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瞑想日記㉕【私たちの心のメカニズム】

私たちは二つの世界を観ている

瞑想とは、心のメカニズムを自分で理解していく方法だと思っています。


その瞑想によって理解できる心のメカニズムに、「幻想を知る」ということがあります。


「幻想?またすべては幻想なんて言うんでしょ?」と思われたかもしれませんが、
マウントをとるような極論ではなく、もう少し身近なところから「幻想を知る」という話をしたいなと思います。



この身近なところの「幻想を知る」とは何でしょうか?


それは、私たちは、
目の前に映っている物質の世界と、
脳内に映っている抽象(物質化されていない)世界
二つの世界を同時にまたがって生きている、という事です。

( 厳密には、 目の前に映っている物質の世界も、脳内の神経によって映し出される世界ではあるのですが、ここはその質の違いを分かりやすくしたいので、目の前に映る物質の世界と脳内に映る抽象の世界として分けて表現します )


例えば、目を開けた時に見える世界がありますよね。
そして、目を閉じた時にも同じく世界がありますね。


違いは、目を開けた時は物質の色とりどりで質感のある世界が見えますが、
目を閉じた時には初めは真っ暗にも見えますが、それと同時に抽象(物質化されていない)としてのイメージのような世界が観えてきます。


「真っ暗しか見えません!」というのは確かなのですが、では、そのままにしていると、今日の出来事だったり、過去の出来事だったり、何か気になっていた事だったりが”観えて”くると思います。


「これは思考しているだけで映像ではないのでは?」と感じるかもしれませんが、私たちは実は無意識では”映像化することで”考えているので、考えている時は、その裏で脳内で映像化しながら、というメカニズムになっています。


話を戻すと、目を閉じた時は、真っ暗なままなはずですが、考えなのか妄想なのか、その夢のような物質化されていない抽象の世界は確かに”観えて”くることがわかると思います。


ここで私たちのとても大切な心のメカニズムは、
”目を開けた時”と、”目を閉じた時”で、「二つの世界がその都度に切り替わる」のではなく、
私たちは物質化した世界と抽象化した世界の二つの世界を”同時に”いつも心で見ながら生きているということです。


「同時に?現実と夢のように交互に切り替わっているのでは?」と思うかもしれませんが、
それはどちらかの世界が優位になっているだけで、実際は二つの世界を”同時”に生きています。


私たちの心を強く支配する抽象の世界

ここで、一つ確かめていただきたいことがあります。

それは、私たちは物質化した目の前の世界と、抽象化した脳内の世界、二つを同時に生きているのですが、では私たちの「心の幸せ」にとっては「どちらの方が影響力が強い」でしょうか?


物質化した目の前の世界でしょうか?抽象化した脳内の世界でしょうか?


生活や生きる事には物質の世界の影響力がとても強いです。しかし、「心の幸せ」になってくると、話は若干変わってきます。


どれだけ物質の世界に幸せと言える状況が整っていても、心が幸せであるかどうかはまた話が違うというのは、皆さんも様々な事例から感じられているのではないかと思います。


私が10代の時に影響を受けた映画「グッドウィルハンティング」や「パッチアダムス」で有名な俳優、ロビン・ウイリアムスは、素晴らしい演技と輝かしい名声の裏で、アルコールやドラッグに依存し、心の苦しみから自殺を選択してしまいました。


逆に、物質的に決して幸せと呼べる状況ではなくとも、心に幸せを感じて生きている人達もいて、私が海外で出会った、インドやチベットの探究者は「心の幸せ」に対して本当に豊かな人生を送っていました。


この「心の幸せ」に関しては、実は、物質の世界以上に、脳内に映っている世界、抽象の世界の影響力がとても強いのです。


例えば、映画を観ているとして、その途中に、過去の自分の嫌な経験を脳内で思い出したとしたら、もう目の前の映画の世界にはついていけなくなり、脳内の映像(過去の自分の嫌な経験)がその時の心のリアリティーになってしまうと思います。


映画に集中するためには、映画の映像を、脳内の映像でもきちんと同一のものに変えないと、私たちの心のリアリティーが映画へと戻ってこないのです。


また映画ではなくとも、例えば目の前に災難がやって来たとして、
自分自身が災難を乗り越える映像を脳内で描けた人と、
自分が災難を乗り越えられない映像を描いた人では、
その災難に対する行動や思考の仕方が変わるだけでなく、同じ状況でも自分の心にストレスをどれほど与えるかも変わってきます。


つまり、私たちは同じ目の前の世界を見ていても、ひとりひとりの脳内に描かれる抽象の世界の方が、心やリアリティーに対して影響力が強いのです。

これは、本当に大切な心のメカニズムで、「私たちは目の前の同じ現実をみているようで、実際は一人一人異なる幻想を見ている」と言えると思います。


そして「心を幸せ」にするには、この脳内の抽象の世界をきちんと理解して、コントロールしていく必要があります!



瞑想とは抽象の世界をコントロールすることで心を救う方法

脳内の抽象の世界とその影響力はなんとなく捉えていただけたかもしれませんが、
では、どうやってこの脳内の抽象の世界を理解し、コントロールしていけばよいでしょうか?


それは、まず初めに、脳内の抽象の世界を認識する為に、「目を閉じる」必要があります。


「目を閉じる」とは誰でも出来て、幾分拍子抜けしたかもしれませんが、心のメカニズムを理解するにはきわめて本質的で重要なアプローチだと思っています。


なぜなら、私たちは、脳内の抽象の世界の方が心にとっては影響力が強いにもかかわらず、目の前の現象の世界に全ての意識が持っていかれてしまうからです。


この矛盾が私たちの苦しみの原因でもあると思うのですが、 目の前の世界を生きている私たちには、残念ながら同時に脳内の世界を認識するのが非常に難しいんです。



この脳内の抽象の世界に対しての「目を閉じる」というアプローチは、
瞑想において、まず初めの段階である観察力を高める基本的な型になります。


つまり、瞑想とは、目を閉じることで【抽象の世界】という「心の幸せにとって影響力の強い幻想」観察するための方法だと感じています。


この 「心の幸せにとって影響の強い幻想」を観察できる力を養うことで、私たちは抽象の世界をコントロールでき、心の苦しみから距離をとる、もしくは心の苦しみを破壊することができるようになります。


マインドフルネスが、様々な大学の研究において、高ストレスやうつ病、高血圧や人間関係に効果があることが証明されていますが、それはこの【抽象の世界】に気づき、コントロールできるようになったからだと私は認識しています。

そして、瞑想でよく言われる「今に在る」という状態も、この【抽象の世界】「今に在る」時に経験しています。


ZEROマインドワークショップでは、瞑想を通して、私たちの脳内にいつも描かれている【抽象の世界】 を理解し、コントロールしていく力をきちんと身に付けていく為のステップ(守・破・離)があります。


これは、何故か学校や社会で全く教えてもらえない、しかし全ての人に実行可能な大切な心のメカニズムです。
(絶対に学校や社会で教えた方が、皆が生きやすくなると思っていますが)


しかし、私たちの意識は何歳からでも変化することができますので!、ぜひ人生に役立つ瞑想の知恵を一緒に身に付けていけたらと思います。


👉ZEROマインドワークショップ 1月30日(京都宇治)2月27日(オンライン)⇩
https://zeromind-kaky.com/0mind-uzi/


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