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いざ出雲王国 Vo.2-揖屋神社と蛇の神様-

サンライズ出雲

東京から出雲大社へ向かう。
交通手段として今回選んだは、こちら。
夜行列車サンライズ出雲。

夜行バスは、最後尾の列でなければ後ろ座席にも気を遣うし、
窓際を選んでも隣に人が居たりして落ち着かないが、個人室のある夜行列車なら気楽だ。
しかし、夜行列車は初めてで緊張感があり、なかなか集中して寝付けなかった。(次の日は寝不足だった)
だが、とても快適で気楽だった。
ごろ寝しながら大きな窓から景色を見たり、なかなかできない経験ではあった。無人駅なら良いが、うっかりすると、人の気配がある駅を通過するので、気が緩んでいる姿を人前に公開する羽目になる。
その度に急いでブラインドを下ろしたりする感じになるのだ。
個室は都度パスワードをかけて出入りするようになっていた。


ちなみに私は、出雲市駅までの切符を買っていたのだが、
出雲大社に寄る前に揖屋神社(いやじんじゃ)に寄りたかったので、
途中の安来駅で下車した。
ホームに降り立つと、日立金属の工場がすぐそこに見える。
いかにも“たたら製鉄の国”に来たのだなという風情が感じられる。
もののけ姫の映像がチラッと脳裏を横切った。

揖屋神社

安来駅から二駅行くと、揖屋駅に着く。
揖屋駅には情報案内所があり、空いている時はどうやら
手荷物を預けることができるらしいのだが、
私が行った日には空いてはいなかった。
平日だったので、恐らく休日なんかは空いているのかもしれない。
無人駅なので、コインロッカーは無い。
お泊まり用の大荷物を抱えて歩くのは、割と体力を消費するので、
地味に体力ゲージが削られた。

揖屋神社へは駅から歩いて15分ほど。
道筋としては、情報案内所のある方に降りて、
駅前の道を行けばいいので、地図を見て行けば迷うことは無かった。

揖屋神社の門構え。風格があって既にテンションが上がってしまう。

あまり見たことがない。
亀のような?蛇のような?不思議な生物だ。

なぜ揖屋神社に来たかったかというと、
伊奘冉命(イザナミノミコト)が祀られており、
黄泉の国との入口とされる黄泉平坂がこの神社の近くにある。
黄泉の国と関連した神社言われたら、
神話好きとしては、行ってその空気を確かめてみたかった。

実際に行ってみると、黄泉の国のような
おどろおどろしい気配は感じられなかった。
落ち着いていて、静謐な雰囲気の中にも
どこかホッとするような空気が漂っていた。
出雲大社と同じ建築様式の社殿や、木肌からは、風雪に耐えた歴史の重みを感じる。

拝殿わきには階段がり、社殿をぐるりと回れるようになっていて、
本殿のすぐ近くまで行けるようになっている。
本殿の近くは神聖な空気の濃度がどこか濃い。
綺麗な空だ。

揖屋神社もとい、島根という神社の文化で
一際印象に残っているのがこの”藁蛇”だ。

別名、荒神様とも呼ばれている。藁を蛇に見立てて作り、
岩や木などに巻作られている蛇神だ。
揖屋神社では“チイナマイト”と表記されており、
その後由来などを調べたが、この言葉が何を意味して、どこを起源とする言葉なのかは私には分からなかった。
ずっとずっと遥か昔。古代の言葉。
その意味さえ今では解らず、伝わって残っている言葉なのかもしれない。

島根といえばヤマタノオロチの神話が有名で、大蛇とも縁がある地だ。
何か繋がりがあるのかもしれない。古代より蛇は神として信仰されている。日本において蛇は、稲作の際に稲を食べるスズメを食べてくれるので、
農耕の神様として祀られる側面を持つ。
しめ縄の原型も絡みあった蛇の形という説がある。
御神木に巻きつくしめ縄など、もしかしたら、
これがしめ縄の原型だったのかもしれないとも思う。
他県の神社ではこのようなものを見たことがなかったので、非常に興味深い。

平日だったが、神職様も居られて御朱印も頂けた。
揖屋神社は、「日本書紀」や「出雲国風土記」に名前が出てくる古社だ。
出雲大社とも社殿の造りが対比の構造となっている。
古代、何か重要な土地であったことは間違い無いだろう。
ここには、日本古代の風の匂いがどこか微かに残っている。
そんな感じがした。そうして揖屋神社を後にした。












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