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【量だからこそ質】



 試練の3番勝負。
 
 けテぶれシートふりかえり3000行。
 拍手回数165回。
 ほめほめカード3000枚。

 この3つの目標に向けて、ものすごい勢いで走り出している子どもたちです。

 ふりかえり行数は、1日平均350行。
 1人あたり14行書いている計算です。時間は限られた5分間。その中で、1日をふりかり言葉を紡いでいきます。
 5日終わって1000行を超えました。このままのペースでいくと達成も近いでしょう。

 拍手回数の1日平均は15回程度。
 これも14日間続けたとすると、目標には届いてきそうな勢いです。

 ほめほめカードは、なかなかの関門。
 1日平均100枚程度書いている子どもたち。でもこのままでは、14日で1400枚。
 少々の追い上げが必要でしょうか。

 そんな現状報告です。

 ここで考えたいのは、「目的と手段」「量と質」の2点です。

 まず、「なんのため」という目的を見失ってはいけないでしょう。数を追い求めるあまり、目的を見失っては話が変わってきます。
 
 目的はあくまで「かっこよく、その先をめざすクラス」という学級目標です。
 
 そのための目印が、目標となる3番勝負。

 かっこいいとは、ふさわしいことである。ふさわしいとは、4年生として。また、自分らsく。そして、このクラスらしくということ。このクラスらしさは、お互いを認め合い、自分を含めた誰1人見捨てないということ。

 つまり、いくらこの3番勝負を頑張ったところで、仲間の声に耳を傾けなかったり、否定したり、、、ということがあっては、3番勝負をやっている意味がそもそもないわけです。

 数を追い求めるだけではなく、しっかりと目的を見定める。

 自分も仲間も誰1人として見捨てず、それぞれらしさを認め合っていく。そこに向かうための「数」であるというわけです。

 ついつい「数」を追い求めると、そこばかりに注目が集まり、「じゃあそれ以外の行動や振る舞いはどうなの?」となってしまうことがあるので、再度確認したいところです。

 もう一つは「量と質」。
 
 「数」は、子どもたちの心に火をつけます。
 また、圧倒的な数字であればあるほど、漢字テストと同じように上限が外れるので、「1日にそこまで?」というような、ふりかえりの鬼、ほめほめカードの怪物のような仲間たちが続々と出てきます。

 (ここでの「鬼」「怪物」は「人並外れた、普通では考えられない」という意味です。)

 そういった仲間が続々と出てくるわけです。

 このように「数」を追い求めるときにこそ、注目したいのが「質」です。
 
 私は担任として、量を求めるときこそ質に目を向け、質を求めるときこそ量に目を向けるように心掛けています。

 例えば、拍手回数でいうと、どのように拍手が生まれたか。これがとっても大切。誰かが発表して形式的に拍手が生まれる。もちろんこれも素敵な拍手です。
 
 でも、拍手の中には、「みんな聞いて〜!!〇〇さんが、休み時間に音読チャレンジクリアしました〜!!」と、子どもたちから共有されるものもあれば、掲示物が完成したり、音読チャレンジをクリアしたりと達成を喜ぶ自然発生的な拍手もあるでしょう。また「給食の片付けが早くなるように、牛乳パックのゴミ袋の場所を出入り口から話すと、食缶を運びやすいと思うので、どうですか?」という提案に対して同意の意味を込めた拍手もあります。

 「認め合う」という目的を考えると、形式的なものよりも、子どもたちから生まれる共有や喜び表現、同意のような自然発生の拍手の方がより質が高いと言えるのでは?と考えます。
 
 そういった「質」の部分に私自身が目を向けることで、子どもたちの中にも「寮の中にも、質」を高めていく視点が生まれるのだと。

 
 「ほめほめカード」についても同じこどが言えます。
 
 ただ「今日ありがと」「どういたしまして」というやりとり。確かに言葉を届けることの価値はありますが、質が高いかというと、、、。といったところ。

 でも中には、こういったカードもあります。

 「いつも着替えが早いね!着替えのプロ!」
 「姿勢がいつもきれいですごいと思っているよ、姿勢のプロだね!」
 
 こういった、名前をつけた言葉をプレゼントする様子も。

 こういった相手にどんな言葉を届けるとより嬉しいかを考えた言葉に、私という教師の立場の人間が敏感になれるかどうか。
 これが「量から質」に変わる大きなポイントだと思います。

 つまり、3番勝負は子どもたちの目標でありますが、私自身が改めて教室の細部を見るこという覚悟を決めるきっかけともなっています。

 もちあがった2年目。もう十分素敵なクラスです。
 
 でもここで、もう一歩。さらに高みを目指し続ける私自身の姿勢そのものが子どもたちに伝わると。だから覚悟を決めるわけです。

 現状に満足した時点て成長は止まります。

 子どもたちをより伸ばしていきたいと思うのであれば、まずは一番身近な大人である担任がそういった在り方で生きるべきだと。
 
 「量」を求めるからこそ「質」に目を向ける。
 
 量と質が伴ったとき、目的にたどり着くのだと。

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