夏休みは実験してみよう(その2)

こんにちは
私は千葉の農家ですが、実は化学を専攻してました。学生時代は「打倒でん○ろう」を目標に、母校で子ども向けの科学実験教室をやっていました。

そんな私がこの夏休みにご家族で楽しめる実験をいくつか教えたいと思います。某ウイルスの感染再拡大や、歴史的猛暑日が続く今日だからこそ、お家で、家族揃って科学を学んでみませんか?

夏休みの自由研究として楽しんでいただければ幸いです。

身近なものの性質を調べてみよう

【用意するもの】
以下いずれか用意できるもの

A:赤キャベツ色素(amazonで実験キットが売ってます)
B:バタフライピードリンク(スーパーで売っていれば)
C:ナスの漬物の汁

【準備】
Aは水で薄めて水溶液にしておく

【実験】
・お酢、せっけん水(固形のヤツを水に溶かす)、重曹、レモン汁など、
身近な物を液に入れてみる
・液の色がどう変化するか確認する

【注意】
キッチン用洗剤、トイレ用洗剤など、強アルカリ、強酸を使用しないで下さい。危険です。

【どうしてこうなる?】
お酢やレモン汁を入れると赤く、重曹やせっけん水を入れると青く変化します。これは酸性やアルカリ性による変化です。赤キャベツやバタフライピードリンク、ナスの皮などには「アントシアニン」と呼ばれる成分が含まれています。これは酸やアルカリと反応して色が変わる性質があります。

お酢やレモン汁は酸性であり赤く、重曹やせっけん水はアルカリ性なので青く色が変化します。

【応用・いろいろ混ぜるとどうなる?】
お酢で赤くした液に、重曹を入れるとどうなるでしょうか?
少し入れただけでは赤いままですが、たくさん入れると青くなると思います。

酸とアルカリは仲が悪く、同じ液の中でケンカしてしまうのです。
より多い方がケンカに勝ち、液の色を変化させるんです。

【応用・ケンカしすぎて疲れる??】
お酢を入れて・・・重曹入れて・・・お酢入れて・・・
あれ?色が変わりにくくなった?
この様に、いろいろ混ぜると色の変化が鈍くなります。

これは緩衝状態と言い、液の中に酸やアルカリが多くあるため、後から入ってきた酸やアルカリの影響が小さくなる状態です。
ケンカしすぎて、もう疲れてしまったようなものです。

【応用・科学で料理しよう】
もし赤キャベツが手に入ったら「焼きそば」を作りましょう。
作り方は簡単で、お肉や赤キャベツを炒めたのち、中華麺を投入して塩で味付けします。(市販のソースや付属のタレは使わないこと)
麺の色はどうでしょうか?青く変な色になってますよね?

では、お酢やソースを加えてみましょう。
色はどうなりましたか?赤く変化すると思います。

中華麺には「かんすい」と呼ばれる成分が入っています。
これは炭酸ナトリウムのことで、アルカリの性質を持っています。
なので、麺が青く色づくのです。
一方、お酢やソースには「酢酸」と呼ばれる成分が入っています。
これは酸の性質を持っているので、かんすいとケンカしてしまうんですね。

【さいごに】
科学教育は重要ですが、中々難しくもあります。
科学と聞くと、難しい、怖いというイメージが先行して、その面白さに触れることができる子は少数です。


また、学校の先生も科学を難しく考えています。私が科学を教えていた時、近隣の小学校の先生が「どうやったら楽しく実験できますか?」と尋ねてきたことがあります。小学校の先生は基本的に教育学部出身の方が多数であり、科学に親しんでこなかったとのことです。
そのため、どうすれば子ども達に科学を教えられるか?楽しんでもらえるか?がわからないのだとか…
さらに言うと、先生方も日々の業務に追われる中で、実験の準備をするのは負担が大きいと思います。

科学教育の難しさに対して、その重要性はとても高いです。
昨今、科学リテラシーの重要性が注目されています。
現在は落ち着きつつありますが、某ウィルスやワクチンに関する多くのデマがSNSなど各種メディアに跋扈しており、それをウソと見抜くには科学的な知識が不可欠でしょう。

科学を知らなくても生活できます、しかし、科学を知ることで生活を豊かにすることができるのも事実です。
どうか、科学を恐れずに、実験を通して楽しんで頂ければと思い、この記事を書いています。

科学を好きになってくれる子が増えることを祈って、結びとさせていただきます。


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