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Karviná カルヴィナー 〜街散策編〜

実は湯治で有名な場所

以前にも少し触れたKarviná (カルヴィナー)という小さな町。チェコ第三の都市Ostrava(オストラヴァ)から東のポーランド国境に向かって約15km離れたところにあります。

ポーランド国境沿いは以前も書いた通り、Po nasziymu(ポ ナシム)話者が多いです。英語だとCieszyn Silesian dialectと言います。
チェコ語とポーランド語が融合された不思議な言葉。方言の一種ですね。
特に年配の方はこの方言をよく用います。

石畳のごく普通なチェコの街並み

義姉の仕事場があり退勤後に一緒に買い物と、行くと必ず友達がいる(飲んだくれ?)パブに行くのが目的でよく訪れました。

気張りすぎない脱力系ディスプレイも割と好き

正直、観光客はほぼいません...と言いたいところですが世界各国、特に中東からのお客さまがあるものを求めてやってきます。

実はカルヴィナーはカルロヴィ・ヴァリと同じく湯治で有名な場所なのです。

Darkov (ラーズニェ・ダルコフ)というスパビレッジがあり、チェコ人も手術後のリハビリに使用します。かなりラグジュアリーな雰囲気なのですがまだ行ったことはありません。
▷▷Darkov (ラーズニェ・ダルコフ)リンクはこちら(英語版です)

歴史の爪痕を街の随所に見る

さて、街の中心部に話を戻しますが、至って普通のヨーロッパの街並みですね。

「普通すぎる」と思われるかもしれませんが目を凝らすととても興味深い街なのです。街のあちこちに「ナニコレ?」と興味をそそられるものが絶対ありますよ。

例えば、こちら。
よく見ないと通り過ぎてしまう、一見何の変哲もなさそうな寂れた鎖が町役場にあります。

中世に詳しい方だとピンとくるかもです。

寂れた鎖がブラリと。これは何でしょう

これ実は昔々からありまして、犯罪人を手錠でつなげて見せしめのために存在していました。

中世において犯罪抑止及び娯楽のために、このような懲罰や処刑は当たり前でした。その名残がまだ街中に残っています。他の街でも見かけたら報告してくださいませ〜(笑)。

さて、町役場などがある中心部に話を進めて・・・

広場にはフリシュタット城があり、その隣の教会と建物が繋がっています!

Google Mapより拝借。左手フリシュタット城と右手の教会に渡り廊下があります

この教会Kostel Povýšení svatého Křížeと言います(訳すのが難しい)。
戦火により消失した部分を修復したため新しく見えますが、歴史は1288年からと古いです。

しかし内部は当初のゴシック様式が垣間見え、新しく修復された部分はルネサンス、バロック様式を取り入れています。ちなみに私はゴシック様式が大好きです、ハイ。

鐘楼は曜日によって開放されているみたいです

内部、白を基調としており明るくて綺麗ですね。

装飾も見る価値あり、写真にはないですがフレスコ画が素敵です

実は、この右手に巨大なマリア様の肖像画があり、地元テレビに出たほどの曰く付き(?)です。複数の人が肖像画から聖母マリアの形をした透明なものが出てくると証言しました。

これを後から聞いて写真を撮ればよかったと後悔・・・。アイルランドではゴーストハンターをしていたのでこの手の話には興味津々です。

今、記事を探すと出てこないのですが、かなり昔に大きく取り上げられたようです。その話、知ってるかもという方いたらご一報を。

教会前ヤン・ネポムツキー像からフリシュタット城を望む

クリスマスシーズンの時(季節感狂ってすみません💦)の写真ですが、広場はこのようになっています。こじんまりとしていますがホットワインや温かい食べ物をいただくことができました。

クリスマスマーケットが出ています
クリスマスが近いと見かける降誕場面はチェコ風衣装を纏ってます。
右手の女性はクリスマスのパンVánočka(ヴァーノチュカ)を持っていますね
遠目から見ると本当に人がいるみたい。夜に動き出しそう・・・

かなりリアルな等身大ベツレヘムのキリスト降誕シーン。珍しくチェコ風衣装です。

このシーンは個人的にも好きでアイルランドでも日本でもクリスマスシーズンが近いと教会に見に行っていました。
幼稚園でのクリスマス会を思い出すのですが、私は「ヒツジ」役でした(笑)🐑

通りを歩くと何やら物々しく銃を構えた銅像が。
こちらは何の銅像かというと、ヒトラー率いるナチスから解放されたことを記念して作られたのだそう。

ソビエト軍の像がまだ残っています

ナチス・ドイツによる占領から解放してくれたのはソビエト軍ですが、皮肉にもその後のチェコスロバキアはソビエト軍に苦しめられることとなります。その話は証人である夫の祖母がよく話していたそうです。

カルヴィナーに来たらこのホスポダにGO

ここに来ると必ず知り合いがいる・・・小さな街ならではですが、知り合いじゃなくても隣に座ると友達になるというのがパブ文化です。

アイルランドでも全く同じで仕事終わってパブに行くと、店に限らず大体知っている顔がいる。そして飲み終わったら皆歩いて帰ることができる距離(重要)、終電気にせずOKなところがいいですよね。

ここ、カルヴィナーにもホスポダ(パブ)がありますが私たちが必ず行く2件をご紹介。

ひとつは広場から近いFryštátská Barrels Alehouse
Bečky(ベチュキ)に行こう」という合言葉でいくパブです。ちなみにベチュキとはバレルのこと。そういや店名とロゴがバレルですね。

内部はずっしりと重厚な煉瓦作りとなっています
オリジナルのクラフトビールあります
写真はお友達提供 in バレル。こんな感じで飯テロならぬビールテロの写真を送ってきます

そしてもうひとつはPivnice Podkova
Podkova(ポドコヴァ)は馬蹄の意味です。

大きくはないけれど緑に囲まれた庭で飲むことができます。アイルランドのギネスを始め豊富な種類のビールがあり、聖パトリックの祝日には全員緑色の服を着てお祝いをします。

スロバキアはニトラ生まれのビールZlatý Bažant(ズラティーバジャント)がお店の一押しビール。

友人との再会には必ずJägermeister (イエーガーマイスター) をショットグラスで乾杯!

郊外には広大な自然が

カルヴィナー郊外から実家にかけて大きな自然が広がります。鉱山により人工的に作られた沈殿池がたくさんあり、今では釣り人に人気があります。汚染された水ではなく、地下水が湧き出て魚が生息しているのです。

鉱山閉鎖により破壊された自然を戻すべく、近年では自然再生に力を入れサイクリングやアクティビティができるエリアになってきました。

朝靄の中にハンター小屋と鉱山の煙突が見えます

このエリアは鹿が多いことから作られました。近年は周囲に民家も増えてきたことから使われていないようです。

ハンター小屋は大体閉まっていることもありますが、入れる小屋もあります。ここでカメラを用意しアニマル・ハンティングもできますね。

大人ひとりが入れるぐらいの大きさ。地域の小屋によってさまざまな大きさがあります
タワマンではありません(笑)、これも工場です

チェコといえばプラハが一番有名ですが、オストラヴァやその先のポーランド国境沿いなどチェコの近代史に触れられる産業遺産を見にぜひ訪れていただきたいと思います。もちろんご当地ビールにご飯も✨

こんな感じでチェコ共和国の一面を色々な切り口で紹介していきますのでどうぞよろしくお願いいたします😊

それでは今日はこの辺で。

Zduř!

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