写真詩「訃報」
それはいつでも唐突にもたらされる
代り映えのない日常を裂くように
平凡であることを見下していた
普通であることを嫌悪していた
個性的であることに憧れていた
そんな子供じみた私に
あなたは教えてくれた
平凡であることのしたたかさを
普通であることの強靭さを
個性とは無理に生み出すものではなく
自然と滲み出るものだと
紫陽花の季節に
あなたは逝ってしまった
あなたの遺影に寄り添うように
BEATLESが流れていた
あなたらしいお別れだった
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