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中国で爆発的成長するスマートモビリティと新興VCのGood Year Ventures

去る4月、スマートモビリティ業界は勢いを増している。
Huawei、DJIなどの企業が相次いで自動運転の進展を発表しただけでなく、関連企業が相次いでIPOを行い、4月15日に自動運転トラック分野のTuSimple(図森未来)がナスダックで上場し、4月5日にイスラエルのレーザーレーダー会社Innovizもナスダックに上場した。

その中で、図森未来の上場の背後には、あまり知られていないVC機関、Goodyear Venturesが登場している。中国名は固特异创投です。GoodyearVenturesは、世界的に有名なタイヤメーカーであるグッドイヤーが2020年1月に設立したベンチャーファンドで、世界的なスマートモビリティ業界の今後の発展を推進することを目的としている。

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「個人的には、スマートモビリティは今後20年間で世界最大の単一市場になると考えている。バッテリーのエネルギー密度の持続的な向上、バッテリーの持続性の増加、レーザーレーダーなどの重要部品のコストの持続的な低下に伴い、電動化、スマート化、無人運転化がスマートモビリティ業界を2.0時代に導くだろう」。

Goodyear Venturesの投資責任者である周斌氏は、

「今日の自働車業界は、10年前の携帯電話業界と同じだ。違いは、自働車業界やスマートモビリティ業界の市場規模が携帯電話業界の10倍以上になることだ。
このような投資ロジックと判断に基づき、Goodyear Venturesはスマートモビリティ業界で幅広い配置を行っている。ラスト1マイル配送を行うStarshipから、ナスダックに上陸して無人運転の第1株となったばかりのトラック無人運転会社TuSimpleまで。われわれは引き続きスマートモビリティ分野に投資し、この業界を志す優秀な創業者と一緒に前進したい」

と示した。

IPOに成功し、100倍の成長可能性のブルーオーシャンに突入

設立からわずか1年でIPOを獲得したGoodyearVenturesとは一体どのようなファンドなのか。

時は2020年1月。
グッドイヤーはGoodyear Venturesの新しいベンチャー投資ファンドを設立すると発表。このベンチャー投資ファンドはモビリティ分野に1億米ドルを投資し、将来のモビリティソリューションの開発を推進する計画だ。
グッドイヤーは、1898年に設立された世界的に有名なタイヤメーカーの1つであり、全世界の従業員は6万3000人であり、これまでに21カ国に46の支店を設立し、世界的に事業を展開している。

同ファンドの設立について、グッドイヤーグローバル会長、最高経営責任者兼社長のリチャード・クレイマー氏は、

「グッドイヤーは常にテクノロジーでモビリティを推進することに力を入れている。小規模なスタートアップ企業や成熟したビジネスモデルを持つ企業など、他の業界の先駆者との協力を継続的に求める。Goodyear Venturesはグッドイヤーがモビリティ分野をさらに模索し、将来の移動手段を再構築するのに役立つ」

と述べた。
Goodyear Venturesの設立は、同社の新型モビリティ分野での提携関係の継続と拡大に役立つ。志を同じくするスタートアップ企業との投資と提携を通じて、世界のユーザーに安全で持続可能な新しいモビリティ体験を提供する。

近年、スマートモビリティ分野は世界で大きな波を巻き起こしている。
スマートモビリティ分野で比較的早く開拓したグーグル、百度、テスラなどのテクノロジー企業も、最近この分野への進出を公式発表したHuawei、Xiaomi、DJIなどの企業も、伝統的な自動車メーカーを含め、いずれもスマートモビリティ分野を強化し続けており、これは今後必ず争うべき場所だ。

資本市場では、1級であれ2級であれ、スマートモビリティ分野はスマートフォンに次ぐ100倍、さらには1000倍の成長潜在力を持つブルーオーシャンと見なされている。
その中で最も代表的な出来事は、テスラが2020年に7倍に急騰し、最新の時価総額が7000億ドル近くに達し、世界現象級のスーパー「大型株」になったことだ。

スマートモビリティ分野に専念するベテラン投資家として、周斌氏は2015年からスマートモビリティ分野への投資を開始しており、レーザーレーダー、車載チップ、高精度マップ、自動運転トラック、自動運転乗用車などスマートモビリティ産業チェーンの各段階に精通している。
周斌氏は、「今後20年間で、スマートモビリティ(Smart Mobility)業界は世界最大の単一市場になる可能性がある。」と語る。

スマートモビリティの規模はスマートフォンの10倍以上

周斌氏によると、スマートモビリティ業界は次の10年間で世界で最も商業的に進出する見込みのあるブルーオーシャンとなり、「道のりが長く障壁が厚い」や「海が大きく、また魚までが大きい」と言っても過言ではない。
現在、Goodyear Venturesの主な投資方向はスマートモビリティで、すでに投資している事業は無人運転、電気自動車、コネクテッドカーの3つの分野に集中している。

Goodyear Venturesの現在のポートフォリオでは、有名な自動運転トラックのスタートアップ企業TuSimpleが今年4月15日にナスダックに正式上場し、自動運転の世界初株となり、コードはTSPとなった。現在、同社の時価総額は80億ドルを超えている

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目論見書によると、

・現在、同社の全世界のフルタイム従業員は839人
・研究開発者が673人で、全体の80.2%
・長期的かつ継続的技術研究開発投資とし240件以上の核心技術特許を蓄積
・中国初の無人運転トラック公開道路テスト許可証を取得した企業
・現在、カリフォルニア州、中国上海などでの実際の道路テストデータは累計450万キロを超え
・2020年7月、同社は「AFN」(無人運転貨物輸送網)エコシステムを稼働
・業界関係者から「貨物輸送版滴滴」と呼ばれる

Goodyear VenturesはTuSimpleに加えて、2014年に設立された英国企業Starship Technologiesに昨年投資しており、同社は主に「ラストワンマイル」配送問題を解決するための小型ロボットの研究に力を入れており、2015年末には開発した最初の配送ロボットStarshipを発売している。

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Starship Technologiesオフィシャルサイト

財務投資のほか、世界有数のタイヤメーカーであるグッドイヤーを背に、Goodyear Venturesはスマートモビリティ分野の投資先企業に対しても産業上の支援を行うことができ、将来的な提携の可能性が多い。
例えば、グッドイヤーは現在、世界に数千店舗を展開しており、将来的には電気自動車と無人運転車に対して精密検査、充電などのサービスを提供する見込みだ。
また大手タイヤメーカーとして、スマートタイヤを通じて自動車により多くの次元のデータと補助を提供することもできる。

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Goodyear Venturesに入社する前、周斌氏はTCL Venturesで投資パートナーを務め、レーザーレーダー会社Innovizへの投資を目撃し、Innovizの急速な発展を経験した。

Innoviz
・2016年にイスラエルで設立
・ハイエンド固体レーザーレーダーの世界的リーダー
・共同創業者はいずれもイスラエル国防軍情報部隊のエリート技術部門出身
・退役後はConsumer Physics、intel、Anobit(Appleが買収済み)、bTendo(イタリア・フランス・セミコンダクターが買収済み)、NovelSatなどの業界の有名な機関に勤務し、MEMS、光電、半導体の分野で豊富な経験
・現在、Innovizは複数のMEMS固体レーザーレーダーとそれに付随する感知ソフトウェアを発売
・BMWのレーザーレーダーサプライヤー

スマートモビリティ業界の将来性について、周斌氏は、

自動車の電動化、スマート化、無人運転化の3つが重なることで、スマートモビリティ業界を燃料と人工運転を主とする1.0時代から全面的なスマート化、無人化の2.0時代へと推進することができる」

と判断した。

周斌氏はまた、「自動車の電動化、スマート化の誕生により、自動車の製造がより簡単になるだろう」と述べた。
従来のガソリン車に比べて、電気自動車の構造がはるかに簡単だからだ。「そのため、将来、この業界の真のコア競争力は代行能力ではなく、ソフトウェアとユーザーの無人運転体験にある可能性があり、この中で成長の余地は非常に大きい。」

下記記事を翻訳しています。中国の近年のモビリティー分野の発展は著しく、1日たりとも目が離せない状態です。昨日の情報では北京では百度と美団がそれぞれ無人車のネット手配と無人デリバリーを運用開始。深センではAutoXが外付けの無人運転用のデバイスを開発し試験運転をしており、既に無人バスに予約して乗車することが可能です。日本ではありえないくらいのスピードと規制のゆるさ、そしてダイナミックさが中国にはあります。
斯く語りき私はゴールド免許取得済みのペーパードライバーです。海外長いので日本の免許使わないけど今年7月に期限が切れるのでどうしようって感じです。日本帰れないので更新不可...はぁ

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