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思いを文字にしたくて始めました。好きな作家は茨木のり子さん、長田弘さん。リスペクト!い…

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思いを文字にしたくて始めました。好きな作家は茨木のり子さん、長田弘さん。リスペクト!いろんな詩作品を読みたいです。

最近の記事

詩「逃げる」

荒れ狂う嵐だとか、恐怖や不安から、 逃げたいと。 逃げた先に何があるのかわからないけど。 襲ってくるそれらから、逃げ、走る。 逃げた先に、 安穏とした晴れ空があるとして、 もしくは温かい場所があるとして、 そして優しい人が迎えてくれるとして。 逃げたという事実から、あなたは逃れられないれないのである。 逃げた、という事実は、未来永劫ずっとそこに立っている。 目線を合わせないまま、虚空を見つめたまま。 逃げなかった自分は、どこに行ったのだろう。 逃げた自分と、目を合わせ

    • 詩「忘れたくないだけ」

      窓の外に流れる雲の色がきれいだったとか、 朝起きたら鳥の声が聞こえただとか、 大きな声でハキハキ話す人がいただとか、 朝ごはんを作っていた姿がそこにあっただとか、 そんなことを、ただ忘れたくないだけ。 にんげんの脳なんて、神秘的ですぐ忘れるものだから。 にんげんの体なんて、頑丈ですぐ朽ちるものだから。 にんげんなんて、みんなみんな、すぐ居なくなってしまうものだから。 ただ忘れたくないだけ。 忘れないための一つの手段として、文字があるだけで。 文字もいつか忘れられて居なくな

      • 詩「朝の料理人」

        「朝の料理人」 心地よい眠りからの急浮上。 “親切”なノックに急かされて ベッドから零れ落ちたその先に、 小さな青いカップと銀スプーン。 カップを覗いたその瞬間、 私は朝の料理人。 ブルー アンド ホワイト。 プレーンな酸味で仕込みは上々。 フルーツ シリアル シナモン   ナッツ シロップ ハチミツ。 配合率は天のひらめき。 銀のスプーンがきらりと光り、 私は朝の料理人。 料理人の天才的な配合に、 舌の上はどんちゃん騒ぎ。 ミルクの香りが恋しくて、 名残惜しげにカッ

      詩「逃げる」