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早期利下げ観測

昨日の暗号資産市場は、ビットコインが下落しての推移となっています。持ち直し基調が一服したことで調整売り圧力が強まる流れとなっています。米株の軟調地合いや米国債利回りの上昇、ドルインデックスの堅調などが意識される流れとなっており、ビットコイン以外のコインも上値を抑えられる展開となっています。

さて、昨日の米国市場は米小売売上高などの指標が市場予想を上回るなど、足元の米経済の堅調が意識される流れとなりました。そして、それが米国の早期利下げ観測の後退を意識させ、リスク回避的な動きが意識されることとなりました。こうした動きを以前にもみられたことで、金融政策が意識されるあまり、経済指標が良かった場合に株価が下落し、逆に悪かった場合に上昇するといった動きが見られる局面となっています。

市場は米国の早期利下げを期待しており、それに反する動きに対してはリスク回避的な動きを強める状況となっています。FEDの交換の発言を見る限りでは市場の期待ほどには利下げを意識していないのではないかと懸念しているところですが、実際問題としてFEDと市場との考えに乖離があることは意識しておいたほうが良さそうで、目先は早期利下げ観測の後退が意識されやすいところとなっているのではないかとみています。

米国の金融政策に関しては株式市場が大幅に下落するなどといったことが無い限り、利下げを急がないのではないかとみています。急がないと言っても24年のうちに利下げを刷る可能性は極めて高いとみていますが、市場の思惑よりは後ずれするのではないでしょうか。インフレに対する警戒感も根強い中で、FEDも動きにくいところではないでしょうか。

ただ、問題としては11月に控えている米国の大統領選挙の動向でしょう。今のところバイデン大統領とトランプ前大統領の争いになるのではないかとみられていますが、この争いが米国の金融政策に影響を与える可能性も否定できないところではあります。今年は世界的に見て重要な選挙も多いことから、それが暗号資産市場にも影響を与えるかもしれません。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの中心線である43820ドル前後の水準と-2σである40650ドル前後の水準で挟まれたレンジを動いています。方向感の見えにくい流れとなっており、目先はこの2つの価格が節目として意識されそうです。

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σを意識しての動きから調整の動きが意識され、そのままバンドの中心線を抜けて-2σを目指す形となっています。しかし、-2σには届かずに持ち直してバンドの中心線を意識しての動きとなっています。ただ、目先は中心線に届かずにじり安となっており、狭いレンジでの動きが意識されています。バンドの±2σが横ばいとなっており、方向感の見えにくい流れとなっていることから、目先はバンドの中心線と-2σで挟まれたレンジを動くのではないかとみています。

またストキャスティクスを見ると、%Kが底打ちから上昇していたものの、腰折れから下落しての動きです。下値圏での動きとなっており、上値の重さが意識されています。一方、%Dはじり安となって下値圏を目指す動きとなっています。上値の重さが意識されやすい展開であり、%Kが下値圏での動きを継続した場合はバンドの-2σまで下落する流れとなりそうです。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの中心線を挟んでの動きとなっています。一時的な上げ下げはあるものの、大きな動きにはなっておらず、方向感の見えにくい流れとなっています。バンドの±2σが横ばいとなっており、レンジ圏での動きが意識されやすい形です。ただバンド幅は狭く、市場にはエネルギーが蓄積されています。動き出したら大きくなる可能性があるだけに、注意が必要でしょう。

ストキャスティクスで見ると%Kと%Dがデッドクロスからの下落となっていましたが、下値圏に入る前に持ち直しています。このまま上昇基調を維持することが出来るかがポイントとなりそうです。上昇基調を維持すれば買い優勢の流れとなり、バンドの+2σまで上昇する可能性が高まるでしょう。

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