JFL 第13節 ソニー仙台FC プレビュー

6/8 天皇杯2回戦
横浜FC 3-3 ソニー仙台FC

ダイジェスト版のみ視聴だったが、J2相手の横浜に対して3ゴールを奪ったシーンはいずれも素晴らしかった。しかし、それ以外で特に気になったのが、20分、59分のシーン。詳細が分からないので状況など不明瞭だが、いずれも横浜が自陣でボールを保持しているところから、ソニーのほとんどの選手が相手陣内へ進入してプレッシングからボールを奪い、最後はシュートを打っていたからだ。格上のチーム相手にこのような状況を作り出せるソニーの積極的姿勢に思わず何度も見入ってしまった。試合は惜しくもPK戦で敗戦となったが、ソニーが勝っても何ら不思議ではない好ゲームだったのだろう。

第11節 東京武蔵野ユナイテッドFC 1-1 ソニー仙台FC

どちらが上位なのか全く分からないような試合だった。この時点で14位のソニーが、2位の武蔵野を相手に対して少しも引けを取らないどころか、終始90分間試合の主導権をソニーが完全に握っていたからだ。ボールポゼッション率もおそらくソニーが7割ほど保持していたのではないだろうか。そのうえシュート数も、武蔵野の8本に対してその倍の16本とかなりの差がついてしまった。武蔵野からしてみれば、35分、最終ラインの右CB4番から縦に早いスルーパスのこぼれ球にFW9番が頭で奪った虎の子の1点を、84分、ソニーのFW9番の頭で1失点は許してしまったものの、最終ラインの体を張った粘りの守備とGK1番のたび重ねるビッグセーブの連発により、どうにかこうにか守りきりドローへ持ち込んだ試合だったといえる。一方でソニーからしてみれば、天皇杯2回戦の横浜戦から中2日というかなりタイトな日程だったとは全く感じさせないような、試合開始からアグレッシブでインテンシティの高いプレッシングとハードワークで自分達のペースを作り出し、絶対に勝ち点3を奪い取るんだという熱い気持ちがひしひしと伝わるプレーをピッチ上で随所に見せてくれていた。しかし、先に先制点を奪われてしまったことで後半に入りさすがに疲れが見えはじめたのか、ソニーは同点に追いつくのがやっとでこの試合を勝ち切ることはできなかった。

第12節 ソニー仙台FC 0-0 ホンダロックSC

前節の武蔵野戦の勢いそのままに、ソニーは、この試合でも立ち上がりからホンダロックに対して積極的に攻めの姿勢を貫いた。そのため、前半のソニーはまさに圧倒的で、試合の主導権を完全に掌握していた。一方でホンダロックは、ほとんどの時間を守備の時間に割かれてしまい、攻撃といっても中盤を省略してGKからのロングボールを幾つか放り込むことがやっとで、ソニー陣内まで進入することさえできない状況がしばらく続いた。それを証拠に前半のシュート数を見てみると、ホンダロックは1本であるのに対して、ソニーは10本という凄まじい数のシュートを打っていた。そんななか、31分、ソニーの決定的なシーンがあった。ソニーは最終ラインから速い縦パスを一旦中央へ入れた後、中盤で2人がフリックでさばいて左サイドへ振り、そこから、ペナ内へ向けて入れたクロスボールに上手く合わせた9番が頭でシュートを打つものの、惜しくもゴールバー上段に当たって得点にならなかったシーンがあった。ここでソニーがゴールを奪っていれば、おそらくそのまま後半もソニーがゲームを優位に進めていき、ホンダロックから勝ち点を取ることができただろう。しかし、実際はそうならず、ホンダロックの猛攻を受けてしまうことになってしまった。そのため、後半のシュート数は2本と前半に比べてガクッと減ってしまい、ソニーはホームでまたしても勝ち切ることはできなかった。ホンダロックはひょっとすると、スカウティングの段階から後半勝負に掛けていたのかもしれない。とはいっても、ホンダロックも守備の時間が長すぎたのか、攻撃することへの切り替えが難しくシュート数も3本と思ったように振るわずソニーとノーゴールの痛み分けとなった。

vs ソニー仙台FC プレビュー

この2試合を見てみるとソニーの基本フォーメーションは4-3-3で、システム的には大分に少し近い印象を受けた。そのため、攻撃の時は最終ラインとCHが正三角形を作ってビルドアップしていたり、あるいは、右SBを中心に横づれしてビルドアップしていくことも数多く見られた。そこから、両WGがサイドを張ることもあるが中央へ入ってくることもあり、IHと積極的にポジションチェンジを行って、相手のマークを上手く外して攻め上がる攻撃をたくさん見られた。その他にもCF9番へシンプルにロングボールを当ててくる攻撃や、武蔵野戦で見せたように、密集体勢から一気に逆サイドを仕掛けるオーバーロードや、ホンダロック戦で見せたように、最終ラインから中央へ縦に早いスルーパスを入れてサイドへ振るような素早いサイド攻撃もあった。ソニーは速攻も遅攻も攻撃のバリエーションはとても豊富にセットされていて、どこからでもチャンスを演出できる強みを見せていた。

守備時については武蔵野戦で特に見せていたように、前線の3~5人の選手がインテンシティの高いプレッシングをアグレッシブに仕掛けてきていた。もちろん、最終ラインも相手の選手に対してマンマークに近いようなハイラインを引いてくるので、いわゆる典型的なハイプレスを試合の立ち上がりからどんどん積極的に仕掛けてくることが多い。そのため、前線に疲れが見え始めたときには、ホンダロック戦のように、たとえ中心選手であっても何のちゅうちょもなく交代して、再度ハイプレスを仕掛けてくる徹底ぶりを見せていた。そして、そこからボールを奪還したらトランジションも素早く一気にショートカウンターで攻め上がっていた。この2試合でのソニーが圧倒している要因は、まさにこのハイブレスからのとめどない仕掛けから生まれたものだと言える。

そんなソニーの要注意選手がやはりCF9番だろう。彼のフィジカルはまさに外国人並で、日本人のボディコンタクトではJリーグトップクラスであるのは間違いない。そのため、彼のヘディングは恐ろしく驚異的だ。サイド攻撃からの彼の頭からのシュートは十分に警戒が必要だろう。またリスタート時では必ずフリーでシュートを打たせてはいけない。奈良クラブのCB伊勢選手とのゴール前でのバチバチのマッチアップは、ソニー戦の1番の見どころだろう。そこで彼を調べてみると、身長が178cmで体重が80kgとかなりがっちりとしている。PCの画面越しでもそのがっちりとした体型のおかげですぐに確認できてしまうほどだ。また面白いのがニックネームで、どうやらチームメイトからテセと呼ばれているらしい。このニックネームについても彼をよく表しているなとHPを見てつい笑ってしまった。

その他の要注意選手は10番と11番だろう。彼らはピッチを縦横無尽に駆け回り、ボールキープ力もとても高くドリブルでスピードに乗られてしまうと、彼らからボールを奪うことは本当に難しいだろう。そして、この2試合でも彼らから数多くの決定的なチャンスを作ってきていたので、彼らもフリーで自由にプレーさせるのはかなり危険だ。またCF9番のシャドー的な動きを常に見せているので、CF9番の意図的に空けたスペースを突いたシュートもどんどん打ってくる。そのため、彼らの動きも十分に警戒しないといけない。

このように、奈良クラブのファンサポーターの方ならよく知っていることだろうが、相変わらずソニーもかなり手強い相手だということをここで改めてよく分かって貰えたのではないだろうか。逆にどうして現在の順位が14位なのかと疑ってしまうほどだ。それだけ今期のJFLのレベルが桁違いに上がっているということだろう。そんなソニーを相手に奈良クラブは一体どうすればいいのかを少し考えてみる。まずは攻撃だが、このソニー戦ではある程度の割り切りが必要になってくるだろう。それはソニーは立ち上がりから激しいプレッシングを仕掛けてくると予想するからだ。ここではソニーのプレッシングに付き合って、無理にプレス回避をあえて選択しないという戦術も今回はあると考える。しかもこの暑さである。そのため、ソニーがハイブレスを仕掛けてきている間は、GKやCBはシンプルにロングボールを蹴り上げて、ソニーの最終ラインの裏を狙うことも重要なのかもしれない。その時に必要となってくるのがCFの決定力だ。数少ないロングボールからのシュートチャンスをいかにしてものにできるか。ここがソニー戦の最大のポイントではないかと考えている。ここだけの話であるが、毎年強豪なソニーがどうして現在の順位が14位なのかというと、最終ラインの3番4番8番の守備の安定感が少しだけ不安があるように感じているからだ。それはどうしてなのか。彼らを調べてみると3人とも今年ソニーに入ってきた大卒の新人で、同じく今年からソニーを指揮している鈴木監督があえて彼らを大抜擢してのことだと思われる。奈良クラブのCFなら彼らからゴールを奪うだけの技術も経験も十二分に兼ね備えている。早い時間帯で先制点さえ取ることができれば、複数得点も狙えるのではないかと実はそう思っている。是非とも高知戦のようなCFのゴールを期待したい。

守備については、まずは先程上げた要注意選手を絶対にフリーにしないことだ。そして、奈良クラブの前線のプレッシングは、左CB4番からのロングフィードと、CH5番からの攻撃の起点となるパスの出どころをいかに抑えることができるかに注意したい。そこから、中盤と最終ラインの粘り強く耐え抜くタフさも合わせて必要だろう。そのため、ソニー戦ではボール支配率で相手に上回られるかもしれない。しかし、先に先制点さえ取ることができれば、ますます裏への抜け出しが有効になってくるだろう。ソニーに先制点を先に奪われてはいけないのがこの試合でも明らかだ。

ということで、今回の得点予想は3-1で奈良クラブの勝ち!

ロートフィールド奈良で初めて奈良クラップをやろう!!

そして、3連勝で梅雨の暑さもとっぱらっていこー!!!

バモス!奈良クラブ!!!!!!!

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