繭の天使 〜イラスト:蒼(あお)×小説:ジコマンキング〜
とある無謀な冒険家はこんなことをほざいた。ある大陸の黒い木々が生い茂る森の中に天使がいたと。あくまでその冒険家がそう形容しただけで、深く話を聞くと天使と呼べるのかはわからない。黒い木々に糸を張り巡らせ、その糸が幾つも折り重なって人型の繭を形成しているのだという。頭部には輪のようなものが付いており、顔はただ闇に覆われている。たったそれだけの理由で天使と名付けられたそれは、全くの無害であるが近づくと視線を感じたという。その無謀な冒険家の息子は父の冒険譚を全て信じていたが「繭の天使