JFL 2022 前半戦を振り返り

今期のJFLも暫定的ではあるものの半期を過ぎた。ここで奈良クラブを一度振り返ってみる。まずは第1節から15節(天皇杯2試合含む)までの結果を改めてここで再確認してみると…


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奈良クラブ公式HP一部抜粋 

5月8日 天皇杯奈良代表 奈良クラブ 2-0 天理大学 橿原
5月21日 天皇杯1回戦 奈良クラブ 0-1 HondaFC ロートF


このように6勝6分2敗という結果となった。前半戦を振り返ってみると、第5節のホーム岡崎戦での敗戦が最初の大きなターニングポイントではなかったかと私は思っている。それでは岡崎戦へ入るまでどんなの状況であったのか。そこでまず、2/16に行なわれた「2022シーズン新体制発表会」 から。発表会で濱田社長は、今期に対して相当の意気込みと自信に満ちあふれた姿を見られたことがとても印象的であった。そのため、開幕前からの期待感は、私を含め多くのファン・サポーター達からもSNSを通じておそらく例年以上に高かまっていたように感じた。そして、その期待感をそのまま持ち続けて開幕を迎えることになる訳だが、第3節の青森戦を終えた頃には、「面白くない試合…」といった意見がSNS上であちこち出てくるようになってくると、その高まった期待感は少しづつ薄らいでいったような印象を受けた。そんななか、第4節アウェイ大分戦を勝利して迎えたのが、第5節ホーム岡崎戦である。

岡崎戦を見終わって率直に感じたのは、チームとしての戦術的な落とし込みの差の違いだ。それは、HondaFCに感じる差とはまた少し違った類いの差である。そのため、岡崎の守備ブロックに対して奈良クラブの攻撃は何度もシュートを打つ前で潰され、その後チャレンジすることすら躊躇してしまい、途中で攻撃を見送ってバックパスが目立ってしまったからだ。結局、シュート数が2本ということがこの試合を最も象徴している。このとき、青森戦の無得点と重なって、このままでは今期奈良クラブが優勝することは難しいのではないかと、noteへは書かなかったが密かに危機感を募らせていた。そのため、最初のターニングポイントとしてここで挙げてみた。その後、悪い流れを払拭することができずに第6節の三重、第7節の新宿戦を迎えてしまったため、あの悔し過ぎる連続ドローへと繋がってしまったのではないだろうか。

その悪い流れを変えたのは、次のターニングポイントとなる、第9節の武蔵野戦であったように思っている。この試合では0-2で敗戦こそ喫してしまったが、内容は決して悪いものではなかった。そのことについてはnoteの感想で書いた。もちろん課題もたくさん見つかったものの、その課題についてどれもポジティブなものが多かった。それから、第14節の鈴鹿戦まで3勝2分という、とても良い流れを作れることができたのは、まさに武蔵野戦での大きく生まれ育った経験があったからだろう。それでは次に順位表を見てみよう…

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JFL公式HP一部参照

ご承知のように奈良クラブは現在第6位。今期JFL優勝を目標に掲げているクラブとしては少々物足らない順位ではあるものの、かといって全く悲観的になる順位ではない。あくまでもこの順位は暫定順位なので奈良クラブの他に、7位の大分、10位のホンダロック、12位の枚方は14試合と他チームより1試合少ない。開催が中止となった第15節の枚方戦に勝利して勝点+3を積み上げることを前提に話をすれば、奈良クラブの勝点は27となり、首位のHondaFCとは勝点差1となる。ここで少し調べてみたが、第7節終了時点では奈良クラブは首位の岡崎との勝点差が最大で9ポイントも差があった。そこからの勝敗を比較してみると…

奈良は5勝2分1敗の勝点 +17 (枚方に勝った場合)

岡崎は2勝1分5敗の勝点 +7

このように、確かに他力であることは否めないが、現在首位との勝点差が1というのは、第7節から地道に勝点を積み上げていった結果がこの差まで縮めたとポジティブに捉えたほうがよい。このように後半戦でしっかりと勝点を積み重ねることができれば、この順位でもまだ優勝を狙う上で十分に射程圏内といえる。

それでは、優勝をするために奈良クラブはこれから勝点を何ポイント必要になりそうなのかを考えてみる。過去5年間の順位表を見てみると…

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2021
JFL公式HP一部抜粋

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2020
JFL公式HP一部抜粋 

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2019
JFL公式HP一部抜粋 

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2018
JFL公式HP一部抜粋

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2017
JFL公式HP一部抜粋

最初に、2021年は17クラブで2試合多い32試合であったことと、2020年は15試合だけだったことを考慮して考える必要がある。また、2018年の首位HondaFCが勝点79とあるが、今期の前半戦は首位との勝点差5に対して8クラブの大混戦となっているので、そこまで勝点を積み上げていくことは少し考えにくい。そこで優勝する勝点を予想してみると…

65

前後ぐらいではないだろうか。それでは優勝ラインを65だと仮定した場合、奈良クラブは現在27(枚方に勝った場合)で計算してみると、+38を後半戦の残り15試合で必要となる。つまり、単純計算だと12勝2分1敗となる。

前半戦が7勝6分2敗 (枚方に勝った場合)

後半戦を12勝2分1敗

であることを考えると、可能性が全くないとはいえないが少し厳しいというのが率直の感想である。そこで、優勝ラインを60だと仮定して計算してみると、+33となり…

前半戦が7勝6分2敗 (枚方に勝った場合)

後半戦を10勝3分2敗

これだと、十分に可能性がある数字なのではないだろうか。いずれにしても勝ち数はもちろんのこと、引き分けも前半戦より3つ以上減らさなくてはいけない。前半戦だと、三重、新宿、仙台戦でしっかりと勝ち切ることさえできていれば、10勝6分2敗となり、+33となっていた。このように考えると優勝ライン60は絶対に必要な勝点となってくるのではないだろうか。

優勝に引き続き、次はもっと現実的な4位以内のラインを考えてみる。HondaFCと岡崎の戦況を考慮すれば奈良クラブが4位以内に入ることさえできれば、Jへ昇格できる条件を満たすのではないかと推測している。ここでもう一度先程の過去5年間の順位表を見て勝点を予想してみると…

53

ぐらいではないだろうか。それでは4位のラインを53であると仮定して計算してみると、+26となり…

前半戦が7勝6分2敗 (枚方に勝った場合)
後半戦が7勝5分3敗 

これだと、前半戦と同じぐらいの勝敗で4位以内へ入ることになる。しかも負け数が1つ多い。このように、これからどんなにチーム状態が悪化するような緊急事態が起きてしまったとしても、クラブ一丸となって前半戦の勝敗さえキープさえできていれば、4位以内へ入ることが十分に可能なのだ。だが、これはあくまでも最低ラインとして考えてほしいところだ。あくまでも、奈良クラブは優勝を第一目標として今まで同様に考えてもらいたい。その後の事案はそれからで十分だろう。

それでは最後に、どうすれば優勝できるかを箇条書きでいくつか書き出してみた。

・CFのシュート数アップと決定力
・両WGのシュート数アップとクロスの質
・両IHのペナ内のシュート数アップと決定機への関与
・両SBの積極的な攻め上がりとクロスの質
・両CBとCHとGKの土台を作る連動性とロングボールの質
・リスタートの決定力

・前線の積極的なプレス
・相手にスペースを作らせない連動した中盤のプレス
・最終ラインの高さ設定と強度
・臨機応変な守備陣形
・トランジションの使い分け
・試合終了間際の時間の使い方
・球際の激しさとセカンドボール奪取

このことを全て試合でできれば誰も苦労はしない。まさに「言うは易く行うは難し」だ。だが、いくつか挙げたこの理想の数々を、奈良クラブがどうやって後半戦の試合で見せてくれるか、そして、勝ち点を積み上げていってくれるか、そこをこれからも楽しみにしていきたい。

10勝3分2敗!

バモス!奈良クラブ!

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