マガジンのカバー画像

ショートショートのはじまりはじまり 作:ジコマンキング

135
SUZURIクリエイター•ジコマンキングが送る短編小説集。愛が、夢が、恐怖が、笑いが、感動が全てそこにある。さぁ、ちょっとだけ冒険しよう。(気に入って頂けましたら100円からの投…
運営しているクリエイター

#掌編小説

ピザゾンビ

それは、偶然の重なりが引き起こした事件。雨の夜、とある墓場からゾンビが湧き出ようとしたそ…

汚れたダウンタウン

目を輝かせてこの街にやってきた。 やたら多い建物と車だけで満足できる興奮と、いるだけでス…

レモン調査員

海が向こうに見える市場の果物屋。平凡な毎日を送りながらお店を手伝う私の前に現れたのは、防…

ジコマンキングの小説詰め合わせ。2

⚠️今回はジコマンキングが「1話分としては短すぎるだろー。」という超短い小説の詰め合わせ…

1人のメリークリスマス

1人に慣れたのは大体2年前。 友と家族から離れ、がむしゃらに進んできた。 それが自分にとっ…

空忘れ

下向きに歩きはじめたのはいつだろうか。 帰り道、アスファルトのひび割れを覚えるたびに空の…

ASOBIGOKORO

かったるい日が続くと夢をみる。 豪勢なディナーに美女、ついでにやたらでかい犬。 だけど考えるだけ無駄だ。 忙しく文句飛び交うオフィスで飲むコーヒーだけが救いだった。 隣の芝生は青いっていうけれど、意外と色鮮やかな気がする。 赤もオレンジも緑も全部あって、毎日輝いて見えてしまう。 そして卑屈になりながら、事実上10分の昼休みを過ごす。 いつからこうなってしまったんだろう。 あと少しもう一歩の連続が、自分を強くしてくれはしなかった。 だからたまには思い出そう、あ

偽物オーロラ

みんなに下手くそと言われた。 「本物のオーロラはそんなんじゃない。」と。 お前らだってス…

不完全情熱

誰かに褒められるたびに、嬉しくてまた頑張ってしまう。 その繰り返しの中で僕を好きになって…

紙袋のゴブリン

皆さんは紙袋のゴブリンがどのような生き物か知っていますか?その名の通り、紙袋をいつも頭に…

船出

暗い海を渡るのは誰しもが恐い。 震えながら舵をとることを誰も褒めやしない。 ならずっとこ…

飛ばなかった愛

誰よりも大きく膨らませられる自信があった。 自信の通り、大きな愛を持つことが出来た。 後…

島の女神

ある島に女神がいる。力はあるものの、その恵みを与える人間が来ないため暇を持て余していた。…

スコーンタイム

彼女が作るスコーンがご馳走だった。 慌てん坊だからいつも焼きたてをそのまま持ってきてくれるけど、僕は読書をしながら冷めるのを待つ。 やっと食べられる熱さになった頃、「忘れてた!」と彼女は台所からハチミツを慌てて探しに行く。 彼女がハチミツをスコーンと一緒に持って来てくれた事はない。 結局ハチミツを持って来る前に僕は自分の分のスコーンを食べてしまうのさ。 僕が彼女にする唯一の意地悪だった。 だけど彼女は「次こそちゃんと持って来るんだから!」と愛くるしい笑顔を見せる。