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映画『ジョーカー』についての雑談

日々ネタバレの境界線で悩みつつ、この作品は異様にネタバレに遭う率高かったから、休みの朝一にソッコーで観に行った。
そこまでしても、前夜にTwitter開けたらへーきのへーざで内容についてベラベラ喋っている人がいたのである意味凄い。笑うしかないし、そっとTwitter閉じました(笑)。

ネタバレと前評判

ネタバレと前評判は違う。そらね。
前評判、出てましたねー色々と。ヴェネツィアで受賞もしたから。
映画を心ゆくまで楽しむなら、入ってくるのはホント前評判ちょびっと程度でよいものね。

前評判で面白かったのが、アメリカ発の「映画に影響された人が暴力に走らないか?」みたいなやつ。
「いるんかそんなヤツ?」と思ったけど、アメリカは行ったことないから分からんし、まぁそんな危惧のいる社会なんでしょうか?
しかし映画に影響されて商店のガラス割ったりコンビニ強盗したりするなら、遅かれ早かれこの映画観てなくてもやるだろうし、つまり社会が悪いと思いましたが。

日本で見かけたのは圧倒的に「後味が悪い」っていう類の口コミ。
嫌な気分になるってこと?
これは自分が観てみないと判断できないなー。結局は主観のど真ん中をいってるだけだから、「そう?」って流せばいいような。

私は数ヶ月前に劇場に置いてあったチラシを観て、
「これ!何コレ!絶対観る!!!」って一瞬で決めてました。
それくらい“くる”ビジュアルだった。
一目惚れかもしれない。

その後しばらく経ってからです。
「あれ?ジョーカーって……あのジョーカー?」って気付いたの。

実はバットマンシリーズほとんど観たことない。自分のジャンルと思ってないんだもの。
マーベルとDC系も区別ついてないし。スミマセン。

といっても、これだけ映画観まくってるとそこはかとなく話は入ってくるけどね。チラシ・予告・映画記事なんかで。
ちょっと前の映画バットマンシリーズは、たまにTVのゴールデン帯でやってたし。
余談だけど、映画を地上波でやるのって減りましたねー。

あとはアメリカでTVシリーズに向かったのは、CSでちょっと観てたりする。ブルースの少年期のやつ。
一時期海外ドラマ観まくってた頃があって。

つまりバットマンは私の中では“立っていない”ので、ジョーカーが誰なのか思い出すのにそこそこ時間がかかりました。
最終的に、『スーサイド・スクワッド』は劇場で観てたので、
「あ、彼氏か!」って気付いたのでした。遅。

そう、ハーレイ・クイン大好き。あの映画も予告とポスター程度の情報で観に行って惚れた。
「彼女があんなに好きなら、なんか気になるヤツに違いない」って目線で今作を観に行った。
普通にバットマンシリーズ好きな人はどういう目線で観に行ってるんだろ? 機会があれば聞いてみたいなー。

悪役のちょっと端っこの方からこのシリーズに入るのは、意外と面白いかもしれない。
ただ勧善懲悪な映画におそらく面白みを感じないので、本編のバットマンシリーズ追いかけることはないかなぁ…?

本編を観て

序盤、ちょっと寝そうでした。

朝イチ9:00上映って、自分でも無茶したなーってすぐ後悔した。
しかもしっかりビール買ってしまったし。ええ、ただの呑兵衛です。スミマセン。
映画館でビール飲まないとかありえない。せっかく生置いてくれてるのに、失礼だろビールに。
おかげで覚めきらない頭にアルコールぶっ込んでしまって、睡眠導入ギリギリでした…
けど、もう朝イチ上映でビールなんてしないなんて言わないよ絶対。

前半、意外と淡々としんどいんだよね。
え?このまま行くの?と思ったけど、行くわけなかった。

ジワジワ上げていく。積み重ねる感が素晴らしかった。
ヴェネツィアなんかで評価高かったのは、ストーリーもだけどこの辺りの展開の上手さかもと感じました。
それぐらい“いつの間にか芯に持っていく”のね。最初マジ寝そうだったのに。

後半からどんどん自分がスクリーンにのめり込んでいくの感じて、結局エンディングでダラ泣きでした。

以前からよく言ってるのだけど、エンドロールであとからあとから泣けてくる映画って私の中では『名作』なのです。
伝わりやすいのだと『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいなの。
今回久々にそうなった。エンドロールがあっという間だった。

観終わってから、
「この映画観てから暴力的になる人いるんかなぁ〜?」って感じたよ。ちゃんと映画観た人が記事書いてるのか疑問です。
人の痛みが分かる人しか、この映画には共感できないのでは??
もっと浅いところで感化される人もいるんだろうか……?
客観視できないのに、悲しくはならない、けど泣く。不思議な共感でした。

つまり、私は後味悪くなかったです。
ただ、劇場出る時に極力他のお客さんの表情見るようにしてるんですが、私みたいにダラ泣きしてた人いなくてビックリ。
「え…??」ってなった。
そう、どっちかというと後味悪そうな表情の人のが多くって。
もったいない……入り込めなかったのかーー…。

この映画は、劇場でもう一度観たいと思いました。
趣味に走りまくって複数回観るというのは、最近『名探偵ピカチュウ』と『おっさんずラブ』でやったのですが、作品をもう一度じっくり観たいから、という理由では稀有な映画です。
マジ観たい。時間あったら必ず行きます。
また違う印象や考えになるような気もする。

とてもとても良い映画でした。
なかなか人には勧めにくいけど。

役者さんと監督について

チラシ初見でホアキン・フェニックスが主演というのは分かってたけど、私の知ってるホアキン・フェニックスは『グラディエーター』に出てたムチムチした若造のイメージしかなかったので、だ〜いぶたじろぎました。
え?ホアキン…??って。
今、土下座で謝りたいです。彼なしではこの映画はありえない。
最近役者さんの演技自体に注目するようになったのですが、観点そこにもってくと戦慄です。どうやったらこんな風に演じられるの?
あと、同業者が見たらどう思うのか?とかすんごい知りたい。

なお、あのリバー・フェニックスの弟さんだとついさっき知って、JOKERがあの悪役のジョーカーって気付いたときよりよっぽど顎が外れそうなくらい驚きました。

監督のトッド・フィリップスはホアキンどころでなくもっと知らなかった。過去作調べても分からなかったです。
凄い手腕ですね。
今回本も書かれているし。
今後どんな作品作られるのか、かなり楽しみです。

あと、翻訳はアンゼたかしさんでした。この方は間違いない。
最近の字幕では1番しっくりくる翻訳家さんで好きです。

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