夏休みは実験してみよう(その1)

こんにちは
私は千葉の農家ですが、実は化学を専攻してました。学生時代は「打倒でん○ろう」を目標に、母校で子ども向けの科学実験教室をやっていました。

そんな私がこの夏休みにご家族で楽しめる実験をいくつか教えたいと思います。某ウイルスの感染再拡大や、歴史的猛暑日が続く今日だからこそ、お家で、家族揃って科学を学んでみませんか?

夏休みの自由研究として楽しんでいただければ幸いです。

偏光板で実験しよう

【用意するもの】
偏光板(15cm角くらいあればOK)
3Dメガネ(あればOK)
カッター、定規など切るもの

※偏光板はホームセンター等では買えません
科学実験専門店かインターネット通販をご利用下さい

【準備】
・偏光板を5cm角くらいの正方形にカットする
・残りの偏光板は5cm×10cmくらいにカットする(以下、これを偏光メガネと書く)
偏光メガネをカットする際、他の偏光メガネと偏光方向を90度ズラすようにカットするとGOOD

偏光方向とは?
↓の画像の様に、偏光板には方向があります
同じ方向にすると光を通し、90度曲げると光を通しません
気を付けてカットしましょう

画像3

画像4

【実験】
・偏光メガネや3Dメガネを通して正方形の偏光板を見てみる
・その時の見た目を覚えておく
・正方形の偏光板を90度回してみる
・見た目が変わる(透明→黒、黒→透明)

【応用・偏光マジック】
偏光方向が違う偏光メガネ用意します。
お客さん(?)にメガネをかけさせて「この板、何色?」と聞くともちろん。「黒!」「透明?」という感じに答えてくれます。
「じゃあ、色を変えてみようね」と言って服で偏光板を擦るフリをして、偏光方向を変えます。
「色はどうなった?」と聞くと、「変わった!」「黒くなった!」と盛り上がります。

【原理・偏光って何?】
超ザックリ言うと、光は波のようなものです。
はいそこ!光量子仮説とかやめなさい(;´・ω・)

波と聞くと、穏やかな海のようなイメージをするかもしれませんが、実際の光は色々な波が合体したメチャクチャな波です。

そんな波を整えるのが偏光板です。
偏光とは光の波を一方向だけに偏らせることです。
図を見てみるとわかりやすいかも(`・ω・´)

偏光1


このため、偏光した光を別の偏向板を通してみる時、偏光した方向が一致していれば透明に見え、偏光が合わなければ、偏光板が黒く見えます。

偏光2

【身の回りに偏光】
さて、マジックを楽しんだ後は身の回りのものを偏光板を通して見てみましょう。実はあんなものが偏光されてたのか?!なんて発見が多くあると思います。

実験のヒント
・セロファンテープをガラスに張って、偏光メガネを通して見てみましょう
・テレビやスマートフォンの画面を偏光メガネを通して見てみましょう

【さいごに】
科学教育は重要ですが、中々難しくもあります。
科学と聞くと、難しい、怖いというイメージが先行して、その面白さに触れることができる子は少数です。


また、学校の先生も科学を難しく考えています。私が科学を教えていた時、近隣の小学校の先生が「どうやったら楽しく実験できますか?」と尋ねてきたことがあります。小学校の先生は基本的に教育学部出身の方が多数であり、科学に親しんでこなかったとのことです。
そのため、どうすれば子ども達に科学を教えられるか?楽しんでもらえるか?がわからないのだとか…
さらに言うと、先生方も日々の業務に追われる中で、実験の準備をするのは負担が大きいと思います。

科学教育の難しさに対して、その重要性はとても高いです。
昨今、科学リテラシーの重要性が注目されています。
現在は落ち着きつつありますが、某ウィルスやワクチンに関する多くのデマがSNSなど各種メディアに跋扈しており、それをウソと見抜くには科学的な知識が不可欠でしょう。

科学を知らなくても生活できます、しかし、科学を知ることで生活を豊かにすることができるのも事実です。
どうか、科学を恐れずに、実験を通して楽しんで頂ければと思い、この記事を書いています。

科学を好きになってくれる子が増えることを祈って、結びとさせていただきます。

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