見出し画像

【仲間の成長を喜べる感覚】


 「40秒で支度しな!」が、思いのほか響いている。

 めちゃくちゃ準備のスピード、整列のスピード、集合のスピードが爆速になっている。

 「40秒」という頭に残りやすい数字がいいのだなと思うし、やっぱりジブリ作品の一場面ということも印象に残るのだなと思った。

 また、「準備にかけていい時間はどれくらいか、わかりますか?」

 「正解は、40秒です。」と言い切ったところも自分で勝手に面白い。

 きっと子どもたちは「正解があるの?」と思っただろうし、それで「ジブリや〜!」となったのだと思う。

 クラスでは、「40秒で整列しな〜!」「40秒で座りな〜!」とかも広まっている。

 「抑制脳」もそう。

 3年生の教室から、「抑制脳!!抑制脳!」と普通に聞こえてくるのが勝手にも面白い。

 
 それでいて、自分で気づいて修正した時に、「はい、抑制脳!」「道ができたね!」「ナイスブレーキ!」とキーワド化してフィードバックできることも、昨日語ってよかったなと思った。

 共通言語があるとこれだから良いのだなと。

 そんなこんなで、あっっったかいエピソード。

 国語で説明文を書いている。

 目的は「事例の分類、順序、選択に意図を持って説明文を書く」

 これが、ちゃんとみんなできているんだ。

 本当に土居先生の『三年生担任のための国語科指導法』に助けられている。本当にさまさまだ。

 僕自身がこの本のおかげで国語の授業が楽しくなったことが大きい。やっぱり授業者がワクワクしていると、子どもも国語の楽しさを発見してくれる。

 そんなわけで、事例の分類、順序、選択に意図をもって文を書いているのだが、

 それぞれのテーマも面白い。

 「すがたをかかえるたまご」

 「すがたをかえるとうもろこし」

 「すがたをかえる魚」

 いいとこつくな〜とテーマ設定で感心。

 たまごも、とうもろこしも、魚も見事にすがたを変える。

 分類にも意図があって、

 たまごなら、「ご飯系の例」として、オムライス、親子丼、目玉焼き。「デザート系の例」として、パンケーキ、クッキー、プリンなどと見事に仲間を分けている。

 魚の方も「そのまま食べる」ということで、焼き魚、煮魚、刺身など、逆に「別のものに変える」として、かまぼこ、ちくわ、つみれなどを例に挙げている。

 しっかりどのように分けたかがはっきりしている。

 また、別に「すがたをかえる〇〇」に絞っていないので、ねこ、犬、お菓子などの種類や特徴を紹介する仲間もいる。

 猫の説明を書いている子が「スコティッシュフォールド」「マンチカン」「アメリカンショートヘア」の順で説明していたので、「どうしてこの順なの?」と意図を問うと、「人気な順で読み進められうにようにしました!」と、合わせて「ちなみに数ある猫の種類で入れなかったものはどうしてハブいたの??」と聞くと、「身近で馴染みのない猫を紹介しても飼いたいという気持ちにはならないと思うのであ、あえて外しました!」と。

 まさにそれが「事例の選択!!」

 
 『すがたをかえる大豆』からの学びがしっかりつながっていることが嬉しかった。

 それもみんなこのように意図をもって、説明文を書いている。本当にみんななのだ。

 説明文を書くのは、3年生で2回目だが、ものすごく成長を感じる。

 それもまた嬉しかった。

 今までの説明文で一番質が高いものになってると思う。

 またテーマ選びで素敵なものを発見した。

 それは「3年1組のいいところ」をテーマにしたもの。

 「お〜!!まさかなんでも好きなものをテーマにしていいよと言って、クラスを出してくるか〜」と素直に驚いた。

 その子にとってクラスという空間が好きなものなのが嬉しかった。

 そして、「自分から動けるところ」「助け合うところ」と事例を仲間わけして、クラスのみんなに事例集めのインタビューをしていた。

 「ね、ね。クラスのいいとこってどこだと思う??」

 「そうだね〜、加湿器野水補充とかノート配りとかだれか何かしてるとサッと手をかし合うとこじゃない?」

 「そうだね、勉強でわかった人は進んで助けに回って、困った人も自分から教えてと言えるところじゃない?」

 など、聞かれたメンバーも即レスしてるのもすごい。

 それで、自分たちの良さを自分たちで認識しいているところがまたすごい。

 見ているだけで、聞いているだけで、心満たされる豊かな時間が流れていた。

 そんなところに、1人のメンバーが、「先生!!聞いて。〇〇くんめっちゃくちゃ成長したと思うんだよ。」と満面の笑みで報告にきた。

 「どうしてそう思ったの?」と聞くと、

 「だってね、自分から教えてって言いにくるようになったんだ!!」と。

 「お〜!!!!すごいな。きっとそれは、〇〇さん(報告してくれた子)が寄り添って、毎時間できるところを認めて安心感をプレゼントしていたからだよ。〇〇さんなら大丈夫だ。こんなにも支えてくれるなら、がんばってみようかなって思ったんだ。〇〇さんが成長を引き出したんだよ。最高のプレゼントをもらったね。」と力強く褒めた。

 確かにその成長を発見してもらった子に、報告してくれた子は、国語の時間ずっとついて、テーマの選択肢を作ってあげたり、事例の書き方を例を出して伝えたり、書けたら共に喜んでいた。

 支えてもらった子は、本当に書くのが苦手で、僕が伝えたも書かないことの方が多い。
 
 それなのに、作文めいた説明文を書いていた。

 びっしりと。

 嬉しそうに報告してくれた子は、絶妙にパスを出しながら、できたら励まし、認め、喜び続けたのだろう。

 テーマは給食の種類。

 
 ココア揚げパン、わかめご飯、、、、。

 ちゃんと「人気順」という意図をもって書かれていた。

 仲間の成長を心から喜べる。

 その笑顔がものすごく眩しかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?