『好きなクラブをけなされること』について語り合うファジサポのAとB
B「あのさあ・・・」
A「お、どした?また不満そうな顔をして」
B「聞いてよ。いやーなことがあったんだよ」
A「ほお、どんな?」
B「おれらファジアーノ岡山を応援してるじゃない?」
A「うん」
B「なんかよそのクラブのサポーターがファジのことをネチネチ悪口言ってるのをSNSでまた見ちゃってさ」
A「あー」
B「もうムカついてムカついて!反応したら負けと思ってるんだけど、イライラしちゃってどうしようもなくて」
A「わかる」
B「ひとりじゃどうにもなんないから、悪いけどAに付き合ってもらおうと思って」
A「そういうことね」
B「Aはこういうときどうしてんの?普段、冷静に話するからあんま想像つかないんだけど、Aもイラっとくるの?」
A「はは、そりゃくるよ。あんまり言わないだけで」
B「だよね!?やっぱそうだよね?」
A「だって、人間だもん。そりゃイラっとくるさ。好きなチームとか選手のことを悪く言われたら。誰だってそうじゃない?」
B「それ聞いただけでもなんかスッとする。けど・・」
A「けど?」
B「俺もなんとかしなきゃなと思うんだよ」
A「ほお」
B「だって、こんなんSNSやってたら避けて通れんくない?全員が全員ファジのこといい風に言うわけじゃないし」
A「まあ、勝負事でもあるしね。ウチが勝てば負けたほうは悔しいだろうし」
B「この先もイラつかされる発言とかを見る機会も絶対あるだろうしさ」
A「間違いないね」
B「だから、対策をしときたい思うのよ」
A「それはいい考えだなぁ。いちいちイラついてたら疲れるしね」
B「ほんまそれ」
A「Bはイラつく投稿とかに反論してやり返したりするの?」
B「前はそうしてた。だって悔しいじゃん言われっぱなしは」
A「それはやめた方がいいと思うよ」
B「あー?やっぱそうなの?」
A「言われっぱなしが悔しいって気持ちの根っこにはファジのことを守りたいって気持ちがあると思うんだよ。間違ったこと言ってファジを貶めないでくれ!っていう」
B「うん。たしかに」
A「そこに、相手の間違いを指摘したいとか、相手の無知を思い知らせたいとか、そういうひとに対する復讐心みたいなものが乗っかってくるもんだと自分は思ってる」
B「なるほどなあ。でも、それって悪いことなのかな?」
A「いいわるい、というよりは、そういうの無駄だなと思って」
B「ほう、なんでなん?」
A「基本的に心が開かれてる人とか、聞く耳をもってるような人に間違いを訂正したりするのは意味ある事だと思うよ。言ったらわかってくれる可能性があるからさ。でも、悪口を言って貶めてやろうなんて思ってる人に、そんなの期待できんくない?」
B「あー・・・」
A「侮辱的な発言をする人、聞く耳持たない人に対して、彼らが認めたくないような反論をどんだけやってもそりゃ聞く気ないよ。たぶんね」
B「・・・確かにそうだな。相手次第なところあるもんな」
A「どうやったっていいオチなんか望めないのに、そんなに必死こいて反論する値打ちがほんとにあるのか?って思うと微妙でしょう?」
B「だからほっとけってことか」
A「付き合うだけBの時間が無駄になるんじゃないかな」
B「でもなあ・・うーん」
A「胸がスッとする気持ちいいやりとりができました!なんて結末にはならないじゃん?どうやったって」
B「まあ、だいたい”クソが!”って言いあって終わるみたいな感じだね」
A「言いあいがヒートアップしてくると、それを見てた人もワラワラ群がってきてちょっとした騒ぎみたいになるでしょ?」
B「SNSだとそうなっちゃうよね」
A「どこまでやっても殴り合って、ムカつきあって終わり。胸に残るのはイラだちと復讐心でしょ?そんなの必死こいてやらなきゃいけないことなのか?っていう」
B「なんか、時間の無駄感がしてきた・・・」
A「たくさんのひとが、”ムカつく!思い知らせてやりたい!””あのクラブのサポーターは〇〇”みたいに印象操作をやりあって、いやまあ、対決感は煽れるかもしれないよ?でも声を上げないひとの中には静かに不快だなって思ってる人もきっとすくなくないと思うよ。それは、Bが相手をしなけりゃ起こらないことなんだ」
B「そうだなぁ・・・」
A「今回Bがもってきた話ってすごく大事なことで、サポーターってどんな生き物なんだろう?って考えるきっかけになると思うんだよね」
B「へー!というと?」
A「基本的にサポーターって自分の応援する選手やクラブが好きじゃない?」
B「うん」
A「そして、自分の中の”選手やクラブが好きな感じ”を邪魔されたくないんだと思うんだよ」
B「ほお、それは考えたことなかった」
A「だから、耳障りなこと、さっきみたいなよそのサポーターの悪口とか、批判とかさ、そういうものが耳に入るとノイズになっちゃうんだ」
B「好きな気持ちにちゃちゃ入れられるってこと?」
A「そう、そんな感じ」
B「だから、イラっとするのかなぁ」
A「いい気分を邪魔されたら誰だってイラっとくるさ」
B「そうだね」
A「だから、選手やクラブを守りたい!って気持ちと並ぶように、自分の好きな感じを邪魔しないでくれ!って気持ちがあるんじゃないかなと思ってる」
B「あー・・」
A「もちろんクラブを好きな感じはすてきなことなんだけど、他のファジサポじゃないひとが同じように思ってくれるとは限らない。さっき、Bも自分で”全員が全員ファジのこといい風に言うわけじゃないし”って言ってたようにね」
B「そうだなあ」
A「でも、知らず知らず”この好きな感じを他の人にも持ってほしい”って期待しちゃうのも・・・まあ、サポーターの性(サガ)というか笑」
B「なるほどね笑」
A「サポーターってもしかしたらそういう生き物なのかもな、って思っておくとその辺すごく冷静になれるんじゃないかと思うよ」
B「ふと、思ったんだけどAはファジの良くないことも割と”ここが良くない”って言うじゃない?」
A「そうだね」
B「ここまでの話だと、そういうAの”良くない話”もノイズになっちゃうんじゃない?って思ったんだけど、そのへんはどうなの?」
A「今日のBはいつにもまして鋭いな・・」
B「へへ」
A「Bの言うとおり、自分がファジについて良くないって思ったことは、他の人にとってノイズになってる可能性はかなりあると思ってるよ」
B「そうだよねやっぱり。でも言うじゃん?それはなんでなの?」
A「なんで?・・・うーん、そう思ったからというのがひとつと。もう一つは全部が全部パーフェクトにいいなんてありえないと思ってるからかな」
B「というと?」
A「ファジは神様じゃないから、絶対にいいところもわるいところもある」
B「まあ、そうだね」
A「でも、さっき言ったようにサポーターってクラブを守りたい!好きな感じを邪魔されたくない!って生き物でしょ?」
B「うん」
A「すごーくたくさんの人が大なり小なりそう思っていると」
B「そうだね」
A「そうなると、なんかよくないことが起こったとき、見てみぬふりをどうしてもしたくなっちゃうもんだと思うんだよ」
B「あー-それはあるかもなあ。ちょっと都合が悪いことは黙ってスルーしちゃおうみたいな。そういうときちょっと居心地悪いんだよな。なんか、どうしたらいいかわからんくなる」
A「でしょう?”これはおかしいんじゃないか?”とか”ここはどうなん?”みたいなことがノイズになって、スルーしたくなっちゃうと思うんだよね。自分にもそういうクラブを好きな気持ちとノイズが両方働いてるのを実感する時があって」
B「うん」
A「クラブのことを身びいきしたくなる気持ちがある一方で、その気持ちに任せてうやむやにしちゃうのは正直どうなん?というのはいつも思ってる」
B「なるほど、そういう気持ちだったのね」
A「ただ、言い方はめちゃくちゃ気にするようになったね」
B「ほお」
A「なんだろう。仮に自分の主張が正しいと信じられる時でも殴り掛かるように”これが正しいんだ!”みたいな正論で正拳突きするようなスタイルはまるでダメだね。昔は、そっちのほうばっかりやってたけど、ほんとダメだなと思った」
B「言い方で聞きたいかどうかだいぶ変わるもんね」
A「そうそう。まあ、自分の言ってることに賛同してほしいって気持ちがめっちゃあるってわけではなくて、自分はこう思ったよって言ってるだけなんだけどね。でも、SNSとかで外に繋がる形で言うならそりゃダメだなと反省して」
B「ひとが見てるもんね」
A「そうなんだよ。どうせなら届く形がいいし、他の人の”クラブを好きな感じ”にわざわざノイズを差し込んで”聞け!”ってのは正直厚かましいんじゃね?と思ってさ。押し付けてるだけだから」
B「でも、言いたいことは言ってきたよね?」
A「言うのは自由だからね。だから、どう相手の心に着地するかな?とか、ノイズ成分があったとしても基本はクラブを大事に思う感じもセットで伝わるようにとか。そういう風に考えるようになったね」
B「それでなんか変わった?」
A「発言するのが楽になったよかなり。遠慮して言わない、みたいなことは減ったなあ。配慮をちゃんとしておけば言いたいことが言えるってのはすごく気持ちが楽」
B「モノが言えないってつらいもんな」
A「まあ、Bがどう振舞うかはBの自由だし、自分みたいなやり方じゃなくてもたぶん正解はいろいろあると思う。だからBらしいやり方、接し方みたいなのをこれから考えていけばいいんじゃない?」
B「そうだね。サポーターがどういう生き物なのか?って考えておくのはすごく使えそうだなと思ったよ。あと、相手は選ばないとダメだね?」
A「そうだね。ファジに関心があって親身になってくれるのは、基本ファジサポだけで、よそのクラブのサポーターやそもそも関心持ってない人に対して、聞く耳持ってくれるとハナから思いこんじゃうとうまくいかないかもしれないね」
B「ありがとう。ちょっと今後どうするか見えてきた気がするわ」
A「うん」
B「それにしても、Aにもそんな過去があったんだなあ・・・」
A「あるよ、めちゃくちゃ恥ずかしい時期がいっぱい。もちろん今でもみっともないところはあるし」
B「今度はそこを聞こう笑」
A「やめなさい」
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