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リミテッド大考察新年特別編 「デカスロン攻略編」

三が日も終わりましたがなかなか平常運転モードに切り替えれない、ぞんびです。
さて、今回もMTGAの恒例(になっていきそう)イベント「デカスロン(十種競技)」の参加結果と思考をまとめた攻略記事を書かせていただきます。

こちらは長期間にわたるMtGAのイベントです。数日おきに2競技ずつイベントがローテーションし、クリアした回数によって最後の決勝競技へ参加できる、というものですね。詳細は以下公式記事をご確認ください(英語のみ)。
The Arena Decathlon Kicks Off the New Year with Ten Events, Finals, and Lots of Prizes (wizards.com)
毎度感謝の引用リンクを張りますが、事前の予想情報が欲しいという方は下記の「山辺カフカ」さんの記事が大変よくまとまっているのでぜひご一読ください。何を隠そう筆者も大きく参考にしており、読んでおいていただければぞんび側の記事を読む際の理解力の助けにもなるはずです。是非!
カフカさんサイドもリアルタイムで参加された結果を随時追記されており、こちらの記事とある種リンクさせて読むことができるのではないでしょうか。


山辺カフカ(Twitter)

今回は競技3『ドミナリア混合シールド』と競技4『ギフトバッグスタンダード』になります。

他の競技結果は以下です
デカスロン競技1&2
デカスロン競技3&4ここ
デカスロン競技5&6
デカスロン競技7&8
デカスロン競技9&10


競技3:ミックス・シールド:ドミナリア

『ドミナリア』『団結のドミナリア』『兄弟戦争』の各パックを2個ずつ使用しての変則プールのシールドになります。事前に不安だった競技3つのうちの一つですね。
ある意味予想通りの8回の挑戦という大苦戦となりましたが、何とか突破することができました。


3-1:事前思考

例によって特別な準備はしていませんでした。特定のアーキタイプを意識して考えたりが難しいと考えたためです。その理由は、『ドミナリアが弱いし現代的ではない』ことにあります。
折角なので少しその理由を解きほぐしましょう。最大の理由はずばり『平成生まれのセットだから』です。
『F.I.R.E』という単語を聞いたことがあるでしょうか?これはMtGのデザイン上の方針の一つとして打ち出されたものです。長くなるので端折って説明しますが、『カードのパワーレベルを引き上げたところでバランスを取り、またレアとコモンの格差を埋めよう』くらいの方針となります。これはちょうどドミナリアの後のセットである『ラヴニカへの回帰』ブロックから始まり、更にちょうど令和に切り替わるタイミングで発売された『灯争大戦』からより一層押し出されることになりました。そのためデザイン面で見た方針などを語る際に『令和前』『令和後』という比喩表現をします(筆者の周りでのみ)。
この方針はリミテッドにおいて顕著な影響をもたらしました。主に3つの影響があります
・1:コモンが明確に強くなった。特に除去などが顕著であり『一部のレアに手出しができなくて負ける(具体的にはPW)』を防ぐため除去範囲や強さが広がりました。その他バウンスや防御呪文にコンバットトリックなど【リミテッドにおいて基礎となる要素のカード】の機能が明確に広がり強くデザインされるようになりました。フライヤーや中型ファッティなどもこの枠ですね。
・2:アーキタイプドラフトが推進されるようになった。2色の組み合わせ(3色の場合も)に明確にテーマが設けられ、かつそのテーマを推進するような2色アンコモンがほぼ必ず生まれるようになりました。結果、アーキタイプに沿ったドラフトの再現性が上がり、カード群での評価が大事になりました。
・3:土地が強くなった。かなりの頻度でコモンに2色土地が入るようになりました。これとアーキタイプの組み合わせにより、2色デッキがやりやすくなり総合的なパワーが明確に上がりました。
筆者の普段の記事でもこの3点を前提に記事全体の主張や思考をまとめていますね。そしてドミナリアはこの3つの特徴全くもちません。コモン/アンコモンのクリーチャーはアーキタイプでまとまっているわけでもなく、かといってドミナリア全体に大きい縦断的なメカニズムがあるわけでもありません。『単独では弱いがアーキタイプに貢献できるから評価が上がる』ということが起きないためそのカード単独でのみ評価されることばかりになります。そして単独で評価しても弱いカードばかりですね。
アーキタイプもほとんど存在しません。セットとしてのメカニズムは『英雄譚』と『歴史的』と『キッカー』です。が、コモンなどにそれらのメカニズムを参照するカードはほぼないですね。兄弟戦争とのシナジーが期待された『歴史的』ですが、そもそも参照するカード自体がほぼないうえにリミテッドで強いカードも少なくどっちらけです。キッカーもドミナリアの団結のようにセット全体でキッカーを推進しているわけでもないですね。
結果として『カード単独で評価をするしかないが、そもそもカードが弱い』という特徴がありそれが目立つ形になってしまったセットでした。
そして今回はそんなセットを含んだ2パックずつのカードプールです。そのうえで兄弟戦争とドミナリアの団結のアーキタイプもバラバラなものが多く相互作用させることが難しいです。そのため環境全体に目立つ戦術があるわけではなく、カードを1枚ずつ評価して採用する『原始的なシールド』をやるしかないと判断していました。
この着目点はあっていましたが、もう一歩踏み込むべきだったことを後で触れます。


3-2:実際の結果と苦戦の道のり

まず、写真は残していませんが色だけの格結果を残します
一回目:緑黒タッチ赤    5-3
二回目:緑黒        2-3
三回目:忘却        1-3
四回目:緑黒タッチリース  5-3
五回目:赤青        5-3
六回目:赤白        6-3
七回目:緑黒タッチ3色版図 5-3
八回目:赤緑版図      7-1


前項の理由により『原始的なシールド』をまずは目指しました。つまり
・除去を最大限評価しそれが多い色を選ぶ
・支配的なフィニッシャーを用意する
・アドバンテージ面を重視しハンデスやドローを採用する
といった感じです。今回は『特定の色で組まれた前のめりな早いデッキ』が存在しないという前提で、除去とリソースで勝つデッキを目指しました。
また、ドミナリアの団結と兄弟戦争それぞれでアーキタイプが一番散らばっており扱いにくくなると感じた青は避ける方針を打ち立てました。
一回目はその方針で5-3までいったものの、そのあとは2-3,1-3という惨敗をし、その後も5-3とリーチすらできず苦戦します。
転換点となったのは5回目のプールでした。過去4回の負けの中でいくつか環境観が整ってきた部分があり、それを実践できるチャンスじゃないかと思ってデッキを組みました。それは以下の点です
・『飛行が強い』『マナカーブ通り攻める形が強い』『コンバットトリックが強い』
これらの点の詳細は後述します。5回目のプールはそれまでと比べて除去自体が少なかったものの、晴天のスフィンクスと夢を穢すものという2枚の強力フライヤーとコモンフライヤーがおり、赤の体マナクリーチャーが揃っているプールでした。そのため赤青の攻撃的なデッキを作成し、手ごたえ自体は悪くなかったのですが4-0した後に後手で攻めれない状態で一気に2敗し、最後も相手の除去が的確に刺さってしまい5-3となってしまいました。しかしレアを引かずとも勝てており方針に手ごたえを感じ始めます。
これ以降、可能な限り『序盤のクリーチャーの質と数が揃っており』『できればサイズで勝れる要素があり』『コンバットトリックが多い』という要素に注目してデッキを組むことにしました。
意図通りのプールにも恵まれ(あるいはそれまで気づかなかった選択肢に気づけるようになり)勝率と手ごたえが明確に向上しましたね。6回目は総合で6勝していますが、1試合単純な足し算間違いで勝ち確を落としてしまい、疲れを実感します。大休憩をはさみ、8回目で何とか突破となりました。


3-3:経験から得たもの

満身創痍でのクリアとなりましたが、おかげさまで経験値は大きく積み重ねることができたため、気づいた/重視するべき点を一つずつ書いていきます。
・アーキタイプはやはりあまり存在しない
 当たった中で、ドミナリアの団結or兄弟戦争の合計20個のアーキタイプのうちどれかを成立できていると感じるデッキはなかったです。ただし、緑の土地サーチがあればアーキタイプとして存在しうる版図はアーキタイプとして行けると感じましたし自分でも積極的に評価をするようになりました。
・カード2枚単位でのシナジーなどはある
 ここは途中まで完全にミスをしていた部分ですね。アーキタイプが存在しないという部分にとらわれすぎていました。カードプール全体が弱くなりがちなのであれば、2枚の間でしかシナジーが無くても『その2枚が揃えば強い』となるカード群は評価するべきでした。揃ったときのパワーが見返りとして与えてくれるものが相対的に大きいためですね。具体的にはやはり版図です。土地サーチ+版図カードの組み合わせでよく、しかも版図は大体サイズに関係するため影響が大きかったです。他にも成立しやすい『2ドロー』や、インパクトが極めて大きい『浮遊する小像』などは単独でも評価してよかったと感じます。
・飛行が強い
 
ここは解釈が難しい要素ですね。飛行クリーチャー自体は実はドミナリアのものの質が高めです。『5/3/4/飛行+占術2、シングルシンボル』という化け物がコモンにいるためですね。また令和のセットであるドミナリアの団結と兄弟戦争の特徴として到達が弱いというものがあります。そのため飛行クリーチャー全体の質がどうとかではなく『飛行というキーワード』に強さを感じました。フライヤーで固めるデッキなどはプールが許せば狙いたいと感じました。中大型のフライヤー(5/3/4スフィンクスやタラスの見張り等)の枚数でチェックしたいですね。
更に具体的には飛空士の翼がめちゃくちゃ強かったです。除去+フィニッシャー系のデッキを組んでいた時代では、最後これに殺されまくりました。どのクリーチャーでもフィニッシャーになりえる上に序盤ダメージを受けていることをリスクとして押し付けれるカードなので除去で受ける+フィニッシャーで止めるデッキにとっては極めて相性が悪いカードですね。積極採用するべきカードだと思います。ダイイングメッセージです。
・コンバットトリックが強い
除去カードは平均点は確保しながらも結構ピンキリあります。パワーストーンの粉砕や骨の粉砕といった黒除去が本来より使いづらくなっていたりドミナリアの除去がちょっと弱めの分ですね。ただしコンバットトリック類は意外と充実していました。2マナで+2と破壊不能を付ける不屈の意志、巨大化+トランプル付与の怒り狂い、キッカーのある成長の資質、カウンター設置の高木の武装に、1マナ全体強化で使いやすい突撃もあります。他二つのパックにある分も合わせると十分上等といえると思いました。そのため序盤に先に自分がクリーチャーを出しておくこと、及びアタックしマナがある状態で相手に触れることの圧が高いです。序盤の負けもこれによって起こされていることが多く、中盤以降は自分からジャイグロ打って勝てる局面も多かったです。
インスタント除去が特に弱いわけではない(赤が特に強い)ことには気を付けておきましょう。

・ボムレアは強いけど最強ではない
意外と各ボムレアが『そのエキスパンションの特徴を受けて』のものが多かったという事実ですね。もちろん関係ない真のボムレアもいるんですが、パワーストーンが足りてない状況でのアーティファクトシリーズとか版図絡みのものとかは従来より弱めでした。また、除去も弱すぎるわけではありませんし、上述した通りコンバットトリックが強いためボムクリーチャーといえど戦闘に引きずり出されるともろいことが多かったです。そのためそれらにのみ頼ったゲームプランは無理があると感じました。あるいはそれのみが戦術ではないという感じですね。もちろん、そんな言い訳が通用しない真のボムレアも十分ありはします。筆者は引けなかったけど

・置物が強い
これは一番の反省であり、同じ被害者を出したくないポイントです。既に述べた飛空士の翼やドミナリアの『実質レア』こと氷の干渉機やセラの翼など、カードプール全体を通して『放置=負け』になるエンチャント/アーティファクトがかなり多いように感じました。しかもアンコモン以下に。そもそもドミナリアの時にアーティファクトセットでもない癖に『置物やばいからシールドは解呪をメイン採用するべき』といわれていたんですよね。途中で思い出しました。クリーチャー全体の質の低さもあってそれらに簡単に制圧されてしまうことが結構ありました。飛行クリーチャーが強いことも合わせて『壊れた翼』『撃ち落とし』は1枚は確実に入りますし解呪系もとりあえず1枚入れていいと感じました。兄弟戦争のカード強めなんで普通に2枚でもいいかもしれません。除去やコンバットトリックが足りていないときの選択肢ですね。意外な副作用でヤヴィマヤの鋼潰しといったアーティファクト破壊持ちが強くなってましたね。

・圧をこちらからかけるべき
ボムレアや置物が環境にあり、コンバットトリックが強くアーキタイプが弱いというところから総合して得た結論です。
自分からテンポよく2,3,4ターン目とクリーチャーを展開しコンバットトリックをちらつかせたりクリーチャー本来のサイズ差で押し切る展開がどのマッチアップでも重要でした。盤面の圧があれば相手のボムレアが出てきたり仕事をする前にゲームを掌握できますし、アーキタイプのシステムクリーチャーなどに戦場を支配されることも普段より少ないです。コンバットトリックにあらがい、また普段より強く使う為にも相手よりいいテンポと質で先に殴ることの重要性も高いですね。
それを実現するために2~4マナのクリーチャーの数はかなり重要視しました。突破デッキにおいては、実質バニラである炎矢師ハラーを始めとして3マナ3/3を積極採用したりなどですね。特にタフネス4ある4マナクリーチャーや自力でサイズアップできる3マナ以下のクリーチャーは手放しでほめました。日光浴するルートワラは自分で使って最も強いコモンと感じましたし、その意味でサイズやパンプアップに優れる緑の採用率が高かったです。
使用できなかったカードだとパンプアップ+先制の曙光の騎士などもレアレベルの強さに感じました。とにかく着眼点として『クリーチャーをスムーズに出せるマナカーブ』『それらのサイズ感がいい、あるいはコンバットトリックで援護できること』は終盤プレイや構築で常に意識しました。突破デッキではそれをかなり意識し、2/2/2バニラまで数合わせで入れています。
そこを意識すると青や黒は採用されづらく、ナヤカラー3色+版図の組み合わせデッキを組むことが筆者は今後もしこのフォーマットにまた挑むときは増えそうです。最初の方針とは真逆ですね。

長くなりましたが、以上が競技3のまとめです。語ったところで運に大きく左右される複雑なフォーマットではありますがとにかく困っている人は『自分からアタックできるデッキ』を意識してみてください。


競技4:ギフトバッグスタンダード

過去にも何度かあったフォーマットです。最初の3ターンにかけて『宝物』『手がかり』『食物』のトークンを1個ずつもらえるというものですね。
こちらは事前に試そうと思っていた白単(山辺カフカさんのほぼコピー)で一発突破となりました。


4-1:事前思考

筆者はこういう特殊ルールでの構築がかなり好きで、別のカードゲームのイベントなどでも積極的に参加していました。その時にまずルーチンとしているアプローチとして『どの程度ルールに寄り添うべきか』を判断しています。デッキを、ルールを活用/悪用する前提で普段とは全く違う構成にするか、あるいはルールを無視するのかの塩梅です。
そして今回は『活用するがデッキは歪めない』という方針でした。デッキを選択する際にそれがルールを活用できるポイントを満たしているかは確認しますが、このルールじゃないと活用できなさそうなデッキやカードをわざわざ歪めての採用はしない、というレベルです。
このルールは影響が大きいが短い、とジャンル分けしました。宝物1個でどこかマナカーブをジャンプすることによる影響は極めて大きいものの、それが持続的ではなくお互いにジャンプした行動をつぶし合った場合などはほぼ普通のマジックに戻るためですね。ジャンプを大前提としたデッキを組んでしまうとそれがつぶれた場合弱さを露呈すると感じました。
今回のルールの肝は『1ターン目に2マナ、あるいは2ターン目に3マナ』使えることです。よって2マナと3マナが強いデッキを選ぶことにしました。また、それと同時に『宝物を使った次のターンもマナを使い切らないと結局無意味』だとも思いました。1ターン目に2マナ使ったのであれば2ターン目も2マナのカードを。2ターン目に3マナ使ったのであれば次も3マナのカードを使わないと、結局総合であまり強い動きになっていないですね。
2マナや3マナに強いカードがあるデッキはいくつかありました。『鏡割りの寓話』を持つデッキであるグリクシス及びラクドス系、ラフィーンや婚礼の発表を擁するエスパー、サリア等の白単に青白兵士などですね。しかしこれらのうち最終的に選ぼうと思ったのは白単でした。
その理由は、『強い行動を続ける』部分にあります。ラクドス系は寓話を出したターンの次に、ゴブリンが宝物を作ってくれないと強い能動行動につながらないことが多い(除去を打つのは弱め)なこと、グリクシスは死体鑑定しが強いもののタップインが多いため3マナを連打することが安定しないと考えました。エスパーはラフィーンが早出ししてもそこまで強くないし3色だし婚礼の発表も別に強くないことに気づいてやめました(両方とも強くなるのが遅いカード)。残る候補は白単と青白兵士でしたが、直前まではほぼフラットな気持ちでした。しかし、直前に『選定されし平和の番人』がめちゃくちゃ強いことに気が付きます。先手に出せば相手の宝物を使ったキープをつぶせますし、後手でも『3マナ連打』を的確に阻害できます。このルールでこのカードを使わないことはほぼあり得ないとまで確信しました。そのためそれを自然に採用できている白単を最終的に選択しました。


4-2:結果

赤緑ビートダウン:〇
赤単:〇
ナヤコントロール:〇
白単:〇
赤白リアニ:〇
グリクシス:〇
赤緑パワーストーン:×
赤青パワーストーン:〇

で無事突破できました。

デッキは山辺カフカさんのレシピからほんの少し変更しました。
赤白リアニの突破報告が注目されているタイミングに感じたので日金の歩哨を1枚増やし、またデッキの動きを考えたときに『1マナのクリーチャー』を引いてうれしいタイミングが初手のみに限られている(それ以降はマナカーブを宝物で調整できるため出す機会が少ない)ことから1枚削りました。
サリアは伝説が気になるという漠然とした理由で1枚減らし、代わりに2T3Tに必ず3マナムーブを連打したいため安定のため土地を1枚増やしています。
負けた赤緑パワーストーンは流行りはじめていることを知らないデッキタイプでした。相手が先手でほぼ完ぺきな動きをしていたこともあり手も足も出なかったです。それ以外の相手には方針通り『2マナか3マナを連打する』プレイングとマリガン判断が刺さりました。ナヤコントロールなどは『一時封鎖』を2枚置かれ、おそらく白単を食いに来たアーキタイプだと思いますが3マナクリーチャーも充実していることから何とか勝ち切れました。
他はサリアか平和の番人(あるいは両方)によるハメからの古参兵かエーデリンが強かったですね。
全体的に後手がやはり不利なもののそこを一応改善できるサリアと平和の番人がいる白単というアーキタイプの適合度は満足が行きました。


4-3:経験から得たもの

まず、白単は最適解の一つだと思います。前述した要素である『サリアと番人による相手のムーブの阻害(宝物の弱体化』『新ベナリアの守護者の先手1T目適正の高さ』『古参兵、エーデリンによる有利局面を押し付け続ける力』がどれも高く繰り返し挑戦した場合の平均勝率は高くなると感じました。
ただし、不安要素およびケアするべきと考えたポイントが合計3つあります。
1:白単ミラー
いやー、何もできません。先手を取ること、それが失敗したら自分が相手より1枚でも多く粗暴な聖戦士を引き、相手が選定されし平和の番人を引かないことを祈るしかありません。番人探してマリガンしがちなので後者はなかなか起きませんね。とにかく先手側の有利が凄まじいです。このフォーマット全体がそうなんですが、最も顕著になるのがこのマッチアップだと感じました。筆者は何とか後手でも相手が理解度が低い(番人も聖戦士もエーデリンもないハンドでキープしてた)ので何とかなりましたが、基本5割の運ゲーになってしまい、特にデッキ構築時点での改善も不可能だと感じました。
幸い、デッキの人気がばらけているようであり今現在は無視してもいい要素かなと感じています。
2:兄弟仲の終焉
白単が強いことは意識されているようで、赤系統のデッキでこれを採用できるデッキが選ばれていることが全体(他の人の配信などを見に行って)多いいように感じました。
実際致命的なカードなのでプレイや構築でケアするべきカードだと思います。
一例として筆者は赤白リアニと赤青パワーストーン相手は、相手の手札になくても平和の番人で兄弟仲の終焉を指定してハメていますね。青赤相手は2連打して縛り上げたりもしましたw 裏を返せばそれだけで勝てるほど『兄弟仲デッキ』との元々の相性は悪く無く感じます。こちらの方が基本的に早くて相手のプランが間に合わないためですね。他にも古参兵+有望な信徒で早めにタフネス4を作成する動きなども刺さります。
不安なようであればセラの模範によるリカバリーを採用するべきでしょう。2枚程度いていいと感じました。徴兵士官が何もしてないことが極めて多かったのでそこを減らすかな?
相手が赤マナを置いた瞬間から意識をし始めましょう。
3:赤緑パワーストーン
兄弟仲の終焉を使う赤単パワーストーンや赤青パワーストーンは、もともと呪文に傾倒していてサリア⇒平和の番人のハメが通用しやすかったり、速度の遅さを兄弟仲の終焉で無理やりごまかしている構造なので総合的な相性は有利と判断しました。しかし、ちょうど筆者が参加する前にRobert Taylor氏がツイートした以下のデッキは話が違います。

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兄弟仲の終焉を採用せずに、自分側の速度アップに命を懸けたタイプですね。特にこのルールでは『極楽鳥』になるシタヌールの重鎮の採用が特徴的で、これにより普段より、このルールをただ使うプレイヤーより更に早く継続的なマナ加速ができます。赤青パワーストーンと比べてパワーストーンの生成手段を呪文じゃなくてクリーチャーにしているところもかなり苦手ですね。サリアで干渉できず、またこちらのクリーチャーの攻めを兄弟仲の終焉に依存せず止められてしまいます。選定されし平和の番人でフィニッシャーのどれかを指定しようにも、どれも致命的な上に寓話で入れ替えられてしまうのでうまくいきません。粗暴な聖戦士も有効な相手がいないと、こちらの介入手段も攻撃手段も両方通じないのがやばいと思いました。このルール下では白単が最も苦手な相手なんじゃないでしょうか。
デッキ単独のパワーとしても高いと思うので今このフォーマットをやり直すなら筆者はこちらを選ぶ可能性があります。もちろん、白単が先手なら十分戦える相手だと思うので白単のままの可能性も五分五分程度にはありますね。意識するべき相手だとは思いますが、白単側ができる有効な対策がほぼ思い浮かびませんでした。ブン回るしかない。
余談ですがRobert Taylor氏は日ごろからMtGA、MOなどのデッキや大会結果を精力的に集め発信されている方で、筆者も情報源として重用しています。フォローしましょう。

上記3つが気になった点ですね。
白単に話を戻すと、次に選ぶ可能性もまだ一番高いかトップタイだと思います。大幅にメタが動かない限りは皆さんにもお勧めできますね。何より早いので。
筆者のリストより、日金の歩哨(意識しすぎた)を1枚か2枚減らし、徴兵士官も1枚減らし、サリアを増やしセラの模範を1~2枚入れるのがいいと思います。模範はミラーにも強いので。模範を1枚にしたなら有望な信徒を4に戻せばいいですね。赤緑パワーストーンが増えたらサリアを減らすのかな、ここはちょっとわかりません。パワー2先制で殴るのが必要だから結局入れるかも。
プレイする際はまずマリガン基準は以下です
先手:『1⇒3⇒3で動ける』か『新ベナリアの守護者とサリアがある』。
 実際にはもう少し緩いですが基本はこの形です。新ベナリア+1マナ2枚とかでもキープして1T新ベナリアだします。
・後手:『サリアを含む2マナ2枚』か『選定されし平和の番人と粗暴な聖戦士が2枚ある』
 
これも実際にはもう少し緩いです。相手に介入をするのを早めないといけないので、1マナクリーチャーがあるかどうかはマリガン基準に入れませんでした。
とりあえず様子見で宝物を使って出すカードとしては先手は新ベナリアの守護者が、後手はサリアが強いです。新ベナリアの守護者は触れていませんでしたが、相手の除去によって宝物が無駄になることが無く、どんな時でも殴れ、ライブラリー操作によって白単の不安定さを補ってくれるとベストカードに近いですね。兄弟仲の終焉への相性を食い止めている1枚です。
相手が1t目に宝物を出さない場合、及び赤マナを置いた場合には手札枚数の効率よく打点を増やし、またタフネス4を作ることを目指します。相手が白マナを置いているのに1T目が宝物以外を作った場合などは一時封鎖注意報ですね。特に食物から入ってきた場合。サリアがないなら1回展開を慎重になるべきです。
そのあとは古参兵やエーデリンで押していけば早期に勝てるでしょう。
赤緑パワーストーンは回してないのでわかりませんが、マナ加速系カードがあり動けるなら何でもキープしてそうですね。
白単か赤緑パワーストーンの好きな方が最終的なおすすめです。ただ、赤緑パワーストーンは使っていないので何に弱いのかがわからず、今後メタが動いた場合にどうすればいいのかちょっと不透明なのでそこはごめんなさい。よほど赤緑パワーストーンが大増殖しなければ白単の方がやりやすそうです。

以上で第三競技と第四競技の思考結果でした。
シールドに苦戦した分ちょっと記事が遅れてしまいましたね。あと1日半、お役に立てたら何よりです。

最後になりますが二つ宣伝です。
意見交換やドラフトを一緒に観戦したり交流する場としてDiscordのサーバーを立ち上げています
もしよければどなたでもお気軽に来ていただいて一緒に活動やご意見いただければMTGAのドラフトを楽しみやすいと思います。この記事を読んでいただいたことをきっかけにドラフトを始めてみたいという方もぜひ!
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また、筆者は非公認MTGA大会『まじ☆すと』というものを運営しております。Vtuber/配信者/動画投稿者/記事執筆者/etcと、インターネット上でMTGAの活動をされている方を広く集めた大会になります。ぜひこちらも公式アカウントから気に留めていただけると幸いです。前回無事『新春CHAOSちゃんぴおんずカップ』を開催させていただきました。今後も大会企画をしてきますし、次は1/20,21,22『まじ☆すと ~じゅうさんかいめ~』を予定しています。是非応援いただけると幸いです。
MtGAstreamer_tournament/まじすと(@mtgastreamer)さん / Twitter
また、今回の記事は無料公開としています。が、もし記事読まれたかたでご厚意でサポートしていただける方がいましたら是非今後のMTGAでの活動や主催しているMTGA大会企画『まじ☆すと』の運営資金とさせていただきます。是非よろしくお願いします!

では第五競技と第六競技をクリアしたらまた書きます!

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