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美少女サイボーグ。ゴミ箱に舞い降りた天使?

一話。ゴミ箱に舞い降りた天使?

テンカウントタウン。

そう、新宿とニューヨーク。もっとも青少年たちに
見せたくない部分を切り取り
貼り合わせたようなカオスな街。


売春・薬、酒、ギャンブル・・なんでもある。予算さえあれば
こんな楽しい街はない。

とにかく人が集まる。

深夜さえ歩く場所が無いほど人であふれかえる。


その分、違法な商売をする組織の抗争は激しく
毎日殺人事件が起きていたが、
ある支配者があらわれて
100以上あった闇の組織、売春ブローカー、売人たちは組合を作り
専門分野ごとに棲み分けをし、
エリアを分割して無用な争いをやめた。

しかも謎の支配者は市長や知事もまるめこみ

行政を操り
自分たちの商売が有利になる条例を制定させ、
多少の悪いことには目をつぶってもらえるようにもなった。

犯罪と欲望と腐敗。

この街はゴミ箱だ。


ボンッ!ドカ~~~~ン!!!!!

爆発だ。


ガス爆発か?テロか。凄い爆音が街の入り口付近の大通りに響く。


ジリリ・・・・・・・・!!!!!!


防犯ベルの音が響く。

通リにある銀行だ。

バン!!だだだだ。


銀行の出入口から黒ずくめの男性らしき人たちが5~6人。

すごい勢いで出てきて
銀行の前の道路、
15メートルくらい離れた道路わきに停めてあった真っ黒なワゴン車に乗り込む。


両手には大きな布製のトートバッグのようなものを持っている。

お金だ。

紙幣がぎっしり詰まってる。

こいつらは銀行強盗のようだ。


「待て!! 動くな泥棒め!!!手を上げろ!!!」

銀行の警備員と警官だ。

強盗に向かい銃をかまえる。

この街はヤバすぎて、銀行などの警備員は特別に銃を携帯している。

強盗たちは一応、紙幣の詰まった大きなバックを道路に置き手を上げる。

抵抗する気はないようだ。


「よーし。動くなよ・・・今応援呼んだからな・・警察がいっぱい来るぞ。
馬鹿なやつらだな・・はっはっは・・」

警官は勝ち誇った態度で銃を強盗たちに向けたまま笑った。


双方の距離は10メートル以上。

バタン!!カッカッ・・・


強盗たちのワゴン車の前に停めてあった

60年代のクラッシックタイプのベンツのオープンカーから

誰か降りて銀行に向かい歩き出す。

赤いロングブーツ 編み上げで太ももまである。

細く長い脚。大きな胸。モデルのようなボディライン。

短髪。

少し変わった装い。

ゴーグルだ。顔にVRゲームをするときにつけるような

ゴーグルだ。

しかもモニター画面が外側にある。小さなテレビのような
変わったゴーグル風な仮面をつかている。

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彼女は、太ももに巻いた革のベルトに
手りゅう弾に似た飾りをいくつか付けているが

その手りゅう弾らしきものをひとつ手で外すと
銀行の出入口付近めがけて思い切り投げた。

ひゅ~~~~~~~~~~~~~~~~んん・・・・・ドン!コロコロ・・・

手りゅう弾らしきものは放物線をえがき銀行の出入口に
警備員や警官たちの足元に落下した。

ボン!!!!ドカー~~~~~ン!!!!!ガシャン!

「ぐはっ!!!!」「ぎゃっ!!!」


爆発した。

これは、やはり手りゅう弾だった。


警官たちは吹き飛び、銀行の出入口の窓、ドアのガラスは粉々だ。

警備員のちぎれた腕。

血だらけの警官が倒れ、あたり一面にガラスのかけらが散乱してる。

「ふ。じゃましないでよ。私、忙しいの。」

手りゅう弾を投げた彼女は、この悲惨な光景を作りだしながら鼻で笑った。

「さ、撤収よ。」

彼女が右手を高く上げると強盗たちは
何事もなかったようにバッグをワゴン車に積み込み始めた。

ファンファンファ・・・・・・・・パトカーのサイレンが響き渡る。


ギギギ~~バン バン バン!!!

道路を封鎖するように10台以上のパトカーがワゴン車を取り囲み
警官たちが次々に降りてきて
銃を構えた。

「泥棒め!!おとなしくしろ!!!逃がさんぞ。全員逮捕だ!!」
お決まりの台詞。

警部か班長か少し偉そうな中年男性が大声で叫んだ。

カツン・・カツン・・

手りゅう弾を投げた彼女は、その警部らしき男性のほうに
歩いてくる。

「じゃましないで。私帰るの」

「はあ??ふざけるな!こんな事しといて、帰るだと~~逮捕だ逮捕!!!!」

警部か班長か少し偉そうな中年男性は顔を真っ赤にして
怒鳴った。

「私・・ボムガール。Drレディシャークの身内よ。」

彼女は落ち着ているが、ふてぶてしい態度で腰に手をあて
見下すような表情だ。

「あ・・ドクター・・・の。」
警部か班長か少し偉そうな中年男性の声は少し震えてる。


「道を開けろ。救急車呼んで、全員撤退だ~撤退!!!」

警部か班長か少し偉そうな中年男性の態度は急変。

周囲の警官たちがざわついたが
上司の命令である以上は従うしかない。

しびしぶパトカーに乗り込み封鎖体制を解き始めた。

「ほほほ・・ご苦労様です。ほほほ・・・・」
ボムガールと名乗る彼女は、笑いながら自分の車に乗ろうとする。

「そこまでだ!!!悪党たちめ!!!」

女性の声?
どちらかといえば若い少女の声が響きわたる。


警官たち、強盗たち、そしてボムガール。

さらに周囲にいた野次馬たち。

キョロキョロと周囲を見渡す。


声の主を探す。

銀行の反対側。
道路の向こうにある雑居ビルの屋上付近。

7階建てビルの一番上に誰かいる。

「・・・なんだ?あれ?」

ボムガールが見つめる。

ボムガールは、ゴーグルに付いているボリュームのつまみのようなものを
まわした。

どうやらズーム機能があるようだ。

屋上にいる何者かをズームする。


編みタイツ・・・レオタード風な衣装。

いや革のプロテクターのような防弾チョッキのような・・・

両サイドのポニーテール。

少女だ。

女の子だ。

顔にマスクをしている。ガスマスク風なマスク。


額に大きな触覚?

ローマ字の”V”にも見える。

マスクの口もとは、ベロが出てるような・・”Q”だローマ字のキュウ。

ベロみたいなデザインは”Q”の文字にも見える。


まるでアクション系の特撮変身ヒロインみたいだ。

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「・・・なんだ?あれ?」
警官たち、強盗たち、そしてボムガール。

さらに周囲にいた野次馬たち。全員が注目して同じ考えを共有してるだろう。


「え~~い」

ひゅ~~~~~~~~~~~~~~~~

飛び降りた。

特撮変身ヒロインみたいな少女は7階建てのビルの屋上から飛んだ!

スタン!!

普通に着地した。

ありえない。ごく普通に着地してる。

「・・・・・・・!!!!!!?????」

警官たち、強盗たちは、息を飲む。


ざわつきが消え、街から”音と声”が一瞬消えた。


特撮変身ヒロインみたいな少女は、しずかに立ち上がり
ボムガールに向かいあるいてくる。


ボムガールは身構えて、所持していた銃をかまえた。

スタスタッ・・・ブーツの足音。


「私は・・ビタミンクイーン。
悪党たちを更生させるために生まれ、この街に来た。」

「ビタミン??はああ?? 健康食品の宣伝か~??」
ボムガールはゴーグルをしてはいるが、あきらかに怪訝な表情だ。

「更生だと?バカか・・私は忙しい。てめえら! この娘を片付けてしましいな!!!」

ボムガールは、強盗たちに命令すると
くるりと背を向けて自分の車に乗り込んだ。



どかっ!!バキッ!!ドン!!!!!


「ぐわっつ」「ぎゃ」

どかっ!!バキッ!!

強盗たちが次々と殴られ蹴られぶっ飛ばせられ倒れる。

拳法か空手か、
ビタミンクイーンは強盗たちを
あっというまになぎ倒した。

「????」
ミラー越しにその光景を見ていたボムガールは
あわててエンジンをかける。


キュルキュル・・・エンジンがなかなか・・かからない。


ドン!!!!!


ビタミンクイーンが車のボンネットに乗った。


「!!なんだ??飛んできた???なんだなんだ・・おまえは~~」


バンバンバン!!!

ボムガールは銃を撃つ

フロントガラスは砕け散るが、ビタミンクイーンには何故か1発もあたらない。

ビタミンクイーンは落ち着いた態度で
左ももに巻いているショットシェルベルトから
やたら太い弾丸らしきものを抜き取る。


注射器だ。図太い弾丸風な注射器だ。


その弾丸風な注射器を
かなり特殊な真っ赤な銃に装填した。

図太い弾丸が1発だけセットできる大砲か迫撃砲のミニチュアの
ような変わったデザインの銃だ。


その銃口をボムガールの眉間に向けた。

「悪者め!!! 反省・更生しなさい!!脳天にお注射ぶち込んであげる!!!」

バキュ~~ンンン!!!


「ごわあああ!!!」

注射器は、強盗のひとりのおでこに突き刺さった。


強盗が身を挺してボムガールを守ったのだ。


「ぐぐぐぐぐ・・うううううう」
強盗は苦しむ。もだえ始めた。

ボムガールは慌てて
おでこに刺さった注射器を抜く。


「・・・なんだ?これなんだよ~~何したんだ???」


ボムガールは、強盗が持っていた銃を手に取る。

「ビタミン・・XYZ。タイプ3番。間もなく真人間に更生するわ。
さあ・・警察に自首して・・」

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ビタミンクイーンは次の弾丸を装填しながら呟く。


「ああああ・・はい~~自首しなきゃ~~はいはい。」

強盗はよだれを垂らし恍惚の表情で
ふらふらと車を降りて警官たちのほうに歩いていく。


「捕まえてくださ~い。ぼく。悪い子で~す。反省してま~す。へへへへ」

あからさまにおかしい。
薬物中毒のような症状だ。

「悪党たち。殺しはしない。反省しなさい!!お注射タイムよっ!!!!」

ビタミンクイーンは銃口をボムガールにむける。


バンバンバン!!!

ボムガールは銃を乱射。

ビタミンクイーンは、それをかわして一瞬ボンネットから道路へ飛び降りた。


キュルキュルブオンブオン!!! ギャギャギャ!!グオ~~~~~

ボムガールはエンジンをかけ、車を急発進させて
その場から逃れた。

ブロロロ~~~~~~!!!

すごいスピードで信号無視。一目散に逃げた。

ビタミンクイーンは銃口を向けたが、

さすがに諦めたようだ。

その場に仁王立ちしている。

「君・・何者だ?ちょっと話を・・・」
警部か班長か少し偉そうな中年男性が
おそるおそるビタミンクイーンに近づいてきた。

ブーンブーン・・・


空から機械音。

周囲の人たちは空を見あげる・・・。


ドローンだ。

直径が2メートルくらいある大型のドローンが降下してくる。

スタン!! ばっ。

地上2~3メールくらいの位置までドローンが降下してくると
ビタミンクイーンは
ジャンプしてドローンに手でつかまった。


そのまま浮上。上昇。


ブーンブーン・・・ドローンはビタミンクイーンと共に上空に。


警官たちや野次馬たちは空を見上げてざわつく。

「この街は・・わたしが浄化する!!悪いやつらは許さない!
わたしは・・ビタミンクイーン!!!」


ブーンブーン・・・ドローンはビタミンクイーンと共に雲の中に消えた。

ブロロロ~~~~~~!!!

街中をすごいスピードで走るボムガールの車。


ギギキキイ~~~~~~~~~~ガン。

対向車と接触。車は反動でスピンしながらガードレールに衝突した。

ボムガールは無事だ。

車もフロントの先端がへこんだ程度だ。


衝突した相手の車もその場に止まり
中から男性が降りてきた。


「てめえええ。どこ見て運転してんだ~~?」


バン!!!


大声で怒鳴った男性の眉間に穴が開く。

眉間から血を吹き出して男性はあおむけに倒れた。


ボムガールが男性を撃ち殺した。

「うるさいよ!!わたしは忙しいんだよ。」

ボムガールは、自分の車から降りてきた
死んでる男性を踏みつけて、その男性が乗ってた車に乗り込み
その場を去った。


「ビタミンクイーンだと~~・・ふざけやがって・・この借りは返すぞ。ぜったい・・」


ブロロロ~~~~~~!!!

2話・アイドルはサイボーグになった。誕生。

・・・(無料掲載)に続く。

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