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「無敵の人」になったアラフォー友人、これまでとこれから

自称インフルエンサー

わたしの友人について書くが、個人の特定を避けるために
一部事実を改変する。
のだが、おそらくあなたも実生活またはネット上で
「こんな人を見たことがある」のではないだろうか?

私が彼と友人になったのは10年ほど前、
30代の頃である。
今思えば、当時が彼の絶頂期であった。

東京の有名私立大学を卒業し、会社員として勤務したあと
独立し、フリーランスで活動。

X(当時はTwitter)のフォロワー数は万を超え、
その他のSNSも使いこなし、
メディアにも登場していた。
彼のことをイケメンと言っている人たちも多数いた。

最初に抱いた違和感

彼は自分のことが大好きで
「自己肯定感が高い」と言っている。

私自身は自己肯定感が低く、
コンプレックスも多かったため、
「もともと自己肯定感が高い人がうらやましい」
と思っていた。

ある日、私が空き時間を運動や勉強に充てていることを
知った彼にこう言われた
「他人から評価されないことをして何が楽しいの?」

ポカーン

できないことができるようになる、
以前の自分と比べ成長が実感できることが楽しいのだと
説明しても理解されない。

彼は資格を多数取得している(そしてそれを自慢していることもある)
のだが
それが「他人から認められるため」であるのなら
自己肯定感が高いとは、言えないのでは・・・??
そういえばせっかくの資格を、まったく仕事に生かしていない。

自己肯定感が高いのではなく、
自己愛性パーソナリティ障害を疑う

彼の自己評価は
「イケメンでスタイルもよいのでモテる。
頭も運動神経もよく、
バイアスにとらわれない」
といった感じなのだが、

現実の、他者からの評価とはかけ離れている。

彼との付き合いが長くなるにつれ
私は「この人は、自己肯定感が高いと言うわりに
その根拠がみあたらない。
自分と価値観を異にする他人を
SNSで徹底的にこきおろすのは
なぜなんだろうか??」と考え続けた

私は精神科専門医ではないが
彼に一番近いのが
自己愛性パーソナリティ障害と、発達障害の合併
ではないかと考えている。

発達障害のほうは、自覚があるようだ。
他人の気持ちを想像するのがことごとく苦手な人である。
私に対しても距離感が不自然であった
(同年代なのにいつまでも敬語を使い続けている)し、

SNSが炎上したことが過去に何度かあり
本人は「勝手に誤解するヤツラが悪い」と言っているが
「こういう文章が他人からどう受け取られるか?」
という想像力があまりないのだ。


有名大学を卒業していること
幼少期に天才的な記憶力を発揮したらしい(本人談)ことから
知能が高いタイプの発達障害なのだろう。

また、若い頃モテていたのも本当だと思う。
男性よりも女性に顕著ではあるが
「よく見るとそれほど美人でもない人が、若いだけでチヤホヤされる」
「顔立ちが整っているかどうかよりも、髪型や服装が第一印象に影響を与える」
ことはある。
実際はモテではなく若さの搾取だったりもするのだが。


彼はSNSを複数使い、プライベートの投稿からお気持ち表明まで忙しい。
(通常、ネットに載せる情報と隠す情報を選ぶ人が多いと思うが
何でも包み隠さずアップしてしまうのも、発達障害の一症状かもしれない)

また、ひとつのSNSに複数のアカウントがあるようだが、
彼は確かにスマホの画面を見ている時間が長い。

高いのは自己肯定感ではなく承認欲求なのだろう。

「親の育て方が悪い」のか?「精神科にかかれば改善される」のか?

彼は35歳をすぎたころから
現実世界でこれといった成果が出せない(仕事が少ないなど)せいなのか
SNSにおいて
先鋭的な言葉づかいで他人を攻撃することが増えてきた

また、「自分は一生結婚しない、子どもは嫌いだから持たない」と宣言しておきながら
既婚者、子育て中の親、子どもたちを批判する様子はどこか滑稽でもある
なぜわざわざそこに噛みつくのか・・・?

※なお、私自身は「子育てしたことがない人が子育てについて語るな」とは思っていない。子育ては親だけではく社会に関わるトピックでもある※

彼に対して
「親の育て方まちがってる」
「精神科案件だろ」
といった批判を目にしたことがある

しかし、仮に彼がわたしの勝手な診断のとおり
自己愛性パーソナリティ障害と発達障害の合併」であるならば
親の育て方いかんや、精神科医の介入で
彼の現状が大きく変わったことはないと考える。

障害は基本的に治らない
が、障害の特性を理解し、他人や社会とどう付き合っていくかを学び
実践して改善することはできる

現状を変えたい人、生きづらさの原因を知りたい人には
精神科の受診は手助けになるだろう。

しかし現在の彼には
他人のアドバイスを聞き入れようとか
自分を変えていこうという気がゼロである
なにせ「自分は最高!批判するアンチが悪い」のだから。

無敵の人は今後どうなるか

30代の頃は輝いていた(ように見えた)彼も
いまやSNSのフォロワーはファンではなくウォッチャーがほとんど
仕事も減り、平日昼間から趣味に邁進し
親のすねをかじる日々である
(ウォッチャーに収入源を心配されている)

ここからは個人的な予想になるが
彼はこれからも自分を変えようとはしないだろう。

今はおそらく親の年金に頼って生活が成り立っているのだと思われる。
また、日本は低所得者むけの給付が充実している
(住民税非課税世帯への給付など)ため、収入が少ないと逆に手取りが多いのかもしれない。

親が亡くなった後だが、彼にはきょうだいがいるそうなので
きょうだいや甥、姪のすねをかじれば
おそらく死ぬまでイキり散らしながら生きていけるのではないだろうか
ネットやSNSがなくなることはないだろうから

彼が本当に「終わる」としたら
ウォッチャーさえも彼に飽きてしまい
ネット上で誰からも相手にされなくなったときではないだろうか

その時この「無敵の人」が
現実世界で他人を加害しないことを祈るばかりだ






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