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J2 第5節 岡山vs甲府レビュー

この記事はポッドキャストで配信した内容の書きおこしです。配信はこちらからチェックできます!


写真提供:sho(@sho__21)

どうも、ゼロファジです。
ファジサポ談話室。この番組はサポーターによるサポーターのためのファジアーノ岡山応援プログラムです。


いやー。

レビューを書くために、終わった試合をもう一度見直すという作業をやるんですよ。普段ね。なぜか?というとサッカーって一度見てわからいことがすごく多いので、巻き戻しとかを使って「何が起きてたの?」ってチェックしていかないと詳しいところはわからないってことがあって。

その作業自体はすごく楽しいんです。これは勝とうが負けようが、引き分けようが。もちろん勝った後は最高ですけどね。常に新しい発見があったり、なぞが解けたり、チームの成長、選手のプレーの良し悪しなんかが、自分のような素人でも、素人なりに理解できるので。

だけど、その作業がしんどい時もあるんですよ。今回は第5節ヴァンフォーレ甲府戦のレビューなんですけども、まさにそのしんどいタイプのやつでした。負け試合にもいろんなタイプありますけども、ミスがらみで失点して負けるのって個人的には一番嫌いなタイプのゲームなんですよ。なんか締まらないなぁっていう。

話す方としても気持ちの持ちようの難しい試合です。しかし、チームのあゆみを記録するという意味でも、また次回アウェイ甲府戦でしっかりと借りを返さないといけないですしね。前回はこうだったよね?という備忘録を残す意味でも、なかなか気持ち的には厳しいですがベストエフォート方式でがんばってみたいと思います。あんまり細かくチェックはしてないので、いつもより印象論的なニュアンスは強くなりますけども。「あ、ゼロファジさんMPが持たなかったんだな」と思っていただけたらと思います。今回はそんな感じで。


試合のふりかえり


軽ーく試合の流れをふりかえると、

前半開始早々、GKからのビルドアップを受けた輪笠がボールを奪われてそのまま叩き込まれていきなりビハインドでゲームがはじまるというスタートでした。

その後セットプレーで取り返しますが、バックパスをGK山田大樹がつなぐことができずにラインアウト。そのCKを押し込まれて1-2。

前半の終わりにやや甲府の守備がルーズだったところをついてソロモンが同点弾を押し込みました。

しかし、前半終了間際にまたミスからFKを与え2-3と再び甲府がリード。

後半はさらに守備的に構えるようになった甲府に対し、なんとかこじ開けようといくつか決定機を作りましたが追撃及ばす。今季初黒星を喫しました。

ヴァンフォーレ甲府の印象


では、まず甲府の印象から行きましょう。

これまで対戦したチームの中では最も守備の硬いチームだなあと思いました。守備時は442でブロックを引いて守りますけども、ブロックもかなりコンパクトだったので隙間がすごく狭い。なので、岡山がタテに運ぼうと思っても目の細かい網に絡め取られてしまう。そんな印象を受ける守備でした。

特にいいなと思ったのが、ボランチより前の選手たちの守備の準備のよさ。そして、献身性の高さです。両SHやトップ下の三平はちゃんと周囲の状況を見てポジションをとりますし、プレスにでます。剥がされても戻ってきて守備力を回復させてくるので、こちらがサイドで優位に立てるシーンを未然に防がれる印象が強かったですね。すぐにフタをされちゃうイメージ。

あとは、前からのプレスもキツかったですね。まあここは紙一重で甲府が前からいって剥がされて岡山に決定機を作られるシーンもありましたからね。プレスからミスを誘われて失点してるので何やってんだよ!ってなるんですけど、そこを剥がすと決定機作れたりもする。なので、ここのせめぎ合いはどっちに転ぶか?というほんとギリギリの勝負所でもあるんですよね。

甲府は岡山の変化に対してマークを明確にしてこのゲームに入ってきたので、前からプレスに行く場合もほぼ混乱することなく遂行することができていたんじゃないかなと思いました。

一方で攻撃はどうか?というと正直そこまでインパクトがあるチームじゃないかなあと。もちろん個の力のある選手がそろってるので、球際で競ってボールを残されるとかはあります。そして単独で前向きにプレーさせるとクオリティ持ってます。しかし、岡山の守備があわてるシーンはミス以外ではそんなに多くなく、また決定機自体もそんなにない。これまで対戦したチームと比べても甲府のポテンシャルを考えればまだまだなのかなあと。ざっくりですがこんな印象でした。

岡山のボトムチェンジに対抗する甲府


前節、最終ラインの立ち位置を変えるボトムチェンジを行うことでボールを運びやすくなった。そういう成功体験を積んだわけですが、この試合では早速甲府からツッコミが入ってましたね。

試合を見ていて、どうもうまくいかないなあ。なんでだろう?と思った人も多いんじゃないかなと思います。

その理由としては、岡山が選手の位置を変えてくることをあらかじめ織り込んで甲府が守備をしてきたことが大きかったかなと思います。

具体的には輪笠が降りようが、鈴木喜丈が寄ろうが、岡山が3バックになるならば、中へのパスコースを切って左右に出させ、両SHがハメにいく。サイドの木村太哉、河野諒祐にはSBがハメる。これにより、中に出しても、外に出しても監視されてる状況をつくる。

じゃあ、鈴木喜丈や、仙波大志、田中雄大は?というと、ここを甲府はすごく上手くやっていて、上手に連携して死角から入ってくる選手をうまく警戒していました。そうして、甲府のブロックの前にマーク対象を置いてプレッシャーをかけていく、と。甲府のブロックはコンパクトで狭いですから、なかなか縦パスも刺せないですし、仙波や田中雄大も浮いてないのでもらうことができない。後方からの組み立てが機能しないと、ムークは細かいスペースで受けるのが得意じゃないのでさらにボールを受けられなくなると。前節うまくいっていたポイントをことごとく封鎖されてなかなかリズムが出なかったなあと。

岡山のパスはタテ志向すぎる?


水戸戦なんかもそうでしたけど、どうも守備のいい相手とやるときに岡山はタテありきで組み立てようとしすぎるような印象があります。

ピッチを大きく使って左右に動かすことで、体力を奪いつつ隙間を広げるというような下ごしらえをあまりやらないんですよね。

どうしてもタテにつけないと!という発想が先にあって、やり直すとか揺さぶるとかがあまりないのかなあと。でも金沢戦はそこがよかったと思うんですよ。なんだか、守備がいいチームとやると無理くり突っ込んで絡め取られるみたいな。窮屈な攻撃をやってしまうのがクセなのかなあと。

中をつかえないので、サイドにボールが流れる。そうすると甲府はタッチラインと守備ブロックで岡山をグイグイ押し付けてプレッシャーかけてきますから、ドリブルで一枚剥がすとか、相当息のあったワンタッチプレーとかでもない限り突破するのは難しい印象でした。なんだか、ガードの上から愚直にパンチを叩くような徒労感がありました。

甲府も戻りながら守備を強いられると決定機を作られるわけで、彼らに余裕を持った守備をさせない工夫がもう少し見たいなと思います。

1点目の失点シーンと輪笠の認知


この試合の1失点目について話してみたいと思います。開始早々の時間帯での失点ということで、ゲームの方向性をある程度決めた感のあるエラーでしたね。これは痛かった。

輪笠がコントロールをミスって奪われるという形なんで、輪笠何やってんの!ってなりますよね。確かにそれもあるんですが、ここ、輪笠は周囲を確認できてないんですよね。サッカー選手は認知・判断・実行というプロセスを経て、動きます。つまり、状況を見て、どうするか決めて、それから動くってことですね。

ところが、この場面だと輪笠は認知できてない。つまり、周囲の状況が把握できてないんです。なのに、ボールが来てしまったので、処理に慌てたところをかっさらわれたという形。なので、準備ができてない選手にボールをつけるGKのパスもどうなんだ?という視点も必要かなあと思います。

ちなみに、認知がちゃんとできてるシーンを紹介しましょう。10:40秒あたりから、鈴木喜丈からのパスをターンして甲府のボランチを輪笠が剥がすというシーンがあります。ここの輪笠は認知ができてるので素晴らしい判断、実行ができてます。ぜひ、比べてみてください。

優勝にふさわしいチーム


この試合で今季初黒星となりました。この試合をどう受け止めるか?は結構そのひと次第だと思うんですが、割とゴールが2つ取れたし、後半決定機も作れたこともあってか、そこまで怒りを露わにするひともいないような印象でしたね。すごくいいと思います。

もちろん、若いチームだしまだまだ完成には程遠いですが、一方で厳しい現実から目を逸らしてもいけないかなあと思うんですよ。

今年ファジアーノ岡山は優勝を目指していますよね?すべての試合が優勝に向けた勝ち点を積むチャンスであるわけです。

そういう場において、こんな形で勝ち点0に終わってしまう。これが本当に優勝するにふさわしいチームの振る舞いなのか?と。そこの視点はキープしたいなと個人的には思うんですよね。

確かに、去年の滑り出しから比べればいいと思う。だけど、去年はそうやってもたついた分、秋に泣きましたよね。あの試合がなければ、あそこを勝てていればって何回もあったじゃないですか。今年はそれはナシでいかなきゃいけない。じゃないと優勝するチームにはなれないと思うんですね。

ちなみに、2012年から去年までの歴代J2優勝チームの11チームありますけども、その負け数がいくつか知ってますか?最大どのくらいの負け数までなら許されるか?

データの上では、8敗までなんですよ。9敗して優勝したチームは2012年以降は存在しません。なので、目安は8敗。つまり、ハーフシーズンで4回までしか負けられないんです。のこり17試合は無敗。それが優勝するチームの足取りなんですね。

現時点で優勝にふさわしい実力を発揮できなくてもいいと思います。あからさまに強え!って感じじゃなくても別に大丈夫。しかし、成績はしっかり残しておかないと、いずれ強くなってももう届かない。そういうパターンはあり得ます。だから、やっぱり負けてはいけない。しかも、こんなもったいない形で負けてはいけない。

そして、負けてしまったならそこから強くならならないといけない。ぼくらが今年戦ってるシーズンはそういうヒリヒリした緊張感のあるシーズンなんだってことを忘れたくないなと。そういう戦いができることの難しさと喜びを感じながら、一年を過ごしていきたい。

この試合ではチームとして経験不足や、特に攻撃においての問題点が出たと思うので、千葉戦でそこにどう回答をしていくのか?を楽しみにしたいですね。甲府が入れてきたツッコミにどう答えを出すか?

組み立てのところ。クリーンに相手コートに侵入して崩しに入ること。あとは中外をバランスよく使ってクロスから得点を増やしたい。

千葉戦にはソロモンが出れませんけど、代表組も戻ってきたし、主力組の復帰者も続々戻ってきています。鬼門フクアリですけども、ジンクスをものともしないチームじゃないと優勝なんて無理ですからね。やったことないこと、いったことないとこにいこうよって話ですから。チームのリバウンドメンタリティに期待したいなと思います。

ということで、簡単でごめんね。

甲府戦のレビューでした。
じゃあ、またね。

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