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トイレで用をたしていると、ふと中学の時に死んだ同級生を思い出した。 彼とは普通に話す…
部屋の壁紙の凹凸を天井まで舐めた眼は考えた。 蜘蛛がいなくなった。 1センチにも満…
家の味噌床は今年で八年になる。 もう大分使ってしまったのでタッパーから少し小さい容器…
節目について少し考えた。 一日の節目は夜が告げる。四季の節目は風が告げる。一年の節目…
人混みが嫌いだ。 年末の新宿駅は人でごった返していた。通路に人を詰め込んでは出すのを…
最近音楽を聴きながら歩くのが好きだ。 昨日今日と雨が続いたけれど、外に出たのは音楽の…
電話が来た。 突然の着信音にはいつもドキッさせられる。恐る恐る、しかし鳴り続ける音にせかされるように応答すると、定期的に行っていた献血ルームからだった。O型の血液が足りないから来てくれないかという営業(献血の場合営業というのだろうか)の電話だった。 服薬をしていることもあり、献血はできないことを告げて電話を切った。やり取り自体は一分もなかったが、スマホを置いてからなぜだかあの献血ルームのことを思い出した。 献血ルームはビルの八階にあり、待合の時間は窓から街を一望で