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イベントクリエイティブの作り方 -ビジュアルコンセプト-

一連の記事はIVS2023という京都で参加者1万人規模のイベントを制作した際のワークフローをまとめております。

IVS2023のビジュアルコンセプトを時系列でどのようにデザインしていったか、どのようにリファレンスを作ったのかをまず公開していきます


タイムライン

11月 めっせ視察
12月 コンセプトデザイン決定
2023年1月 スポンサー営業開始
2月~3月 会場のコンテンツ+造作コンセプト設計
3月 LAUNCHPAD SEED開催
4月 コンテンツ策定
5月 造作・テクニカル方向 FIX・発注
6月 無限にクリエイティブを作る

コンセプト設計のためのリファレンス収集

基本は個人的に好きな映画やゲームの表現からインスピレーションを得ています

当時あつめたリファレンス

当初はMilanoteでまとめていたが、後にFigmaに統合(恥ずかしながらFigmaを4月から使い始めました)そのままグラフィックに落とし込めるのが移管の最大の理由

デザイン方向性

ターゲットを完全にグローバルに絞り、Web SummitやSlushに対してどうユニークポジションを取るかということを念頭に考え、京都開催もあるため「和」を推し、世界の人がJapanにやってきたくなるような設計をしたかったが、「和」を推しすぎると古臭く見えてしまうので、和ながらもモダンに見えるようなデザインを模索

初期デザイン

今回のIVSはいつもより多様性が増し、グローバル化させ、それが融合する。そのカオス感をアブストラクトデザインで制作

初期デザインのリファレンス


毛筆ロゴ+アブストラクト波をエッセンスにして、色調を鳳凰色に。

和ながらもモダンなデザインができたかなーとおもっていたのですが、時期も相まってクリスマス感が強すぎるという意見が強く、もっと冒険感を出したいということで違うデザインにすることに(いまだにこっちのほうが好きやなぁというのはここだけの話)

メインビジュアルデザイン

会場演出デザインも考えていたので、アプローチを変えて、グラフィックとしてのデザインよりも会場感をもっと分かるようなデザインということで、以下をリファレンスに作成

会場を和紙でディフューズしたやわらかいライティング × DMXライトを融合したく、そうすれば和×モダンを両立できるなと思い、そのままそれをデザインに起こした


会場のスモークと、ムービングライト、本体のロゴリファレンス
ロゴ質感リファレンス

もうすこし落ち着いたイメージでということになり、最終以下のデザインに

昭和ポスター構想

ただこのままだと3Fの祭り感、今回のカオス感が表現できないなぁと4月ごろには思っていた。5月ごろに東映に出会い、そして昭和にハマり、おもろいのでそこから一気に昭和に振ることに。

はじめにできたのが登壇者ポスター
50~60年代のリファレンスを読み込んだ。(Crypto側は70~80年代あたり)

時間の制約で本編の映画が少ししか見れなく、たくさん見るのがいまからの目標。

(ほとんど気づかれてないと思うが)今回ポスターにそれぞれ煽り文句を入れ、はじめはGPTで出そうとしたが、リファレンスが少なくあまりいいものが出ず、このリファレンスに大きく助けられた。阿鼻叫喚、哀愁を込めてなどほぼ聞かないでしょう!

「我らが若き情熱に哀愁を込めて」は大学時代所属してた部活のエール文言から

作っていて思った余談、こういった煽りはいまの日本語にはあまりない語感の音楽性と勢いがあり、日本語が今回すごく好きになった。俳句・短歌・川柳といったリズム感がまだあった時代なのか、こういった語彙をもっと増やしていきたいなーと思いました。

会場の演出デザインが実は5月中旬で大幅に変わり、ディスプレイやDMXの演出をしないことになった。それでもグローバルと匹敵するためのクリエイティブが必要だ。そこでセッションのポスターをすべてAIを活用した全パターンユニークデザインのポスターにすることに。

250パターンユニーク背景

この方向性を決めてからはリアルタイムで膨張していくデータベースとの葛藤のみ。Figmaも16万レイヤーを突破し、システムトラブルも多々あったが、具体的なワークフローはまた後日公開します。最終的には「狂」が制作のテーマに。ドデカド派手ドーパミンです。あとは心を無にして作り続けるです。

いったん全体の流れをざっと公開しました。 もっと細かいワークフロー篇はこのあと順次それぞれの分野ごとに公開していきます! 配信・撮影だと、機材・自作リグレベルで、ソフトウェアのワークフローはショートカットレベルまでTipsを公開していければと思いますので、お楽しみに!


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