線を画しているように思って選びました。
まだ販売しているはずなのでぜひ。


今回はこんなところで。

取り上げたお酒、興味を持っていただけたら幸いです。

ではまた。

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