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Après l'Ondée - Guerlain


「驟雨のあとに」

クロード・ドビュッシー(Claude Debussy)作曲
「雨の庭 (Jardins sous la pluie)」

.....雨が落ちてきた。黒い雲が空を多い、
遊んでいた子供たちは雨宿りをする。

ほんのわずかな時間。
雲間から光が戻り、小鳥は嬉しそうに囀る。
ー霧の中の伸びた影と、周りにできる虹色の輪ー
雨がやむと、子供たちはまた喜びながら遊びはじめた。

を思う香水がある。

Guerlain(ゲラン)
「Après l'Ondée (アプレ・ロンデ)」 だ。

雨上がり、日差しがキラキラと降り注ぐ情景を表現したこの香水は、
1906年にジャック・ゲランによって作られた。(公式)


香りは、トップらしいすっきりとしたベルガモットからはじまる。
すぐにアイリスが追いかけてきて、それが憂愁と暗雲を思わせる。きっと驟雨を表現しているだろう。
ミドルは、カーネーション、クローブ、ヴァイオレット...
ささやかなスパイスの息吹が雨上がりの心地よさと、きらきらとした太陽の光を思わせ、ベースのオークモスがは足元の湿原を感じさせてくれる。
ラストはヘリオトロープ。紫色の花だ。



淡く、パウダリーで、可憐なスミレの香水は数多くあるが、
「寂寞たる世界に天使の梯子が降りる」
そんな輝きを感じさせてくれるのはアプレ・ロンデくらいだろう。
朝露をまとった下草の中、雨上がりの陽射しを讃えながら、歩く。
アプレ・ロンデは、そんな憧憬にノスタルジーを寄せる少女時代の豊かな情感が満ちる名香だ。                          


成分:エタノール・水・香料・メトキシケイヒ酸エチルヘキシル・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン・ジ(カプリル/カプリン酸)BG・BHT・トコフェロール (公式サイトより)


トップ:カシ ネロリ アニス ベルガモット レモン
ミドル:ミモザ カーネーション サンダルウッド バイオレット オリスルート ジャスミン ベチバー イランイラン ローズ
ラスト:アイリス アンバー ムスク ベンゾイン バニラ ヘリオトロープ 安息香



#香水 #ゲラン #アプレロンデ #名香 #スミレ #fragrance #フレグランス #perfume #ひんやりヴァイオレット #雨上がりの香り


cf. その他の偏愛香水(スミレ)
・La Violette  -GOUTAL  (旧ANNICK GOUTAL)
    明るくパウダリーな愛らしい香り。
・Violetta  -PENHALIGON'S(廃盤)
    茎の青、瑞々しく爽やか。スミレそのもの。

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