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文字を使う

これはちょっとした自慢だが、私は幼少期から国語の点数だけはやたらと良かった人だった。
note始めて早々に何言ってんだこいつって感じだが、とにかく漢字を読めるようになるが早かったらしい。
暗記も得意なので、書けるようになるのも早かった。
高校生の頃も、定期考査では国語(正確には現代文と古文)は直前にちょろっと教科書を開くだけであとは一切何もしなかった。
授業もろくに聞かずにずっと絵を描いたり文章を書いたりしていたが、不思議と70点台をキープしていた。
70点なんてできるうちに入らないと思う人もいるかもしれないが、前述の通りほぼ何もしていないし聞いていないことに加え、
テスト時間のうち最初の15分で解き終わって後は寝ていた(もしくは裏面に落書きをこさえていた)ことや
面倒だからという理由で長ったらしい記述問題を飛ばしていたことを踏まえると、正答率の高さはわかってもらえると思う。
教師に、国語だけなら難関校を受けられるとまで言わしめた。
まぁ、残念ながら英語と数学が壊滅的だったのでそんなミラクルは起きなかったし、受験の際に美術学科を選択したので全く関係なかったのだが。

で、ここでちょっと、弟を引き合いに出そうと思う。
こいつは私の5学年下で、「自分はやればできる、今はやってないだけ」みたいな厨二病かこじらせたニートみたいな思考の持ち主である。
しかも自信過剰で、やったことないことでもやれるとか言っちゃうし、ろくすっぽ調べもしないで知ったかぶりする傾向がある。
そんなろくでもない弟は、文章や会話や言葉選びが、壊滅的に下手くそなのである。
「てにをは」が変とか、主語や述語が無いとか、
前後関係が不明とか、単語を間違って使うとか、
ことわざが微妙に違うとか、まあ上げ出したらキリがない。
一緒に住んでいたころは都度私が直したりしていたが、今は誰も直してくれないので弟の書く文章は奇文怪文の類いと言っても差し支えない。
こんな文章でなんでこんなに自信満々なんだこいつ、と毎回思う。
恥ずかしく無いのか、間違った意味で単語使ってて。
訂正するのもめんどくさくなって今では放置である。
こうして、話のよくわからない偉そうなおじさんが出来上がっていくのかと思うと世間には申し訳ない。

ちなみに母も下手くそである。
小学生の私に漢字の間違いを指摘されたり単語の意味を解説されたりしていた生粋の国語音痴なのだ。
弟と似たり寄ったりな奇怪な文章っぷりだが、この二人、お互いにお互いの文章を解読できないのが困ったところ。
家を出てすぐの頃は弟の文章が読めない母から、メッセージのスクショが何度も送られてきた。
都度、その会話になった事情も聞くはめになる。文章が下手だからいらない部分が多く、説明がめちゃくちゃ長い。
要約すると5行ぐらいの内容を50行で送ってくる。なぜそこまでいらん情報をつけられるのか謎は深まるばかり。
お願いだからお互いにお互いの文章読めるようになってくれ!と家にいた頃何度も言っていたが、ついぞ叶わないまま今に至る。
そんな母の文章で唯一マシなところは、難しい単語やよく知らない言葉は使わないことだけである。

読解困難な文章を書く天才が身内に二人もいる。
弟はきっと母に似たんだろう。どうやって似るのか知らんけど。
私の中身は父に似ててよかったなと思う。
まぁ、私は父と違って国語辞典やぶって食ったりしなかったけど。
でもつまらん授業を受ける時の愛読書は国語辞典だったので、もうちょっとしてたら食ってたのかもしれない。
食う前に電子辞書になってよかった。
ではまた。

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