HACCP その1
皆さんこんにちは。 自家焙煎コーヒー豆の販売を目指すZKです。
今回はかなりお堅いお話です。ご注意ください。
HACCPという言葉ご存知でしょうか?
コーヒーに限らず、食品に関係するお仕事をされている方の中には、
聞いた方が多いかと思います。
HACCPについて、一般社団法人全日本コーヒー協会と
全日本コーヒー商工組合連合会とが共同で作成している
コーヒー製造における HACCP の考え方を取り入れた衛生管理のための
手引書(案)から抜粋します。
”HACCP とは、原料の受け入れから製造・出荷に至る過程において、
発生する恐れのある生物的、化学的、物理的危害要因を予め分析
(危害要因分析)し、原料の受け入れから製品の出荷までの
どの段階でどのような危害要因が生じ、どのような対策を講じれば
それを管理(除去、許容レベルまで低減)できるかを検討して
重要管理点として定め、この重要管理点に対する管理基準や
基準の測定法を定め、これを継続的に記録することにより
製品の安全性を確保していく科学的、国際的な衛生管理の手法です。”
文字数226文字で句点なし。 なかなか読み応えのある文章です。
なかなか1回で理解するのは難しいのですが、ザクっというと、
食中毒リスクに関して、食品を製造販売するときに気をつけるポイントを
ピックアップしてしっかり管理しよう。ということでしょうか。
コーヒーと同様にその他の食品製造でも各関係団体が手引書を
作成しているそうです。
まだ実店舗はありませんが、令和3年6月1日から原則としてすべての
食品等事業者が取り組むことが義務化されたようなので、いずれ開業する
ZKにとっては知っておかないといけない項目です。
ZKがHACCPを知ったのは、昨年職業訓練校に通っていた時でした。
フードビジネス科と銘打たれたコースを受講し、食品に関する様々な
知識を習得する機会を得ました。
HACCPは食品衛生学、平たく言うと、食中毒に関する内容を学んでいる
ときに出てきました。
HACCPは英語の頭文字。Hazard Analysis and Critical Control Point
Hazard :危害 最近は、ハザードマップなどという言葉でも耳にしますね。
Analysis:分析 アナライザーとか、データアナライシスとか
Critical :重要 ゲームで『クリティカルヒット』とか
Control :管理 情報をコントロールとか、体重をコントロールとか
Point :点 これは、普段の会話でもよく使いますね。
なので、危害要因分析と重要管理点 ということ。
ムム・・・漢字と英語で固い感じ。
食品を製造販売する過程では、危害(食中毒)が発生する点があり、
それらを管理しないといけないということのようです。
もともとHACCPはNASAで宇宙食の安全性を確保するために発案された
衛生管理手法だそうです。確かに宇宙飛行士が体調崩しては一大事ですね。
この管理手法が食品業界に評価され、1990年代から北米で、
2000年代に入って欧州でも義務化が進みました。
そして、日本でも令和3年(2021年)6月から義務化となりました。
国際化対応のようです。
これまで日本でも製品の抜き打ち検査などにより工程管理は
行われていました。この場合、製品に問題ないことは確認できますが、
問題が起こりにくい方法で生産されているかが見えません。
誰が作っても、同じ品質で等しく安全な食品をつくる工程マニュアル化を
求めるHACCPとは視点が異なりますね。
厚生労働省のホームページを見ると、
以下の項目が営業者に求められています。
1.「一般的な衛生管理」及び「HACCPに沿った衛生管理」に関する基準に
基づき衛生管理計画を作成し、従業員に周知徹底を図る
2.必要に応じて、清掃・洗浄・消毒や食品の取扱い等について
具体的な方法を定めた手順書を作成する
3.衛生管理の実施状況を記録し、保存する
4.衛生管理計画及び手順書の効果を定期的に(及び工程に変更が
生じた際等に)検証し(振り返り)、必要に応じて内容を見直す
です。
責任者は危害が起こりにくい(起こらない)方法を計画し、
作業者が計画通りに作業することで、食品衛生を管理します。
作業が計画通りに行われていることを確認(証明)するために、作業者が
管理表に記入、保存します。
これにより、作り方に間違いがない、安全に食品が作られている証拠にも
なるわけです。万一不具合が発生した場合は、作業工程を見直し、
より安全な方法を追求する。ビジネスなどでよく聞くPDCAですね。
コーヒー製造にもHACCPに基づいた製造管理が求められています。
知りませんでした。何が危害要因で、どう重点管理すればよいの??
と思ったら、コーヒー製造向けのHACCP管理の手引書があるそうです。
次回は、このコーヒー製造向けHACCPを見ていきます。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。