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時間の起源と歴史

1. 時間がなぜ発明されたか

人類の農耕民族化が起源であるとされている。

農耕民の空間が縮小する一方で、彼らの時間は拡大した。狩猟採集民はたいてい、翌週や翌月のことを考えるのに時間をかけたりしなかった。だが農耕民は、想像の中で何年も何十年も先まで、楽々と思いを馳せていたところが農業革命のせいで、未来はそれ以前とは比べようもないほど重要になった。農耕民は未来を念頭に置き、未来のために働く必要があった。農耕経済は、何か月にも及ぶ耕作に短期の収穫繁忙期が続くという、季節の流れに沿った生産周期に基づいていた。豊作の年には、収穫期の終わりの晩に、農耕民たちは思い切り祝うこともあったかもしれないが、一週間ほどで、早朝から日がな一日畑で働く生活に戻るのだった。その日、翌週、さらには翌月分の食べ物は十分あったものの、翌年や翌々年については心配せざるをえなかった。

サピエンス全史(上)

農業は不作などがない限りにおいて安定した食糧供給源となる営みであり、餓死の恐怖から逃れる概念としても普及した。かつて狩猟採集民族であった人類は早くて紀元前9000年、遅くても紀元前2000年には農業を開発し、農作物を育てることでホモサピエンスの人口を200万人前後から2億人超まで伸ばしたとされている。

農耕民族となった人類は農業を行うにあたり、農作物の種をいつ蒔き、いつ収穫するのか、どうしたら豊作し、その村が栄えるのかに気を遣うことになった。

例えば、米であれば4月に田植えをし、6月~7月に水の管理・追肥を行い、9月~10月に稲刈りを行います。農業の成功は季節の変化に密接に関連していたため、収穫を計画し、種を植え、収穫を行うためには、季節のサイクルと日の出と日の入りを理解する必要があった。

このように、時間と生活に密接に関わるようになったことから「時間(季節)」というものが必要となり、時間の概念が生まれた。

そして、時間を可視化する時計の概念も、紀元前3500年代のメソポタミア文明と紀元前3000年代の古代エジプト文明に開発されたとされている。

時計の歴史については以下を参照。
時計の歴史(Wikipedia)

2.紀元前〜現代までの時間の活用

時間という概念は、人間の生活をより予測可能で理解・計画しやすいものにし、個々の活動から社会全体の機能まで、多くの点で有用性を示している。

古代ギリシャとローマ

天文学の進歩により、より精密な時間の計測と時間の哲学が発展した。時計の技術も進歩し、機械式の時計が初めて登場した。

古代ローマや古代中国

戦争において行軍やキャンプ設営、攻撃のタイミングなどは、一日の時間の分割に基づいて行なっていた。大局的な観点で言えば日の出と日の入りを用いて攻撃のタイミングを決定したり、季節を考慮に入れて戦役を計画したりしている。

中世

修道院での定時の祈りのために、より精密な時計が必要とされた。これは時計の技術の発展を促した。

産業革命

工場労働とスケジュールに基づく作業が導入され、時間の厳格な管理が必要となった。これは標準時間と時間帯の概念を生み出した。QEDを始めとした、納期という概念が明確に生まれたのもこの頃。

19-20世紀

電気時計、クォーツ時計、そして原子時計の登場により、時間の測定はより精密になった。また、ビジネス、交通、通信など、社会のすべての側面で時間の管理がますます重要になった。

デジタル時代

インターネットとデジタル技術の進化により、時間はグローバルなコミュニケーションと作業の調整に不可欠な要素となった。コンピュータとスマートフォンは、個人が時間を管理し、スケジュールを作成し、情報を共有する方法を根本的に変えた。

3.仕事における時間の本質と実践

以下を参照。よく書けてます。

余談: 資本主義から見た時間のメリット

時間をコストとして捉える風潮は、労働時間と生産性の直接的な関連性から来ている。

労働時間と生産性

企業にとって、従業員の労働時間は直接的なコストである。従業員が多くの時間を作業に費やすと、それだけ企業が支払う給与のコストも増える。したがって、生産性の観点からは、同じ時間内により多くの仕事を完了させることが求められる。このようにして、「時間は金なり」という考え方が生まれた。

機会費用

時間は限られていて取り返しがつかない資源であるため、それをどのように使うかは重要な意思決定となる。ある一つのタスクに時間を使うということは、それ以外のタスクを行う機会を逸するという意味でもある。これを「機会費用」と呼ぶ。したがって、時間を最も価値のある活動に割り当てることが求められる。

効率と効果性

現代のビジネス環境では、時間管理が企業の成功にとって重要な要素となっている。タスクの優先順位を設定し、最も重要なタスクに時間を割くことで、効率と効果性を高めることができる。

これらの理由から、時間をコストとして捉える風潮が生まれ、現代のビジネス環境で一般的になっている。

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