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続・まんが道

今日は藤子不二雄Ⓐ先生の命日だ。
Ⓐ先生のまんがの中でぼくが一番好きなのは、小学生のころに読んだ「まんが道」である。
何にでも影響されやすいぼくは、このまんがを読んで「いつかぼくもまんが家になりたい!」とユメみたのを今でもよく覚えている。
あれから約25年がたち、ようやくはじめてのマンガを描くことができた。ひとつのユメが叶うのには、だいたいそれくらいの年月がかかるものである。
偶然か必然かわからないが、「まんが道」に描かれたように、ぼくたちも二人で一緒にまんがを作った。
一人でもユメは描けるけど、二人で叶えるユメの味が格別であることをぼくはよく知っている。

命日だし先生のまんがを読もうかと思い、書棚にあった「愛…しりそめし頃に…」の①巻を手に取り読み始める。夢中になって読んでいると、あの頃の想いがつぎつぎと蘇ってきた。
ちょっとお茶でも飲もうかと、読んでいる途中のまんがを机に置こうとしたときに表紙のカバーが外れた。本の表には先生が使っていたであろうスケッチブックのコピー、裏には初めて見る先生の詞が書かれていた。

「一本の線」
真っ白な紙に
ひかれた
一本の線が
地平線となり
天と地をわける。
そこから世界が生まれ
物語がはじまる。

一本の線をひいた私は
この世の造物主、
物語の創造主となる…
私は神になったのだ

藤子不二雄Ⓐ   詞

読んでいると背中がゾッとし、Ⓐ先生たちに見守られているような感覚になった。まんがを描き始めて一か月のぼくらに送るメッセージとしては、なんだか話が出来すぎているような…と思うものの、先生からのメッセージをそのまま受け取る事にした。

ぼくらのまんが道は時を超え、これからもまだまだ続いていくのだ。

作画・文 / 不二子・F・爺子


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