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OOUI実践|Step3 レイアウトパータンの適用

こんにちは、中国人デザイナーのYINGです。
今日は前回と前々回に続いて、OOUI実践のステップ3についてご紹介します。
(日本語はまだまだなので、表現におかしな点があればご容赦ください!)

※今までの内容

Step3 レイアウトパータンの適用

レイアウトパータンとは

レイアウトパータンは、GUIが普及してから、さまざまなプロダクトが用いる一般的なUIパータンのことです。こういう一般化しているパータンを使用することで、ユーザーの学習コストが減らせて、よりわかりやすい、直感的に操作できるUIが実現できます。
『オブジェクト指向UIデザイン』の第3章の「3-5」では、OOUIに適したレイアウトパータンについて詳しく解説しているので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

レイアウトパータンを適用

ここでは今まで作成したオブジェクト図やナビゲーションをレイアウトパータンに適用したデザイン(ワイヤーフレーム)は下記になります。

図3-1 レイアウトパターンの適用

上記はよくあるデザインパターンを用いて作成したWF(ワイヤーフレーム)ですが、いくつ問題があります。

  1. まず一番大きな問題は、「帳簿シングル」→「出費コレクション」の遷移です。ビューを検討した際にこういう遷移を想定していましたが、実際に画面を作成すると、「帳簿コレクション」→「出費コレクション」のほうが自然であることに気づきました。

  2. ナビゲーション項目は「帳簿」と「ユーザー」の2つですが、ケースケースを考えると、「ユーザーシングルビュー」の利用頻度がかなり少ないと思います。ナビゲーションの意味が薄いので、「ユーザーシングルビュー」への導線をどこかに確保すれば、ナビゲーション自体はいらなくなるでしょう。

  3. 実際のWebサービスアプリでは、ログイン画面が要りますし、トップページやダッシュボードのような画面もあるのが一般的です。今回の場合、ログイン直後は「帳簿コレクションビュー」に遷移させてもいいと思いますが、せっかくなのでもっとトップページ感を出したいですね。

  4. オブジェクト図やビューに含まれていないから忘れてしまいましたが、出費をカレンダーや統計グラフで見たいという要望もありました。今の出費コレクションは月単位の時系列で表示されていますが、カレンダーモードと統計グラフの追加も必要です。

  5. 細かいところのデザイン調整や修正が必要です。例えば、出費の追加ボタンが目立たないので、直感的にわかりづらいところなどです。

ワイヤーフレームの修正・改善

上記の問題点を解決するように、WFを修正しました。全体的には下記になります。

図3-2 修正後のWF全体像

※プロトタイプはFigmaから確認できます。

では、主な修正点を見ていきましょう。(左は修正前、右は修正後)

図3-3 帳簿コレクション

まず、帳簿コレクションをよりトップページ感があるように、「今週の出費」と「今月の出費」の統計的数値をカード形式追加しました。
ヘッダーもなくして、帳簿追加ボタンは帳簿一覧の下に、帳簿カードと同じ形式のようなデザインに変更しました。(帳簿カードは帳簿詳細ではなく、出費コレクションに遷移します)
さらに、一番上にユーザーアイコンを追加しましたが、ここからユーザーシングルビューに遷移させるので、ナビゲーション(タブバー)は不要になります。

図3-4 出費コレクション

出費コレクションでは出費追加ボタンを強調するために、ヘッダーからページに浮いている追従ボタンに変更しました。
ヘッダーも大きく変更しました。元々のヘッダーは真ん中にタイトル、右側に出費追加ボタンがありますが、修正後は左側に所属の帳簿名(ここからトップページ=帳簿コレクションに戻れます)、右側は新しく追加したナビゲーションエリアです。
ナビゲーションの「グラフ」と「カレンダー」ですが、これは出費コレクションのリストとは別の形式のビューとして考えられるので、表現形式の切り替えボタンになります。

もう1つのナビゲーション項目の「設定」は新しい言葉になりますが、ここから帳簿シングルに遷移しますので、本来であれば「帳簿詳細」です。ただ、帳簿シングルの中身は普通のユーザーから見ると、主にはその帳簿の設定項目なので、「帳簿詳細」より「設定」のほうがわかりやすいのではないかと思い、ラベルを変えました(この辺は日本語的センスも関係しそうで、違う意見もたくさんありそうですね)。
また、帳簿シングル(設定)では変更するとすぐ保存できるようにして、保存ボタンも省略しました。

図3-5 帳簿シングル(設定)

いくつ新しい画面とモーダルも追加しました。
例えば、カレンダー形式と円グラフ形式の出費コレクションと、帳簿追加やカテゴリのラベルを変更する際のモーダル、帳簿にユーザーを追加する際のモーダルなどです。

図3-6 追加画面

画面遷移はFigma確認できますので、よかったら操作してみてください。
> FigmaでWFプロトタイプを確認する

まとめ

最終的なワイヤーフレームは典型的なレイアウトパターンから少し離れてしまいましたが、遷移フローがより自然になったのではないかと思います。OOUIの設計ステップはこれで終わりますが、今まで流れをまとめると下記になります。

  1. オブジェクトの抽出

    1. タスクをリストアップ

    2. 名詞を抽出

    3. 名詞の関係性を抽出

    4. 名詞の関係性をつなげ、オブジェクトを特定

    5. オブジェクトにプロパティを付ける

    6. タスクからアクションを見つける

  2. ビューとナビゲーションの検討

    1. コレクションビューとシングルビューを作る

    2. コレクションビューとシングルビューの呼び出し関係を検討

    3. オブジェクトからルートナビゲーション項目を選定

  3. レイアウトパターンの適用

    1. レイアウトパータンを適用

    2. デザインの修正・改善(必要であれば)

次回からは今回作成したワイヤーを用いて、UI(ビジュアルデザイン)を作ります。
OOUIと直接関係なくなりますが、興味のある方はぜひ続きもチェックしてください。
お読みいただきありがとうございました!


※参考本:『オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理』
※今回の使用ツール:Figma

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