「地雷と未来と掃除ロボット~デスゲームを添えて」第4話


…いい加減シスセンセーの相手をすることにも疲れてきた、早いとこ決着をつけよう。
「こっちはいつでも準備OK要はジョーカーに注意してればいいんでしょ?簡単簡単」
「誰のせいでこんなに時間がかかったと思っているんですか…まあわかってくれて大助かりです、それでババ抜きというのは結構運の要素が強いんです、だから3本勝負にしません?」
「まあどんな内容でも私が負けるはずないからな、いいよいいよ、その3本勝負とやらにしよう」
どこからその自信が来るのかわからないが…実は3本勝負とはミネにとって有利な条件なのだ、なぜならミネの呪いは相手が負けたと思った瞬間に発動する、それは取った勝利数に関係なくシスが一本でも取られてしまえば発動するのだ、ミネは相手に一本取られても全く問題がないなぜなら最初にこれは3本勝負だといったからだ、3本取られるまで自分の負けではないとミネが定義することで呪い返しを回避することができる、シスはつまり2本連続でババ抜きに勝たなければいけないのだ。意図的に自分の呪いの説明を省くことで呪いの効果を最大限に発揮する、これがミネのやり口だ、もっともシスの方は自分が何でババ抜きをやるかの理由すら忘れているかもしれない。一応負けた方がミネの呪いを受け一生相手の奴隷になるという過酷なゲームなのだが…たぶん人生で初めて遊ぶトランプにワクドキしているんじゃないかな?。
「よし、じゃあ負けた方がスタバおごりね!たしかトランプってこういう友達どうしの賭けをするのにも使うんだよね!」
「…(いつ友達どうしになったの?)じゃあトランプに慣れている私が山札をシャッフルしますね」
さりげなく山札の上の方に有利なカードを集めるようにシャッフルするのを忘れない、これまでの会話からシスがイカサマに勘付くような神経をしていないのがよく分かったからだ、ショットガンシャッフルを披露したら何それ!って驚いてた。…余計な小細工使わなくても普通に勝てそうだなぁと思った。さて有利な手札を集めようとすると…
「ピピピ!センサーが異物を検知したよ!」
と掃除機ロボット、ピーナッツ君がしゃべりだした、驚いてしまってミネはカードを上手く扱えずイカサマは失敗してしまった…なんとも色々な意味で不憫である藤宮ミネ。
「ん?シャッフル終わった感じかな、じゃあさっそく始めようよ」
「あ…そうですねシャッフルは無事終わりました」
一見するとイカサマのミスは不幸な事故だったかもしれない、しかしこれは実は不幸な事故ではなかったのだ、そう意図的に掃除機ロボットピーナッツ君が起こした事故なのだ!。
いやただの掃除機ロボットにそんな残念な大人をサポートしてくれる機能などついていない…なんとこの掃除機ロボットの正体は…これまた別の未来からきた未来の警察の刑事だったのだ!ちなみにコードネームはピーナッツ奇しくもクラスの連中からつけられた名前と同じだった。これを当の本人はあまり好ましく思っていない、なぜならピーナッツというコードネームは実は蔑称で元はもっとカッコイイ名前だったのだ…しかしある仕事で大ミスをしてしまい反省の意を込めてピーナッツという名前にさせられ、今に至る、そう!だから他人とは言えあまりに残念な状況にいるシスの姿を見て、自分自身を重ね少しは手助けしてやらなければ…という思いがあり、ミネのイカサマに気づき、助け船を出してやったのだった…その他にも個人的な理由があったのだがそれは割愛、各々予想してみよう!とりあえずシスが美人だからという理由に一票入れておく。
さて、いよいよシス対ミネの人生を賭けたババ抜きが始まる。その勝負に影から第三者として介入する掃除機ロボット未来警察ピーナッツ、元はと言えばしょうもないミスから始まった絶望の心理戦の幕が今切って落とされる!。
第5話に続くリンクは下記にあります


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