JFL 第16節 MIOびわこ滋賀 プレビュー

第14節 FC神楽しまね 2-2 MIOびわこ滋賀

滋賀はHondaFC、大分、三重を相手に立て続けに勝ちを収めて3連勝としたが、そこから良い流れをキープできず高知に引き分け、そして、前節FC大阪には0-4で大敗してしまう。そこで迎えたのがこのしまね戦。しかし、開始すぐの8分に中途半端なクリアボールをしまねに拾われて失点してしまう。その後はしまね以上に前掛かりとなった滋賀が、後方からしっかりと繋いでボールをサイドへ散らしながら試合のペースを握りだす。そんななか、16分には、滋賀のCF9番がペナ外中央へレイオフしてフリーの状況を作り出し、右SH32番→9番→前を向いたフリーのボランチ5番へバックパスで降ろし、5番→左SH18番へと繋いで、前へ運んでシュートを打つというようなよい攻撃を見せていた。さらに、27分には、左CB26番から大きく右SH32番へ綺麗にロングパスを蹴り上げ、32番も足元でピタッと収めるといった長短使い分けることもできていた。しかし、37分にCKからオウンゴールで失点しまうが、それまでのよい攻撃から62分には、ST27番がペナアークで豪快にゴールを決め、さらに74分には、左SB3番がインテリジェンス高い走り込みでペナ内まで上手く進入し、フリーな状況を作り出しておいてから最後頭でゴールを奪った。一方、それまで守備に重心を置いてしまったしまねは、そこから攻撃を再構築するもなかなか得点できず、結局2点差を守りきれずに痛いホームでのドローとなってしまった。

第15節 MIOびわこ滋賀 0-2 鈴鹿ポイントゲッターズ

前節の奈良戦で4失点を喫してしまった鈴鹿。その対策だったのか、この試合ではFC大阪戦で見せた3バックを率いて挑んできた。そして、まずは守備から試合を進めていき、そこで奪ったら素早くショートカウンター狙いを徹底していたと思われる。そのため、75分の追加点となる2得点目の場面では、その狙い通りのゴールを奪えたといえる。一方で、滋賀は前節のしまね戦と同様に、後方からしっかりと繋げてボールを動かしていた。16分、右CB2番が前へ運んで→右SB4番へ 左SH18番が中央へ寄る 4番相手をかわして→フリーの18番へ CF16番がペナ内へ斜め前に動いて進入する 18番ワンタッチで16番へスルーパスもGKにキャッチされる。21分、左CB26番から相手の選手の間をついた縦パスを蹴り→右SH32番が右サイド深くまで素早く斜めに運び出し→右SB4番へバックパス 4番バックパス→ボランチ5番へ 5番から再度素早く縦に→右サイド深くで32番→右ポケットへ進入した4番へ おしくもゴールラインを割る。このように、滋賀は鈴鹿のプレスを上手くかわしてボールを保持してチャンスを演出していた。しかし、40分に、滋賀陳内の左ポケットのライン際でボランチ14番の対応が不十分なため、諦めなかった相手にクロスを上げられ、先制点となるゴールを鈴鹿に奪われてしまった。55分、左CB26番のロングパス→右SB4番もゴールライン割る。67分、左CB26番→ボランチ14番から大きく右サイド→右SB4番へクロスもGK弾く。と、滋賀も先制点を奪われてから、再三に渡ってボールを動かそうとしたが、試合を決定づける追加点を鈴鹿に決められられてしまった。70分に、滋賀は長身FW50番をピッチへ投入して、彼に集めてゴールを目指したが決めきれず敗戦してしまった。

第1節 MIOびわこ滋賀 0-1 奈良クラブ 

開始直後は滋賀が積極的にプレスを仕掛けてくるが、10分過ぎてくると強度が下がり始め、逆に奈良クラブがボールを前進する場面が多くなる。そんななか、34分には、中盤でCH森田選手のポジトラから、左IH山本選手を経由して左WG森選手からのクロスに右WG金子選手の頭でゴールを奪い先制点を奪う。しかし、45分+1分で右CB小谷選手が阻止でレッドカード。後半は、1人少ないなかで滋賀のパワープレーに近い猛攻を耐え凌ぎなんとか初戦を勝利で飾った。

第1節 MIOびわこ滋賀戦noteでの感想

vs MIOびわこ滋賀 プレビュー

この2試合を見てみると、滋賀の基本フォーメーションは第1節時は4-4-2であったと思うが、そこはあまり大きな変更もなく4-2-3-1(4-4-2)かと思われる。攻撃時はダブルボランチの5番が2CBの少し前方まで降りてビルドアップを始めることが多い。しかし、5番が最終ラインの奥へ入って逆三角形を形成することもあった。それに加えて、左SB3番が右へづれて最終ラインを形成する場面も何度か見られた。そして、ボランチ14番も相手のプレス状況によっては降りてきたりもするが、基本的にはIHの高い位置へ上がることが多いように感じた。そのため、滋賀の攻撃時のシステムは3-4-2-1っぽい布陣へ可変していた。そこから、第1節に比べてGKからロングボールを蹴り上げることはめっきり少くなっており、後方からしっかりと繋ぐ攻撃を思考の最優先としているように思えた。特に右SB4番が積極的に中央や右サイド深くまで走り込んでいき、良い形でクロスを上げる場面が多く見られた。しかし、鈴鹿戦でもあったように、滋賀が後方から繋げるからこそ中盤でボールを奪われ、そこからショートカウンターを受けるという場面も、何度か見かけることがあったのは課題だと感じた。

守備時は、第1節の序盤に見せたような積極的なプレッシングは暑さからなのか少し抑え気味になり、4-4-2か場合によっては4-3-3の3ラインをミドルゾーンでしっかりとブロックを形成して守備していた。そのため、滋賀にブロックをしっかりと構えられてしまうと、そこから、なかなかシュートまで繋げていくことは困難で、しまねも鈴鹿もそこはかなり苦労していたように見えた。しかし、しまね、鈴鹿戦のいずれの先制点も滋賀の選手のミスから生まれており、そこは滋賀にとって大きな課題ではないかと感じた。

そんな滋賀の要注意選手は、第1節には出場していなかったボランチの5番だろう。彼が司令塔となってプレーすることによって、滋賀のビルドアップが完成するといってもおそらく言い過ぎにはならないぐらい、滋賀にとってとても大切な選手だろう。調べてみると彼は怪我が原因でJから移籍してきた経緯があった。そのため、サッカーの技術はもちろんのこと認知から判断力における全てのプレーがJトップレベルであることは間違いない。そんな彼を抑えようとしまねの前線の2人は、彼に良い形でボール配給されないように、2CBの前で蓋をするかのように徹底してプレッシングを仕掛けていた。奈良クラブもおそらく同様の対策が必要ではないかと思われる。

その他の選手は左CB26番。彼の左右に蹴り分けできる正確なロングフィードは、奈良クラブにとってとてもやっかいな選手だろう。奈良クラブの前線2人は彼をフリーにしてしまうと縦方向にどんどん危険なパスを仕掛けられるので、絶対にパスコースを切るプレッシングは欠かせないだろう。他は右SB4番だろう。左SB3番が最終ラインへ入ったり比較的に守備重視なのに対して、彼はより攻撃重視で、右サイドだけでなく中央へ積極的に走り込んで攻撃していた。奈良クラブの左サイドは彼とのマッチアップでは決して競り負けないでもらいたい。他は長身FW50番だろう。彼については、私よりおそらくこれを読まれている方の方が詳しいだろうからあまり書かない。彼がスーパーサブ的な要因で試合終盤に出場してくれば、奈良クラブのCHやCBは彼との空中戦の対応に相当苦労するだろうが、何とか全て弾き返してもらいたい。

そんな滋賀に対して、奈良クラブはどうやって試合を進めていけばよいかを考えてみる。まず攻撃であるが、今回に限ってだけは攻撃の内容はもうどうでもいいというのが本音だ。前節のアウェー鈴鹿戦の3点目のような、相手を完全に崩しきってからのゴールというのは全く期待していない。とにかく、どんな形であれ、90分間で滋賀よりゴールを取って勝利してくれれば本当にそれだけで十分だ。最悪引き分けでもいい。それだけ試合の前日となった今でも、明日無事に試合が開催されるのかどうかが不安だからだ。

しかし、守備においてはいくつか考えを出しておきたい。先述したことの繰り返しになるが、滋賀のボランチ5番には絶対に前を向かせて気持ちよくプレーさせてはいけない。次に左CB26番のロングフィードに気をつけること。次に右SB4番のオーバーラップのマークの受け渡しはもちろん、しまね戦でゴールしたのは実は左SB3番で、彼のここ一番でのオーバーラップにも注意が必要だ。そして、長身FW50番のポストプレーや激しいコンタクトへの対応。球際やセカンドボールの競り合いは決して相手には負けない。等々、とにかく、理想的な攻撃はできなくても守備では全身全霊で挑んでいってもらいたい。この試合では技術うんぬんよりも精神力が試される試合になる筈だ。そんなこの試合の予想スコアは…

1−0で奈良クラブの粘り勝ち!

バモス奈良クラブ!!!

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