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#41.医療費助成制度

国の医療費助成制度として「指定難病患者への医療費助成制度」を知っているだろうか。

似たような制度で「高額療養費」がある。高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度

また医療費が高額になることが事前にわかっている場合、「限度額適用認定証」を提示すれば予め決まった限度額にて医療費を支払うため便利と思う。

参考として高額療養費制度における自己負担限度額を下記に掲載しておく(患者が70歳未満の方の区分の場合)。

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話は戻るが、上記とは別に「指定難病患者への医療費助成」制度がある。まず「難病」には次の4項目の定義がある模様。

・発病の機構が明らかでない(原因不明)
・治療方法が確立していない
・希少な疾病
・その病気によって、長い間療養を必要とすることとなるもの

このうち、さらに2項目で選定されて、指定難病となる。

・患者数が日本国内で一定の人数(人口の0.1%)に達しないこと
・客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること

また「難病法」という法律があり、これは「難病の患者に対する医療等に関する法律」(平成26年法律第50号)に基づき指定される指定難病について、治療方法の確立等に資するため、難病患者データの収集を効率的に行い治療研究を推進することに加え、効果的な治療方法が確立されるまでの間、長期の療養による医療費の経済的な負担が大きい患者を支援する制度。

「難病法」により医療費助成の対象となるのは、原則として「指定難病」と診断され、「重症度分類等」に照らして病状の程度が一定程度以上の場合。確立された対象疾病の診断基準とそれぞれの疾病の特性に応じた重症度分類等が、個々の疾病ごとに設定されている。

難病医療費助成制度の対象疾病「指定難病」は 2019年7月から333疾病に拡大しており、個人的には今後も拡大していくと考えている。

妻の場合は「松果体部膠芽腫」という診断であるが、実はこの病気も「難病」という検討もしているようだ。

現状の「指定難病」リストには入ってないが、他の「発病の機構が明らかでないこと(原因不明)について要件を満たすことが明らかでない疾病」というリストに入っている。

回りくどい書き方だが、つまり現状は明確ではないが、恐らく原因がある為に病気になっている為に、指定難病の定義「発病の機構が明らかでない(原因が不明であること)」に当てはまらない、ということだ。

同じリストには悪性黒色腫松果体種神経芽腫退形成性星細胞腫びまん性星細胞腫など脳腫瘍に係る病気も多い。

参考で上記リストを掲載する。

個人的には「これらの病気は原因不明だろっ!」とは思っているので、早く難病指定してもらいたいと思う。

難病と指定され医療費助成となると自己負担額は以下のようになる。

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高額療養費制度における自己負担限度額は区分オで多数該当の場合では24,600円であるが、難病指定を受けた場合は自己負担額は最高でも20,000円となり、医療費にかなりの差がある。

そもそも長期的な治療を要するものであると思うので、「難病」に指定されるか、されないかで助成金にかなりの差がある。

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最後に小児であるケースであれば別に、児童福祉法の中に「小児慢性特定疾病医療費助成」の制度がある。その対象疾病は「児童等が当該疾病にかかって いることにより、長期にわたり療養を必要とし、及びその生命に危険が及ぶおそれがあるものであって、療養のために多額の費用を要するもの」とされている。

令和元年7月時点で762疾病が認定されているようだ。

ただ気になったのが悪性新生物(いわゆる「がん」)が特定疾病には入っているものの、指定難病として該当されていない点。

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悪性新生物が指定難病に入っていない理由が、指定難病の定義である

・患者数が日本国内で一定の人数(人口の0.1%)に達しないこと
・客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること

において、患者数が多いことが要因なんだろうか。。。

小児慢性特定疾病として特定疾病難治性小児がん「小児脳幹部グリオーマ(DIPG)」がある。この病気はまさに「当該疾病にかかっていることにより、長期にわたり療養を必要とし、及びその生命に危険が及ぶおそれがあるものであって、療養のために多額の費用を要するもの」だと思う。

現状、国の社会保障費は増加傾向にあることで、指定難病定義にある「患者数が日本国内で一定の人数(人口の0.1%)に達しないこと」、つまり少人数でしか指定難病とできず助成できないといったことは少しは理解できる。

ただその一方で個人的には患者数が多いからこそ、事例が多いということなので、しっかりとした助成金制度を作って欲しいと思っている。

というか助成金もそうだが、同時に研究開発に資金を投下して頂き、小児脳幹部グリオーマ(DIPG)を治すようにしてくれるのがベストだが。。。

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最終的には妻の松果体部膠芽腫は、「指定難病患者への医療費助成制度」には該当しなかったが、こういった助成金制度を知る知らないで今後の大きな費用の差になるので、知っておくべきだと思う。

記事を通じて、少しでも誰かのお役に立てればと思っています。