最近の記事

就活ルール撤廃しても別に良いと思う理由

1年生でも会社にとって必要だと思えば採用すればいいでしょうし、さすがに若すぎて育成投資に見合わないと判断すれば採用しないのだから、問題ないと思います。 https://www.asahi.com/articles/ASL9366RRL93UTIL030.html?ref=newspicks 通年採用で、いつでもどんな人でも取れる、となれば企業も本当に必要な人材とは誰かをより真剣に考えるでしょう。多くの人が指摘しているように、真の問題は、毎年春に一括で”素材としての新人”を

    • ATM銀行というマルチサイドプラットフォーム

      セブン銀行社長を務めた安斎隆さんの「私の履歴書」が面白いです。特に、今やおなじみとなったコンビニATM設置の顛末を描いた26回目は示唆に富んでいます。 https://www.nikkei.com/article/DGXKZO34550130U8A820C1BC8000/ チキンエッグ問題をどう克服するか コンビニATMは、利用者、コンビニオーナー、銀行の3者が絡む、マルチサイドのプラットフォーム事業とみなせます。提携している銀行が多いほど利便性が上がり、利用者数が伸び

      • プラットフォームビジネスの構造を理解する

        米国の映画見放題サービス、ムービーパスが、見放題を撤回して月3回までに変更しました。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33883720X00C18A8000000/ 使い放題サービスは、収入とコストのバランスが肝です。ムービーパスの問題は、鑑賞者からムービーパスに支払われる会費が「会員数」に比例するのに対し、映画館に払うコストは「鑑賞回数」に比例するという点ではないかと思います。収入とコストの伸び方にミスマッチがあることが弱点かと

        • JDLAのディープラーニング検定を受験してみた

          先日行われたJDLA Deep Learning for GENERAL 2018#1という認定試験を受けてみました。JDLAとは一般社団法人日本ディープラーニング協会のことで、AIで著名な東大の松尾豊准教授らが中心となり、「ディープラーニング技術を日本の産業競争力につなげていこうという意図のもとに設立された」(協会HPより)とのことです。 (出典:JDLAサイト) 受けてみた理由 ニュースなどでAIという言葉を見ない日はなく、そろそろ勉強しなきゃなあと思っていたのです

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          組織のタコツボ化こそUXの敵

          タコツボ化は、ある程度大きな組織に属した人なら誰でも経験すること。担当者にとっては自分の担当分野だけが世界のすべてになってしまいがちです。それはユーザーとのタッチポイントのごく一部にすぎないとたとえわかっていても、「自分にはどうしようもない」として考えないようにしている人も多いのではないでしょうか。 https://note.mu/ujixuji/n/nd24edc1d874a しかし、自分が消費者になった時はそんな風には見てないです。タッチポイントのうちに一つでも不満が

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          「こうすべき」から「どうすればそうなる?」へ 人の心を変える技術

          D-Lab報告は毎回興味深く目を通しています。テーマはイノベーションですが、様々な識者の方々が指摘する日本企業の問題点を突き詰めると、組織の文化を変える難しさ、という主題に行き着きます。個人的にも日々この問題と向き合う立場にあるため、非常に参考になります。 組織の文化を変える、ということは、そこで働く大勢の人の考え方を変える、ということです。そこで問題になるのは、人が思考や行動の様式を変えるには、頭で理解すると同時に、感情の上でも折り合いをつけなければならない、という点です

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          根底から変わる覚悟を持てるのかどうか

          「似て非なる」と書いてあるけど、本質は結局同じだと記事中で混ぜっ返しているので「非なる」じゃないですね。テクノロジーが業務のあり方を根底から変えようとしている事情は各行同じでしょうから、人員削減はいま言うか、後で言うかの違いしかない。この数の社員を全員再教育というのも難しいでしょうし。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23456230U7A111C1EE9000/ 解雇できる外国の銀行はもっと直截で、Citigroupのパンディッ

          根底から変わる覚悟を持てるのかどうか

          スーパーカブの広告戦略がすごい

          スーパーカブの生産1億台のニュースに関連して、NHKのNEWS9でカブの広告戦略が紹介されていました。このHONDAのサイトにも一部のクリエーティブが紹介されています。「ソバも元気だ、おっかさん」とか最高ですね。 番組では他にも多くの広告が紹介されていましたが、中にはカブがほとんど写ってない広告もあって、今見ても斬新です。このサイトでも紹介されてる東京グラフィックデザイナーズの尾形社長もNHKのインタビューで「カブという商品を伝えるんじゃなくて、カブのある生活を描いた」とい

          スーパーカブの広告戦略がすごい

          wework1号はやっぱり森ビル

          weworkの日本第1号スペースがアークヒルズに決定。誰とどんな風に組むかも会社のブランディングの一つなのでどこが連携先の一番手としてアナウンスされるかなあと思っていましたが、森ビルさんというのはなるほど、という感じですね。国内デベロッパーでは一番イノベーティブで、デザインコンシャスなイメージがある。入居する企業の側もブランディング要素はかなり大きいと思います。wework今後も注目です。 https://newspicks.com/news/2509705/body/

          wework1号はやっぱり森ビル

          中国共産党の権力闘争を読むための良いガイド

          カラマーゾフの兄弟とか、登場人物が多すぎて「誰だっけ?」となる物語はよくありますが、中国共産党の権力闘争の物語もそんな感じでしょうか。それでも、人の名前にビジュアルイメージとエピソードが加わってくるとぐっと覚えやすくなります。ストーリー自体はとても興味をそそる人間ドラマなので、こういう手引きになるものがあると記事を読む時の面白さが変わってきますね。 ストーリーは点と点をつなぐことで生まれると思うので、この人たちがどんな関係で結ばれているのか、地縁、血縁、学閥、財閥などをいろ

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          ブロックチェーン技術と仮想通貨バブルを混同してはいけない

          ジェイミー・ダイモンという人はすごく賢い人なので、ブロックチェーン、分散台帳の技術と、ビットコインバブルを分けて考えているのは明らかでしょうね。よくわからずに投機に加担している人たちを批判しているのではないかと。 https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13H7K_T10C17A9000000/ https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13H7K_T10C17A9000000/ ”画期的なイノベ

          ブロックチェーン技術と仮想通貨バブルを混同してはいけない

          互いに学び、影響を与え合うドイツとシリコンバレー

          「デジタルドイツ」特集でも紹介されていましたが、デザイン思考の総本山、スタンフォード大学dスクールをIDEOのデビッド・ケリーと創設したのが、SAP創業者のHasso Plattnerだったというエピソードは意外と知られてない気がします。 https://comemo.io/entries/1874 SAPのパロアルトオフィスはまさにそのデザイン思考のメソッドを体現した空間のようです。 http://www.worksight.jp/issues/1014.html

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          騒動の渦中のVALU代表取締役のインタビュー

          Youtuberの人の件が大騒ぎになった割に、代表のインタビュー記事があまり流通してなかった気がしたのでメモ。 わざわざリスクをとって何かを始めるのは大変なことなので基本的には応援したい。願わくば、CASHとかもそうなのですが、こうした資金調達手段の民主化によって新しく何かを始められた、という人が目に見えてくればサービスの存在意義の説得力が増すと思うのですが。 ――今後の展開に向け政府に何を求めますか。 「どこまでが個人の責任でどこまでがサービス側の責任なのかはっきりさせ

          騒動の渦中のVALU代表取締役のインタビュー

          インプットを続けることは苦行

          大きな組織だと、事業やプロジェクトをある程度自分の権限で仕切れるようになるのが30代後半〜40歳ぐらい。その時にまさにこういう感覚に襲われる。 発想が古くならないように、常に新しい文化を吸収するようにしています。この仕事は忙しくて、意識しないと学生時代に好きだったものだけで番組を作ってしまうんです。僕らの年代だと、ADからディレクターになってようやく「番組を作るぞ!」って時にフリッパーズ・ギターばかりBGMに使うとか(笑)。今を知らないから、ノスタルジーの発想で作ってしまう

          インプットを続けることは苦行

          テクノロジーで何をするか、が問題に

          Financial Timesのテック担当記者Tim Bradshawがサンフランシスコからロサンゼルスに引っ越したという記事。 https://www.poynter.org/2017/are-tech-and-media-becoming-the-same-beat-financial-times-has-a-reporter-in-l-a-to-cover-the-convergence/470492/ SF、パロアルトでテクノロジー企業自体をカバーするのではなく、

          テクノロジーで何をするか、が問題に

          戦争を振り返る季節に考える戦略と組織と経営

          日本の組織論で最大のケーススタディといえば、日本陸軍の研究。現代に続く学びが多くあります。国家経営は「経営」の最たるものであり、いったん誤ればその後100年、200年の未来を狂わせてしまう。地政学的な緊張が高まるいまだからこそ、風化させずに学び続けたいです。 以下の記事は、辻参謀という強烈なキャラクターを例に、いわゆる当時の戦争指導者層、エリート軍人は無能だったわけでも、前近代的だったわけでもなく、むしろその逆で、ある面においては非常に優秀だったことを書いてます。 では何

          戦争を振り返る季節に考える戦略と組織と経営