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#30.REIC(レイク)

正月少しの間、実家へ帰省していたが、昨日から自宅へ戻ってきました。

妻や子どもが心配だったが、無事に過ごせていた様なのでホッと安心。

6日(月)から仕事の方も多いと思います(私も同様ですが…)。
いよいよ今年が始まる感じがしますね。

帰省中の少しの間、休みは取れましたが、ちょっとした隙間時間に治療法など情報収集を行っていました。やっぱり頭は常に「治療法を探す」になっていますね・・・

年末に岡山大学病院の治験情報について書いたが、今日はその内容について書きたいと思います。

2000年に岡山大学で発見されたがん抑制遺伝子「REIC(レイク)」。岡山大学脳神経外科は2019年6月に悪性度の高い脳腫瘍である「神経膠腫(グリオーマ)」に対して、REICを用いた製剤を投与する治験をスタート

「REIC」とは「Reduced Expression in Immortalized Cells」の略称。
またヒトの正常細胞では通常、REIC遺伝子は発現している状態にあるとのことだが、がん細胞はREIC遺伝子の発現低下が認められるとのこと。

REIC遺伝子を用いた製剤をがん細胞に投与すると、がん細胞のみアポトーシスを誘導。また免疫を活性化し、がんを攻撃する力を高めることも分かっている。

今回、岡山大学脳神経外科は悪性度の高い脳腫瘍「グリオーマ」の患者を対象にした遺伝子治療を実施。製剤の安全性や有効性を調べる。

REIC遺伝子は正常な細胞には影響せず、REIC遺伝子をうまく作れなくなっているがん細胞だけに選択的に作用する。前立腺がんや肝細胞がんでの臨床研究では、大きな副作用は報告されていない。


−これからのスケジュールとしては−

安全性をしっかりと検証し、2021年から2年ほどかけて、有効性を検証していく計画動物実験では大きな成果が得られており、REIC遺伝子への期待の高まりを感じている。将来的には創薬につなげたい。

上記のネット記事にあるように、治験については実際に2019年6月から岡山大学でスタートしているよう

2019年11月時点の情報では初発の膠芽腫は治験に参加できないようだが、再発悪性神経膠腫はエントリー可能なようだ(以下サイトに記載)。

この治験含めた治療法は2019年に新たにスタートすることだけあって、前回noteで書いた「ONC201」と比較しても情報があきらかに少ない(というより情報が似たり寄ったり)。


理論的には「がん細胞をアポトーシスに導くもの」として問題ないと思うし、動物実験では大きな成果があるかもしれない。

ただ果たしてヒトではどうなのか…と疑問は残るし、あくまでこれから奏効率などを検証していくものだろう。

前回も書いたが、治験に対して過度な期待は禁物…といいたいところ、

但しこれは私の考えだが、皆さんが待ち望んでいる「G 47δウイルス療法」も当初はどれほど奏効するか分からない治療法だったと思うし、新たな研究や治験を絶え間なく続けていってもらうことが、将来において悪性神経膠腫を克服することに繋がると思う。

近年では「遺伝子治療」というワードをよく聞くようになった。今後はそういった遺伝子が治療のキーになってくるのかなぁと感じた。

脳腫瘍で初発や再発時に生検を行った方や、開頭により腫瘍摘出を行った方は自分の腫瘍を病院で遺伝子検査をしてもらった方がいいかもしれない(病院に摘出した腫瘍は保管されていると思うので)。

最近では全国の中核病院で「がんゲノム医療」も保険診療可能なので、がんゲノム医療を受診し、遺伝子解析をお願いしてみるのもアリかもしれない。

年明けには「REIC」の情報がもう少し聞けると思うので、引続きこの治療法についても調べて行こう。


記事を通じて、少しでも誰かのお役に立てればと思っています。