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夏が来る前に、幽霊について考える

 あなたは幽霊を見たことがありますか?私は見たことがありません。私は科学に通ずるものですが、非科学の代表である幽霊については少しだけ信じています。どっかにいるんだろうなーくらいのスタンスですが。きっかけをくれたのは、嘘のつけない友人Aでした。

幽霊が見える人の話

 Aがいわゆる見える人でした。ある晩、自転車で一緒に走っていた時の話です。

A「今、そこの工事現場に男の人が立ってたよ」
私「えっ?工事関係者の人?こんな夜中に?」
A「違うよ、現世の人じゃないよ」
私「また見えたん?」
A「うん、背中がゾクッてなったから気づいた」
私「怖くない?」
A「もう慣れた」

 幽霊と出会う直前に背筋がゾクッとしたり、寒気がしたり、何かしらサインがあるみたいです。

私「どういう風に見えるの?」
A「人間にスクリーンがかかった感じ、ちょっと透けてるような・・・」
私「浮いてるの?」
A「いや、浮いてはないかな。足も一応ある」
私「普通の人とは違うってわかる?」
A「そりゃあ、わかるよ。見た目がぼやっとしてるからね」

 ぼんやりしているけど、確かにそこにいる。そういう感覚なんだそうです。私には何も見えませんし、気配を感じることもできませんでした。

私「家の中にいたら、ちょっと怖いかも・・・」
A「君は大丈夫」
私「なんで?」
A「君はそういう家を選ばないから」
私「どういうこと?」
A「そういう家を選ぶ人って決まっているんだよ」
私「???」
A「陰と陽で例えると、君は陽の人、太陽。幽霊が好むのは陰の人」
私「幽霊が近寄りにくいタイプってことか」
A「そうそう、幽霊は入り込む隙がある人を好むんだよね」
私「じゃあ、Aは好まれてるってこと?」
A「うーん、アピールはされてるかも」
私「Aの家にはいるの?」
A「姿や形を見たことはないかな」
私「じゃあ、いないってこと?」
A「寝てると、たまーにパチンパチンってラップ音がするくらいかな」
私「何かいるやんw」

 一見作り話のようですが、実話です。Aは嘘がつけない人間だったので、私はAの言葉を今でも信じています。私には見えませんが、見える人もいるんだなと、この出来事がきっかけで思うようになりました。

私の見え方とあなたの見え方

 私たち人間は視野を共有することができません。そのため、この世界がお互いに同じに見えているかどうかはわかりません。私に見えているものがあなたには見えてないかもしれません。それぞれ異なる視細胞をもっていいますし、この世界の切り取り方はたくさんあると思います。視界に入っているのに、認識できていないって経験あるのではないでしょうか。

(見え方については、「科学の視点で散歩 -色について考える-」の後半で少し触れてますので、お時間に余裕のある人はのぞいてみてください。)


 ちょっとニュアンスが異なりますが、麻薬や覚せい剤を経験すると、幻覚や幻聴が聴こえるっていいますよね。幻とはいいますが、その人の中ではリアルの出来事ですよね。感覚が研ぎ澄まされて、普段見えないものや聴こえないものが聴こえるようになる。特定の人にしか感じることができない世界があるのではと考えさせられます。科学者らしからぬ発言ですが、その辺りの人間の仕組みについては門外漢なのでお許しを。

いろいろな幽霊

 友人Aがきっかけで少しばかり幽霊に興味を持ち始めた頃、英語の授業で「今、興味をもっていること」というテーマでスピーチをする時間がありました。私は他に取り上げることもありませんでしたので、幽霊についてスピーチをすることにしました。

 日本の幽霊にも人魂などいろいろな種類がありますが、メジャーなものの一つはリングに出てくる貞子ではないでしょうか?いわゆる「白装束の長い髪の女性」です。一方で、海外の幽霊は日本とは異なり、ゾンビやポルターガイストを指すことが多いみたいです。このように、日本と海外では、幽霊のイメージが異なります。そして、日本で外人の幽霊ってあんまり聞かないですよね。その逆もしかりだと思いますが。幽霊がその地域の文化や風土を反映しているので、見る人の主観がかなり影響していると考えられます。
 といった内容のスピーチでした。テーマが特殊だったこともあり、ウケてましたね。

 これから先、テクノロジーの進化により互いの見え方が共有できれば、幽霊の存在を認識することができるかもしれませんね。

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