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【天皇杯】vs北九州戦の得点シーンを分析しつつ観戦力UPしていこうぜ
どうも、ゼロファジです。
今年ちょくちょく『日本一やさしいサッカーの見かた講座』というシリーズでゼロファジ式のサッカーの見かたをお伝えしております。
今回は、この講座の内容の使いながら実際の試合でどう観るか?という実践編をやっていきたいと思います!題材となるのは、先日行われた天皇杯のvsギラヴァンツ北九州戦の先制点のシーン。櫻川ソロモンの美しいゴールでしたが、この一連のプレーをふりかえりつつ、「ここが大事!」「こういう気持ちで見てみて!」と解説していきますのでよろしければお付き合いくださいましな。
その得点シーンはこちら↓
じゃあ、まず最初のところからみていきましょーかね。
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シーンはCBバイスがボールを持っているところから始まります。
こういうとき一瞬チームの気持ちを考えてみるのがおススメ。
岡山はここから「運ぶ」をやって前に進みたい。
一方の北九州は「防ぐ」をやりつつ、どっかで「奪う」をやりたい。
※「運ぶ」「防ぐ」「奪う」はサッカーチームの基本アクション
お互いどういう気持ちでいるのか?ってのを意識しておくと、「何を見るべきか?」的が絞れるので大変に良きです。
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北九州の守備陣形をラインで結んでみました。4ー4ー2のフォーメーションで守っていますね。北九州としては、この3つのラインを防波堤としてどこかで岡山の「運ぶ」を食い止めたいところです。
ちなみに、攻撃と守備にはそれぞれ3つのステップがあります。
※攻撃・守備の3STEP
攻撃のSTEP1:相手コートに入る
攻撃のSTEP2:シュートチャンスを作る
攻撃のSTEP3:シュートを決める
いまボールは岡山コートにありますから、岡山はまず攻撃のSTEP1:相手コートに入るを達成する必要があります。
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バイスから左CBの濱田にパスが出ました。
ここから前に「運ぶ」ためにはパスかドリブルをする必要があります。こんな風に味方がボールを受けたときには「次にどこだったらパスが通るかな?」とチラっと選択肢を探すことをやってみましょう。それができると未来が読めるようになります。ボールしかみていないと「現在」しかわかりません。次になにが起こるかな?とボールから目を離して観察することで未来予測ができるようになるのです。
※パス・ドリブルについては第5回「前向きを作れ!の話」で解説予定
![](https://assets.st-note.com/img/1686355223742-JMvhJFIKCR.jpg?width=1200)
サッカーの「スペース」は守備の選手と選手の間、あるいは守備の選手とコートのラインの間に生まれます。北九州は4-4-2で構えていますが、図のようにラインとラインの間にスペースができていますね。
スペースが広いと岡山の選手が前向きにプレーしやすいので、ここをうまく使えるといい感じです。こんな風に「どこにスペースができてるかな?」とイメージできると吉。
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濱田からの縦パスをボランチ野口がワンタッチではたき、ボランチ田部井が前を向きました。ここは「おおっ!」ってなるポイントです!
それはなぜか?というと、北九州の2トップを結んだ黄色のラインを見てください。このラインはいわば「防ぐ」をやってくる北九州の最初の防波堤でです。ここを見事に岡山がかいくぐったわけですよ。こういうシーンをみつけたとき「おおっ!」って反応できるようになるとグッと楽しさがUPします。
ちなみに、このように相手のコートで前向きでプレーできる状態を作ることは極めて重要なことなので見逃してはなりません。
※前向きの重要性については第5回「前向きを作れ!の話」で解説予定
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次のシーン。野口からの落としを前向きで受けた田部井涼。
先ほどみつけたMFとFWのラインの間のスペース(青丸エリア)で前向きにドリブルを開始します。この時点で完全に北九州のFWの防波堤は突破完了。攻撃のSTEP1:相手コートの入る もこれで達成!となります。
ちなみに、サッカーには中央・左サイド・右サイドとありますが、中央が最も重要なエリアです。
※第4回「エリアの話」で解説予定
さて、岡山は次に攻撃のSTEP2:シュートチャンスを作る に進みます。
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田部井がドリブル北九州のMFをひきつけ、再び野口にパスを返した瞬間がこのシーン。もうパッと見て直感的にわかるとおもいますが、今度は北九州のDFラインとMFのラインの間のスペースに野口が侵入できていることがわかりますよね?
このMFとDFの間のスペースは「ライン間」とよばれる極めて重要なスペースです。攻撃側はここに味方の選手を前向きにプレーできるように送り込みたい。逆に守備側はここで自由を与えたくない。それはなぜか?
※スペースについては第6回「フリーとスペースの話」で解説予定
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このようにゴールに直結する「ラストパス」を出される可能性が高いからです。攻撃のSTEP2:シュートチャンスを作る は、この野口のラストパスをもって達成!です。このように、ラストパスが出せた時点で岡山の攻撃は一応完成したと考えてOKです。ですから、こういうチャンスが来た瞬間に「来た!」って反応できるようになるとめちゃくちゃ楽しいよ!!!!いや、ほんとまじで。ちなみに、ビルドアップという言葉がありますが、これは攻撃のSTEP2までを達成することと解釈しています。
※攻撃の完成については第3回「攻撃と守備の超基礎」にて
![](https://assets.st-note.com/img/1686357907556-N3HW7VUO8w.jpg?width=1200)
野口からのラストパスを櫻川ソロモンが受けて、このまま見事にゴールを奪いました。これで攻撃のSTEP3は達成!
さあ、ここでも青丸のエリアに注目です。ここはDFラインとGKの間、いわゆる「裏」のスペースです。サッカーはいろんなところにスペースができますが、その中でもとりわけ裏のスペースが最も重要です。得点・失点に直結するから。なので、ここに味方をフリーで侵入させることができれば大きなチャンスになります。
ということで、『日本一やさしいサッカーの見かた講座』の中で紹介した知識を使って北九州戦の得点シーンを解説してみました。いかがだったでしょうか?
正直、そんなにいろいろ整理して観れないよ!!って思った人もたくさんいると思います。というかね、自分もリアルタイムではそんな理解してみてないです笑
だけど、こうしてもう一度見直してみるときにはじっくり何が起こっていたのか?を観察できるので、持ってる知識を使えば「なるほど、こういうことが起こっていたのか」と自分なりに解答を見つけることができます。これが楽しいんですよ。
ちゃんと知識を積み上げて、試合で使ってみる。その回数が増えれば増えるほど、深く考えなくても「次どこにボールが出るかな?」と予測したり、勝手に「空いてるスペースないかな?」と探してみたり、フリーで前向きの選手がボールを受けたときに「来た!」と反応できるようになります。
もし、よかったらそんな風に観戦体験をグレードアップしてみてくださいましな!
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