JFL 第12節 FC神楽しまね プレビュー
6/1 天皇杯2回戦
大分トリニータ 3-0 FC神楽しまね
ダイジェスト版のみ視聴だったが、大分からの3失点はいずれもしまねのミスから招いたものだった。しまねとしてはJ2相手に健闘した戦いを見せていただけに、立て続けにミスから失点を重ねていては、なかなか格上の相手から勝利を挙げることは難しくなる。それだけに同じカテゴリーとして非常に悔しさが残る敗戦となった。
第10節 高知ユナイテッドSC 1-0 FC神楽しまね
6/1にしまねは大分と、高知は京都と延長戦まで戦い抜き、お互い天皇杯2回戦の激闘を終えてから中3日で望んだこの試合。コンディション的に難しい試合のなか先制点を上げたのは高知だった。11分、センターライン手前、高知陣内からの直接FKを、中CB10番が技ありのロングボールをペナ外中央へふわりと上げ、そのバウンドボールにタイミングよく走り抜けたCF9番が、しまねの右CB3番を上手くかわして打ったシュートが見事にゴールネットを揺らした。このタッチダウンゴールで先手を取った高知は勝ち筋を見つけたかのように、この後は5バックの高い守備に重心を置いて、攻撃はカウンターを狙うという現実的な戦術を選んだことが結果的に功を奏した。一方しまねは、失点後からは、後方からしっかりと繋いで前進させて高知陣内まで押し込む展開を増やしていった。21分、ボランチ31番→FW26番へズバッと鋭い縦パスが通り、高知の前線5人の裏を一気に取るなど攻勢を強めた。しかし、そこからシュートまでが遠く終わってみればこの試合でのシュート数は僅かに4本と少なく、連続無得点試合は7試合となってしまい、これでリーグ3連敗を喫してしまった。左サイドを中心に工夫をして繋げて前進していただけに、やはり早い時間帯に先制点を許してしまったことが、結局しまねとしては後になってもそれが最後まで響いてしまった。
第11節 FC神楽しまね 3-1 FC大阪
前節の奈良戦では無得点ドローとなったが、お互いの意地と意地とのぶつかり合いはとても熱い試合で私も興奮した。そのため、FC大阪が3失点を喫して敗戦したことに正直かなり驚いてしまった。しかし、その原因はすぐに理解した。FC大阪のスタメンが奈良戦から7人交代していたのだ。奈良戦から続けてスタメンだったのは、左右CB35番13番と右SH18番とFW9番の4人だけのいわゆるターンオーバー的なスタメンを組んできた。意図はすぐに分かる。次節の6/19に花園第1Gで開催される鈴鹿戦を控えているからだ。鈴鹿戦に多大なる熱い思いを込めることは理解できる。集客費も莫大な予算を掛けていることは誰の目にも明らかだ。そのため、絶対に負けられないことも痛いぐらいによく分かる。だが、このFC大阪の判断に対して私は非常に強い疑問を抱いてしまった。しまねの選手達が、この試合に対してどういう気持ちを持って望んでいたのかは分からないが、3ゴールを奪うモチベーションの原動力となったのは間違いないだろう。それを証拠に、この3ゴールは高知戦とは違って、FC大阪に決して負けないぐらいの縦に早い推進力とパッションがみなぎっていたからだ。この3ゴール以外にも25分、ボランチ19番→FW18番がフリック→FW24番右サイド進入からのクロス→ペナ内中央でフリーで右SH11番のシュートチャンスを見たとき、しまねの勢いを垣間見た瞬間だった。一方、FC大阪は64分、得意のリスタートで1点を返すのが精一杯だった。
vs FC神楽しまね プレビュー
この2試合を見てみると、しまねの基本フォーメーションは4-4-2で、それ以前を調べてみると第9節の三重戦以降では4-1-3-2を対戦相手によってそれぞれ併用しているようだ。攻撃時はダブルボランチが横並びとなるときと、もしくは、武蔵野、FC大阪、ホンダロックと共通するような同じシステムで、ボランチの1人が2CBの前まで降りて正三角形を形成し、もう1人がトップ下まで上がって中盤で大きくひし形を構成することも多く見られた。しまねは、試合の序盤ではGKからロングボールを多様することはあっても、高知戦では基本的に最終ラインからしっかりとボールを繋いで、SBやサイドへ張り出したSHが両サイドを使って前進することを、まずは思考の第一と考えているように感じた。そのため、セカンドボールありきといったリアクションサッカーとは全く異なっているので、ボール支配率も相手によってそう大きく差が出ることは少ないのではないだろうか。しかし、FC大阪戦で上げた3ゴールについては、どれも縦に早い見事な速攻であったことを考えると、遅攻ばかりを警戒していていると、一瞬の間にゴールを奪われることになってしまうと思われるので、そこは十分に注意が必要だろう。
一方守備については、カウンタープレスでマンマークを当てにくるということまでは見せなかったものの、FC大阪戦の前半終了間際で見せたように、相手陣内で積極的にプレッシングを仕掛け即時奪回して押し込む波状攻撃を見せていたこともあり、また、そこから先制点を上げるゴールも奪っていることを考えると、しまねを勢いづかせるとかなり厄介なことになりそうなので、これも十分に注意が必要だろう。ただし、基本的にはミドルゾーンでしっかりと待ち構えていることが多く、ローゾーンの守備については、とても粘り強く体を張ってゴールを死守する献身性がよく見られた。そのため、ゴールをそう簡単に決めることは難しくなってくるだろう。
そんなしまねの要注意選手はFW24番。FC大阪戦では3ゴールとも彼が起点となって生み出していたからだ。特に注目したいのが1ゴール目のアシスト。ペナ内左側でGKと1対1で対峙しても、全く慌てず冷静にGKを鋭い切り返しで見事にかわしてみせ、ペナ内中央まで走り込んできたフリーのFW18番に、ゴールのお膳立てとなるスルーパスをきっちりと渡してみせた。それまで連続無得点試合が7試合と決定力不足の真っ只中にあるチームのなかで、彼のこの冷静沈着なプレーは本当に素晴らしいと感動した。奈良クラブとしては彼にペナ付近で決定機を作らせないことが大切になってくるだろう。後プレーとは全く関係ないことだが、彼を公式のHPで調べてみると、身長172cmで体重68kgとあり、PCの画面越しからでもその体型がとても愛くるしくて勝手ながら親しみを持ってしまった。
その他の要注意選手はボランチ19番。彼も公式のHPで調べてみると、今年大学を卒業した新人ではありながら、そのプレースタイルはとてもクレバーでそこにダイナミックさも併せ持っており、もう既に、しまねの攻守の要であるCHのポジションを任されているとても素晴らしい選手である。彼のような若い選手がこれからもどんどん活躍することによってJへ個人昇格していけば、JFLのブランディングの向上にもおのずと繋がってくるので、今後も彼の活躍には注目していきたい。奈良クラブとしては彼からのボール配給に細心の注意を払い、彼からボールを奪われないことも大切になってくるだろう。
こんなしまねに対して奈良クラブはどうして攻撃していくのか。先述したように、しまねの守備はチャンスと見るやどんどん積極的にプレッシングを仕掛けてくるので、しまねのそんな緩急をつけたプレッシングには動じす、しまねの出方を冷静に認知判断をしてビルドアップしていく必要がある。そのためには、両サイドを中心としながらも時には中央突破を図るなど、ロングボールを上手く織り交ぜながら速攻と遅攻を使い分けて、ペナ内へどれだけ進入していけるかが重要になってくるだろう。とはいっても、しまねのローゾーンでの守備のブロックも非常に強固なので、少ないワンチャンスをいかにしてゴールできるかがポイントだろう。しまね戦ではCFの活躍を大いに期待したい。そして、ここ最近何度も取り上げてはいるが、リスタートからのゴールをしまね戦では必ず見てみたい。特にアウェイでのリスタートからのゴールは本当にチームの助けになる。ここは何としてでもリスタートからのゴールを是が非でも奪ってほしい。
それでは守備についてだが、先述したように、しまねは後方からしっかりとボールを繋いでサイドを効果的に使って前進できるチームだ。前線の2人は要注意選手であるボランチ19番をしっかりと注意深く見ていく必要がある。ボール支配率もケースによってはしまねに上回られることも十分に考えられる。しかし、ある程度の割り切りは必要だ。例えしまねに上手くビルドアップされたとしても、要注意選手であるFW24番にペナ内へ進入されて決定機を作らせなければいいのだ。ここでは3ラインがギャップを作らずお互いの連携を保つことが重要になってくるだろう。そして、そのことにも関連してくるのが最終ラインの位置取りだ。前節のホンダロック戦のように、まだ早い時間帯から最終ラインが低くなってしまう点についてはどう改善されているかチェックしたい。しまねから押し込まれる展開を少なくさせるためにもこれは極めて重要なポイントだろう。かといって、アウェイで勝ち点を取るためには、現実的な戦術を取らざるを得ないケースも必ず出てくると思われるので、ようはそれが効果的であったかどうかのタイミングが最大のポイントではないだろうか。後は毎回のことだがしまねに先制点を絶対に先に上げさせてはいけない。先制点を先に与えてしまうとそこから勝ち切ることは相当難しくなるからだ。そこは何としてでもゴールを死守してもらいたい。
このように、現在の順位が15位のしまねであったとしても、今節も非常に難しいゲームとなることは十分考えられる。しかも、奈良クラブは前節のホンダロック戦でホーム初勝利を挙げて勢いづくように、しまねもまた同様に、3連敗から抜け出しかなり勢いづいているチームだからだ。どちらも連勝を掛けた熱い戦いを挑んでくる。ここで大切なのことは、奈良クラブの選手はもちろん、監督、コーチ、スタッフ、ファンサポーターの全員が、たとえアウェイであっても絶対に勝ち切る!という強い気持ちを持った方が勝つということだ。そうすれば、相手に勝てないと思わせる圧力がチームに芽生え、それが脅威となって相手に与えることができるだろう。
勝つのは我ら奈良クラブ!
思いは1つ優勝や!
優勝するならここでは絶対に勝つ!
得点予想は超現実的に1-0で奈良クラブの勝ち!
バモス!奈良クラブ!
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