詩「逃げる」

荒れ狂う嵐だとか、恐怖や不安から、
逃げたいと。
逃げた先に何があるのかわからないけど。
襲ってくるそれらから、逃げ、走る。

逃げた先に、
安穏とした晴れ空があるとして、
もしくは温かい場所があるとして、
そして優しい人が迎えてくれるとして。

逃げたという事実から、あなたは逃れられないれないのである。

逃げた、という事実は、未来永劫ずっとそこに立っている。
目線を合わせないまま、虚空を見つめたまま。

逃げなかった自分は、どこに行ったのだろう。
逃げた自分と、目を合わせることができないまま、一人で、いったいどこへ。


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