6/15 伸び縮みする時間
小さな盆栽に水をあげる。苔の上の細い黒松。茶色い葉があって心配していたけど、針葉樹は一年を通して生え変わるらしい。最近新しく芽吹こうしている新葉が見えるようになってきた。枯れゆこうとする葉と芽吹く葉が一つの木に宿るのも、また魅力を感じる。流れ、明暗、エネルギー、脈動。
立川までレンタルサイクルに乗っていく。いつも歩いている道が短いと錯覚する。むしろ歩くと長いということが信じられなくなる。立川に着き、自転車をとめる。少しぼやっとする感じがする。暑さにやられているのだろうか。昨日も暑かったが、今日も暑い。
今日は受け取るだけと決めていても、やはりなんだかんだ棚を見てしまう。ディスクユニオンに行くと大体そうだ。新着の中古レコードがまとめて出ていた。Brian Eno関連が目立つ。Jon Hasselとのコラボもあるけど国内盤だった。先月CDで買ったので、どうせならオリジナル盤が欲しいが、高いだろうか。This Heatの1stのオリジナル盤があって、これは買うか迷ったけど、今日は置いていくことにした。2ndだったら買っていたかもしれない。注文していたレコードを受け取ってユニオンを後にする。帰りは電車に乗って谷保に戻る。
谷保に戻って真っ直ぐ小鳥書房に行けば、偶然小鳥書房と関わりの深い写真家の方とDJの方がいた。その写真家の方とDJの方も事前にお互い来ることを知らずに偶然会ったようだ。偶然に偶然が重なる、このまちの好きなところ。
このあとは小鳥書房店主の落合さんが久しぶりにお店に来る。写真家の方はそろそろ帰らないと行けないらしく、落合さんに会えないことを悔やんでいた。「もしかしたら駅に向かう途中で偶然会えるかもしれないですよ」と言ったら、小鳥書房を出たところで本当に遭遇していた。
久しぶりの落合さんも元気とのことでよかった。落合さんとは二ヶ月ぶりぐらい。落合さんと、それに落合さんがいる小鳥書房は懐かしい感じがしつつも、いつもの小鳥書房という感じもする。懐かしさと当たり前、日常が混ざり合っていて、不思議な気持ちになる。ふと落合さんの顔を見ても、やはり懐かしいなと感じることもあれば、懐かしさはどこかに消えて日常のように感じることもあったり、でもまた懐かしい気持ちになったり、なんだか時間が伸び縮みしているように思った。
そのあと、小鳥書房に集ういつもの人たちも集まってきて、懐かしく当たり前の少し賑やかな小鳥書房になっていた。