ブロックチェーン技術と仮想通貨バブルを混同してはいけない

ジェイミー・ダイモンという人はすごく賢い人なので、ブロックチェーン、分散台帳の技術と、ビットコインバブルを分けて考えているのは明らかでしょうね。よくわからずに投機に加担している人たちを批判しているのではないかと。

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13H7K_T10C17A9000000/

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13H7K_T10C17A9000000/

”画期的なイノベーション”が詐欺に転嫁するポイントは確かにあって、2008年のリーマンショックの金融派生商品(デリバティブ)がそうでした。小口ローンを束ねることで大数の法則によって安全性を高めたABS、MBSのあたりはイノベーションだったけれど、そのデフォルトに賭けるCDS、CDSを担保として発行したシンセティックCDO、CDOのトランシェを参照する別のCDO(CDO squared)へと「発展」するにつれてどんどん詐欺に近づきましたね。

イノベーションと詐欺の境目を見分けるのは(その渦中にある時は)困難ですが、当時JPモルガンは割とうまく立ち回りました。CDSという商品を開発して儲けた当事者でありながら、その後の狂乱相場からは早期に脱出し、大損した証券会社やシティグループなどに比べて比較的傷は浅くすみました。マーケットは最初に入って最初に出る、が鉄則ですね(日本の金融機関は最後に入って最後に出たので大損しました)

電子版記事にもあるように、JPモルガンはブロックチェーン技術ベンチャーのデジタルアセットホールディングス社に出資しています。このDAHを設立したのは、JPモルガンでCDSの開発に関わったとされる、ブライス・マスターズさんです。ここでも”最初に入って”いるのをみると、JPモルガンとダイモン氏は「だまされる側」にはならない感じがします。

「理解できないリスクはとらない」というのはウォーレン・バフェットも言っていますが、イノベーションと詐欺を見分ける鉄則なのだと思います。

http://doublehash.me/blockchain-for-bank/#more-1153

http://doublehash.me/blockchain-for-bank/#more-1153